労組書記長(←元)社労士 ビール片手にうろうろと~

労組の仕事している勤務社労士がもしや誰かの役に立ってるんかな~と思いつつ飲んだくれて書いてるっす~(* ̄∀ ̄)ノ■☆

国交省に対してタクシーの運賃改定で迅速な処理を求めてきたが、大きく改善してくれた❕

2025-01-22 | 書記長社労士 公共交通
〇運賃適用地域における法人事業者全体車両数に占める申請があった法人事業者の車両数の合計の割合が5割以上で、3ヶ月の期限の到来を待たずに直ちに運賃改定手続を開始することとなった。
(これまでは7割、さらにその前はその割合に達しても、3ヶ月の期限が経過しないと運賃改定手続を開始されなかった)
〇運賃ブロックを統合することとなった。
(各地方運輸局管内で、あとから運賃改定申請した運賃ブロックの運賃改定手続が少しでも早く処理できるようになった)

 これで、必要な運賃改定が、より迅速に進むことを期待している。
とはいえ、うちとしては歓迎している反面、課題もあって、国土交通省に対しては、
『運転者の賃金・労働条件やタクシー事業の経営環境の改善を行うためには、周期的な運賃改定は必要であるが、一方で、高齢者や障害者、子育て世帯など、日常的にタクシーが必要な方たちにとって運賃改定は負担増となるため、運賃に対しての公的支援を創設されたい。
という要請を、継続して行っている


 以下は、令和6年11月の物流・自動車局旅客課のパブリックコメントの内容。

「一般乗用旅客自動車運送事業の運賃料金の認可の処理方針について」の一部改正について
1.背景
 一般乗用旅客自動車運送事業の現行制度においては、各地域の需要構造や原価水準等を勘案して、運賃料金を適用する地域(以下、「運賃料金適用地域」という。)を細かく区分しており、運賃料金適用地域内の運賃改定の申請を行った法人事業者の車両数の割合が7割以上となった場合に、運賃改定手続を開始することとなっている。
この度、現行の運賃料金適用地域の区分を見直す予定であるが、あわせて運賃改定手続を開始するために必要な条件を見直すこととする。

2.概要
 運賃改定手続の開始に必要な条件を以下のとおりとする。
・運賃適用地域において運賃改定の申請を行った法人事業者の車両数の割合が5割以上となった場合

3.今後のスケジュール(予定)
公布:令和6年12月中旬
施行:公布の日


 結果、2024年12月24日付で、「一般乗用旅客自動車運送事業の運賃及び料金の認可申請の審査基準について」が以下のとおり、改正された。(抜粋)

1.運賃適用地域
 運賃改定(需要構造、原価水準等を勘案して運賃改定手続をまとめて取り扱うことが合理的であると認められる地域として近畿運輸局長が定める別添の地域(以下「運賃適用地域」という。)において普通車(普通車の車種区分がない地域においては地方運輸局長の定める区分による車種別)の最も高額の運賃よりも高い運賃を設定することをいう。以下同じ。)申請については、運賃適用地域ごとに行う。

2.運賃改定手続の開始等
(1) 運賃適用地域ごとに、最初の申請があったときから3ヶ月の期間の間に申請を受け付けることとし、申請率(当該運賃適用地域における法人事業者全体車両数に占める申請があった法人事業者の車両数の合計の割合をいう。以下同じ。)が5割以上となった場合には、3ヶ月の期限の到来を待たずに直ちに運賃改定手続を開始することとする。
(2) 運賃適用地域ごとに、運賃改定手続開始後において、申請の取り下げにより申請率が5割を下回る事態となった場合には、次のとおり取り扱うこととする。
① 申請率が5割を下回った時点で、運賃改定手続を一時的に中断するものとする。
② 当該運賃改定手続を中断したときから3ヶ月の期間の間に、追加的な申請により申請率が5割以上となった場合には、直ちに当該運賃改定手続を再開するものとする。
③ 当該運賃改定手続を中断したときから3ヶ月の期間の間に、申請率が5割以上とならなかった場合には、当該運賃改定手続を中止するものとする。(3) なお、(1)において運賃改定手続の開始に至らなかったとき及び(2)③において運賃改定手続が中止となったときは、それぞれ申請事業者について、道路運送法第9条の3第2項第1号の規定に適合しないものとして却下処分を行うものとする。


