
私鉄総連ハイタク協議会、全自交労連および交通労連ハイタク部会で組織するハイタクフォーラム(溝上泰央・代表幹事)は7日の総決起集会後、構成組織代表らは千代田区永田町の衆院第二議員会館で野党系のタクシー政策議員連盟(会長=辻元清美・参院議員)メンバーらと意見交換を行った。
タク議連からは辻󠄀元清美会長、逢坂誠二副会長、福島伸亨副会長、西村智奈美副会長、小宮山泰子幹事長、森山浩行幹事長代行、森屋隆事務局長、道下大樹事務局次長、田村まみ事務局次長の計9人。
ハイタクフォーラムからは溝上泰央代表幹事、小川敬二幹事のほか29人が参加し、私鉄総連ハイタク協議会からは志摩卓哉議長、石橋清志副議長、大南昌彦副議長、久松勇治事務局長、日下和彦私鉄関東ハイタク協事務局長、三村雅彦私鉄関西ハイタク労連副委員長、岡本雅信私鉄九州ハイタク労連委員長、塩塚大雄私鉄九州ハイタク労連副委員長が参加した。
司会進行は、森屋隆タク議連事務局長/参議院議員が務めた。
溝上代表幹事は、「本日の総決起集会で、タクシー運転手の待遇を向上させ、地域交通と雇用を守り抜く腹合わせをしてきた。現場の声を伝えるので、ハイタクで完結する移動を創っていくため、お力をお貸しいただきたい」などとあいさつした。
タク議連は、逢坂誠二副会長/衆議院議員が「ベトナムのライドシェアを利用し過剰な請求をされた。日本のハイタク運転手が守っている安全・安心が非常に大事だと痛感した」「ライドシェアは駄目というと、既得権益を守っていると言う人がいるが違う。守っているのは、国民の安全・安心であり、交通の安全を守ることが目的。変な声に惑わされず、頑張っていかなければいけない」「この30年、目先の利便性、合理性を追求した結果、何を守るべきかを忘れてしまった。特に、働く皆さんの待遇を向上させないと社会全体が良くなっていかない。濃密な意見交換をしていきたい」などとあいさつした。

続いて全自交労連、交通労連がハイタク情勢(現場・組合員の声)報告を行い、私鉄総連からは大南私鉄関西ハイタク労連委員長が国交省要請時と同様、一連の日本版ライドシェア緩和の実態を報告するとともに、ライドシェアの全面解禁に向けた動きとしての危機感を訴え、「この流れを止めるのにお力をお貸しいただきたい」などと伝えた。
意見交換では、福島副会長から「日本版ライドシェアの評価と全国的な傾向について」、道下大樹事務局次長からは「危機的な地域のタクシー事業に対し国家予算投入の具体策」が問われた。久松勇治私鉄ハイタク協事務局長は「自治体が独自で行っている交通弱者に対する運賃への補助制度を、国が制度として責任を持ってやっていただけたら、私たちも安心して運賃改定を求めていける」などと応じた。
道下事務局次長からは、規制がないライドシェアより、タクシー事業者に課されている規制縮減が先、との意見があった。
西村智奈美副会長からは、地方での24時間運行廃止の状況と泊まり勤務の労働時間扱い、小宮山泰子幹事長からは「大阪の日本版ライドシェアの緩和は供給に疑問があり、タクシーが副業ならできない。偽装の疑いがあるため調べる必要がある。運転手はプロフェッショナルであるべき」、森山浩行幹事長代行からは、3月14日の衆議院国土交通委員会での質疑に向けた協力が求められた。
また森屋事務局長は、「これからどういう活動ができるか」を提起した。
久松私鉄ハイタク協事務局長は「大衆運動は交運労協の街頭宣伝活動、ライドシェアを考える市民会議が進めている。喫緊の課題は、①昨年3月通達に基づく日本版ライドシェアが事務連絡レベルで緩和されていること、②通達の有効期間は2026年3月31日まで。道路運送法第78条の3『公共の福祉を確保するため、やむを得ない』が根拠の日本版ライドシェアは、移動の足が確保でき、やむを得ない事情が消滅した場合、判断をどうするのか、どうやって辞めるのかが明確になってないこと、③2026年4月1日以降の通達の扱いはどうするのかを明確にさせていくため、タク議連と協働したい」などと応えた。

さらに森屋事務局長は、「日本版ライドシェア運転者は、二種免許を持っていないから、タクシーより安くてよいのでは」という利用者から寄せられた疑問について尋ねた。
久松私鉄ハイタク協事務局長は、「運賃が安いとなれば、安い方がよいとなってしまう。運賃の高い、安いでは、この問題の解決にならない」などと応えた。
また塩塚大雄私鉄九州ハイタク労連副委員長は、「福岡では二種免許を取得するまでの間、事業者側がライドシェアを活用しだしている」などと報告。
あわせて二種免許取得補助金は労働者への支援を要望し、労使協議では限界がある歩合給制度について、「国が見直しをリードいただけたら助かる」などと伝えた。
辻󠄀元会長は、「現場の声をうかがい、国会のあらゆる場面で力を尽くした連携プレーでいきたい」とし、①コロナ禍でのゼロゼロ融資返済状況と経営への影響の把握、②47都道府県における日本版ライドシェアの運行状況調査と公表を、国交省と折衝するよう森屋事務局長へ注文した。
また、「本当にタクシーが足りないのか、実態をふまえたうえで日本版ライドシェアの緩和をしたのか、大阪の実態を分かって緩和をしたのか、衆参国土交通委員会で確認してほしい」「ライドシェア問題は、与野党関係なく反対している国会議員と連携してきた。来る参議院選挙で力を伸ばすために、ご協力をお願いしたい」などあいさつした。
最後に小宮山幹事長は、「私は、あまり大阪に行っていないが、報告をうかがい、やばいと思った」「地域公共交通の安全と安心が破壊されないように、そして労働者の待遇と雇用の安定を守るために、しっかりと戦っていきたい。私は、二種免許を持った運転者のタクシーを利用したい」などとまとめた。