 なお、上記パブリックコメントの下線部である「この度、現行の運賃料金適用地域の区分を見直す予定であるが」については、以下のとおり、全国で101あった運賃ブロックは、69ブロックに変更がなされた。

〇北海道運輸局
札幌・小樽地区(札幌市・小樽市等)
 ⇒ 札幌A地区と札幌B地区が統合
千歳・空知・後志地区(千歳市、岩見沢圏、夕張圏、美唄圏、芦別圏、滝川圏、当別圏、余市町・ニセコ町等) ⇒ 札幌C地区と札幌D地区と札幌E地区が統合
旭川地区(旭川市、名寄市、稚内市、富良野市等) ⇒ 旭川A地区と旭川B地区が統合
函館地区(函館市、松前圏・桧山圏・奥尻島等) ⇒ 函館A地区と函館B地区が統合
室蘭地区(室蘭市、登別市、苫小牧交通圏など)
釧路地区(釧路市、釧路町など)
 ⇒ 釧路A地区と釧路B地区が統合
帯広地区(帯広市、音更町、芽室町、幕別町、広尾町、足寄町、清水町等) ⇒ 帯広A地区と帯広B地区が統合
北見地区(北見市、常呂圏・網走市・斜里圏等) ⇒ 北見A地区と北見B地区が統合

〇東北運輸局
青森地区
岩手地区
 ⇒ 岩手県A地区と岩手県B地区が統合
仙台地区 ⇒ 旧の宮城県A地区
宮城地区(仙台地区を除く県全域) ⇒ 旧の宮城県B地区
秋田地区 ⇒ 秋田県A地区と秋田県B地区が統合
山形地区 ⇒ 山形県A地区と山形県B地区が統合
福島地区

〇関東運輸局
特別区・武三地区
多摩地区
東京島しょ地区(大島、利島、新島、式根島、神津島、三宅島、御蔵島、八丈島、青ヶ島、父島及び母島)
京浜地区
相模・鎌倉地区
小田原地区(小田原市等)
千葉地区
 ⇒ 千葉A地区と千葉B地区が統合
埼玉南部地区(県南中央、県南東部、県南西部) ⇒ 旧の埼玉県A地区
埼玉北部地区(県北、秩父) ⇒ 旧の埼玉県B地区
群馬地区 ⇒ 群馬県A地区と群馬県B地区が統合
茨城地区
栃木地区
山梨地区
 ⇒ 山梨県A地区と山梨県B地区が統合

〇北陸信越運輸局
新潟地区
 ⇒ 新潟A地区と新潟県B地区が統合
長野地区 ⇒ 長野県A地区と長野県B地区が統合
富山地区
石川地区
 ⇒ 金沢地区と石川地区が統合

〇中部運輸局
名古屋地区(名古屋市)
尾張・三河地区(小牧市、豊田市、豊橋市等)
静岡地区(静岡市、浜松市等)
伊豆地区(伊豆交通圏)
岐阜地区
 ⇒ 岐阜地区と飛騨地区が統合
三重地区
福井地区

〇近畿運輸局
大阪地区
京都市域地区(京都府京都市、向日市、長岡京市、宇治市、八幡市、城陽市、京田辺市、木津川市、乙訓郡、久世郡、綴喜郡、相楽郡等)
京都北部地区(京都市域地区を除く県全域)
神戸市域地区(神戸市、芦屋市、西宮市、尼崎市、伊丹市、宝塚市、明石市、川西市、川辺郡)
兵庫地区(神戸市域地区を除く県全域)
 ⇒ 姫路・東西播地区と淡路島地区と兵庫北部地区が統合
奈良地区
滋賀地区
 ⇒ 大津市地区と滋賀県北部地区が統合
和歌山地区 ⇒ 和歌山市域地区と和歌山県有田御坊地区と和歌山県橋本地区と和歌山県紀南地区が統合

〇中国運輸局
広島市域地区
 ⇒ 旧の広島A地区
広島地区 ⇒ 旧の広島県B地区
鳥取地区
島根地区
 ⇒ 島根県本土地区と島根県隠岐地区が統合
岡山地区
山口地区

〇四国運輸局
徳島地区
 ⇒ 徳島県市部と徳島県郡部地区が統合
香川地区 ⇒ 香川地区と小豆島地区が統合
愛媛地区 ⇒ 愛媛県東予地区と愛媛県中予地区と愛媛県南予地区が統合
高知地区 ⇒ 高知市域と高知県郡部地区が統合

〇九州運輸局
福岡市域地区(福岡市、大野木市、太宰府市等)
 ⇒ 旧の福岡県A地区
福岡地区(福岡市域地区・北九州市域地区を除く全域) ⇒ 旧の福岡県B地区
北九州市域地区(北九州市、中間市、遠賀郡)
佐賀地区
長崎本土地区(長崎県本土地区)
 ⇒ 旧の長崎A地区
長崎離島地区(五島市、壱岐市、対馬市等)  ⇒ 旧の長崎B地区
熊本地区(熊本県全域)
大分地区(大分県全域)
宮崎地区(宮崎県全域)
鹿児島地区
 ⇒ 鹿児島A地区と鹿児島B地区が統合
奄美地区(奄美群島内)

〇内閣府沖縄総合事務局
沖縄地区
 ⇒ 沖縄本島地区と沖縄県離島地区が統合

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徳島県神山町「新たな公共交通 まちのクルマ Let’s」、町の費用負担が課題のようだが、クロスセクター効果も評価して欲しいな

2025-01-21 | 書記長社労士 公共交通


 昨年末のことになるが、交運労協ハイタク部会で、徳島県神山町に「新たな公共交通 まちのクルマ Let’s」について視察に行ってきた。
徳島空港から徳島バスのリムジンで徳島駅で、そこから同じく徳島バスの路線バス「佐那河内線(62系統)」で神山役場前まで。
運賃は1200円で、乗車時間は1時間ちょっとと、なかなかなバスの旅だ。
途中の、協立病院前、亀井病院前、佐那河内役場前の停留所は、道路端ではなく、敷地内に入ってそれぞれの正面玄関前にバス停が設置してあって、徳島バス、素晴らしい。


 神山町役場総務課のご担当者から「まちを将来世代につなぐ 高齢社会における公共交通と情報発信」についてご説明を受けた。

昭和47年、路線を廃止する徳島バスの代替手段として、町営バスの運行が始まり、大きく3路線(大中尾・勘場・名ヶ平線、焼山寺線、二ノ宮線)に分かれて1日24往復。
昭和49年度には町営バスの年間利用者数が約60,000人に達するなど賑わいを見せていたが、人口の減少に伴い、年々乗車率は低下の一途をたどる。
収支で見ると赤字が続き、平成12年には徳島バスの路線減でコースを増やしたこともあってそれ以降、赤字が大幅となり、結果、まちの大切な交通手段として、約50年間親しまれてきたが、令和5年3月31日をもって運行を終了した。
町営バスと並行して、高齢者タクシー助成を平成24年から令和4年まで実施したが(70歳以上・上限2000円で半額助成・60回の回数制限)、こちらもタクシーは高くて年金生活にはこたえる、病院に行く回数が多いとチケットが不足…などの声があった。



解決策として「まちのクルマLet's」を運行開始。
「まちのクルマLet’s」はタクシー会社3社をはじめ、役場内外の方々と多くの議論を重ね、車で移動することに不安を抱えている方や遠出をあきらめていた方々のことを最優先に考え、誕生した。

①乗車運賃(上限8,000円)の85%は町が助成し、個人負担は15%で乗車できる。
②神山町に住民票がある人が対象。利用に際しては、事前に利用登録が必要。マイナンバーカードで認証を行う。年齢、用途、回数の制限はない。
③予約は電話またはアプリ(さあ・くる)で、町内のタクシー会社(川又タクシー、寄井観光、つばめ観光)に依頼。
④タクシーを利用して町外へ行く場合、発着地のいずれかが神山町内に限る。

検討の前提としては
❶住民ファースト ⇒ 役所や事業者の都合は後回し
❷タクシー事業者の経営維持 ⇒ これまで町営バスの運行を委託してきた
❸財政支出の費用対効果の向上 ⇒ 費用を抑えるとろくなことにならない、お金が住民にちゃんと届くように

タクシー(道路運送法第4条)⇒町内からどこにでも・誰でも
自家用有償旅客運送(道路運送法第72条の2・公共ライドシェア)⇒町内のみ・住民のみ
タクシー車両と自家用有償旅客運送車両の併用で運行(準特定地域なのでタクシーの増車ができなかったので)、ソフトメーターアプリを開発した。
個人負担の15%はバス運賃並みに抑えるために設定した。

実績として「16,214回/年」と従来の町営バスとタクシー助成事業に比較して1.8倍で、対人口の利用者数は17%。
しかし、町の財政支出は78,873,000円と、以前より2.5倍の費用増。
今後、国への要望活動、企業版ふるさと納税、他地域の展開などを考えていきたい。



 ご説明をいただいて、「クロスセクター効果について検証されたことはありますか」との質問に対して、まだ1年なのでこれから検証していきたいとのこと、「公共交通確保維持改善事業として助成を受けられるメニューはないのだろうか」との質問に対して、いまのところ見当たらないとのこと。
素晴らしい事例なので私たちとしても国に働き掛けていきたいとお話しし、視察を終了した。
その後、役場の前の(有)寄井観光さんのタクシーに宿まで乗車。
運転者さんとの会話でも「以前はお遍路さんを対象としたバス運行していたがコロナでだめになった。廃業も考えていたところ、『まちのクルマLet’s』がスタート、現在は経営がたいへん楽になり、かつ住民の皆さんにも喜んでもらえて遣り甲斐になっている」とのこと。
ただ、「運賃の80%が町負担で、財政的に継続的に運行が可能かどうかは心配だ」とも話されていた。


 前にも書いたが、この視察自体、「この度は、神山町への視察を検討いただきまして、誠にありがとうございます。令和6年度の視察については、多くの方々から申し込みがあり、現在新規の申し込みを見合わせております。大変申し訳ございませんが、再開の目処が立つまでしばらくお待ちください。(R6.6.1)」って町役場のHPに書かれていて諦めかけてたら、うちの局長の神山町出身のお母さんの伝手で受け入れてもらえることになったってこと、ほんまにありがたいし、この視察が有意義やったことがうれしい🤣
さて、この経験を、どう運動に展開させるかだ。

※ 地域公共交通のクロスセクター効果とは、地域公共交通を廃止した時に追加的に必要となる多様な行政部門の分野別代替費用と、運行に対して行政が負担している財政支出を比較することにより把握できる地域公共交通の多面的な効果のこと。
地域公共交通赤字=廃止でいいの?
地域公共交通が廃止になったら、医療送迎やスクールバスが必要となり、現在の補助金より行政コストが増加するかもしれないということ。


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タクシー政策議員連盟総会 新入会員40名を迎え、ライドシェア全面解禁阻止へ❕

2024-12-06 | 書記長社労士 公共交通

【6 💪NAS1-62 VerticalChestPress64kg PeckDeckFly34kg LatapullaDown55kg MidLow55kg SitUp】
 超党派の国会議員で組織する「タクシー政策議員連盟」(以下、タク議連)は12月4日(水)、参議院議員会館で役員会と総会を開き、国会議員134 人(秘書含む)、ハイタクフォーラム(私鉄総連ハイタク協議会、全自交労連、交通労連)、全日本交通運輸産業労働組合協議会(以下、交運労協)、全国ハイヤー・タクシー連合会(以下、全タク連)、国土交通省など関係者30人、報道関係者が参加した。
総会は、森屋隆タク議連事務局長(私鉄総連組織内国会議員)の司会で始まり、辻󠄀元清美タク議連会長の代わりに逢坂誠二タク議連副会長があいさつした。
逢坂副会長は、「力強い陣容で政策を進めることができる」「結論は明確。悪いライドシェアは導入してはならない」「何でも自由化すれば、世の中が良くなることはあり得ないことは確認しておきたい」「地域の足を確保するのに、ドライバーがいないことも事実。考えなければいけないのは、安心・安全に利用することができるかどうか、ドライバーの質が、しっかりしているかどうか、車両も整備がされているかどうか、事故時の対応ができるかどうかだ」「地域経済にプラスになるやり方を考えていかなくてはならないが、それはライドシェアではない」などとあいさつした。
また、関係団体から川鍋一朗全タク連会長、溝上泰央ハイタクフォーラム代表幹事があいさつした。


 議事では、新加入会員40人(衆議院36人・参議院4人)を確認(議連全体では154人:衆議院109人・参議院45人)し、新入会員議員が自己紹介を行った。
続いて池之谷潤交運労協議長は、「 ライドシェア推進派が、でたらめなデータを持ち出して、タクシーは供給不足とうそぶいてライドシェアを強行に推し進めようとしているなか、交運労協としては、国民のライドシェアに対する意識調査を行った。暴行などのトラブルを知らない人が95%、80%超の人が『ライドシェアへ不安を感じている』と回答しており、国民へ説明せずに進めることがあってはならない」「本総会で問題意識の共有をはかり、国民の安全と雇用破壊をもたらすライドシェアを断固阻止し、世界に誇れる日本のタクシーを守るため、さらなる尽力を願う」などとあいさつ。
慶島譲治事務局長が首都圏在住のタクシー利用者を対象にした「タクシーとライドシェアに関する1000名意識調査」の速報結果を報告した(12月10日に記者発表を予定)。

 また、小林太郎国土交通省大臣官房審議官(公共交通政策、物流・自動車局)は、「 昨年から、ライドシェア全面解禁の議論が続いており、推進派からは、『いますぐにでも解禁しろ』の声があがっているが国土交通省の基本的な考え方は、ドライバーと車の関連性、事故が起きた時の責任、適切な労働条件の確保が絶対条件であり、この考え方は今後も維持していくので、ご尽力をお願いしたい」などとあいさつし、「ライドシェアを巡る動向と国土交通省の取り組み」を報告した。


 意見交換では、ハイタクフォーラムから志摩卓哉幹事(私鉄総連ハイタク協議会議長)が国交省のこれまで取り組みに感謝し、公共ライドシェアでは、①地域の声を吸い上げ、運営協議会での議論が尽くされたうえで、自治体首長の判断がされるよう国交省の指導をお願いしたい、②地域の交通政策は、鉄道、バス、タクシーが相互に連携し、地域の実情に合わせたものとなるように、などと要望した。
これに対し小林審議官は、「①首長判断にあたっては、地域公共交通会議で議論をいただきながら意見を聞いたうえで、首長が判断するのが大前提。本省も地方運輸局を通じ、ご相談にのらせていただく。②地域の実情にあわせたもの、はそのとおり。『交通空白』解消本部を立ち上げて以降、地域の声を積み上げながら取り組みを進めて参りたい」などと応えた。
他に池田真紀衆議院議員、荒井優衆議院議員、岸真紀子参議院議員などから、日本版ライドシェアの実施状況、日本版でないライドシェア阻止や内閣府デジタル行財政改革会議が取り組むべきこと、運行管理の遠隔化の事例、自動運転タクシーなどで質疑が出された。

 総会は、逢坂副会長が「自動運転タクシーは、移動で、ある種の合理性はあるかもしれないが、人間なら合理性以外でも得られるものがたくさんある。単に安ければ良い、便利であれば良いでは、社会がおかしくなっていく。複眼的な目線を持ち考えていく」などとまとめた。


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全国平均で419万円❗タクシー運転者の賃金、全国平均で58万円アップ⤴

2024-04-19 | 書記長社労士 公共交通

 令和5年(2023年)の賃金構造基本統計調査(https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&toukei=00450091&tstat=000001011429&tclass1=000001213360)について、タクシー運転者でまとめてみた。

〇自分は役職者を除く厚生労働省データで集計しているので、役職者を含むデータを使っている全タク連・交通界・全自交と若干の数字の違いがある。
〇令和5年(2023年)6月30日現在の乗務員登録数は232,152人、短時間労働者を差し引いたとしても、163 780人という労働者数は十分ではない。
〇同時点の東京が5万4千人、神奈川が1万4千人なので、それなりにデータが出ているが、大阪は1万8千人なので7550人はデータ的に物足りない。
〇推定年収、全国平均で419万円と大幅に賃金上昇しているが、運転者数の多い東京・神奈川・大阪が平均を大きく上げているようだ。
〇一方で17府県が昨年より減となっている点は押さえておかなければならない。
〇所定労働時間が労働基準法を越えてるのが、宮城(193時間)、山形(189時間)、茨城(179時間)、山梨(182時間)、大分(188時間)で、これらの県のタクシー経営者はそもそも労働基準法さえ解っていないのかと暗澹たる気持ちになる。
〇著しく所定労働時間が短い県もあるが、そこは、本来、別で報告する短時間労働者を入れているのではないかと推測する。
〇奈良県の事業者が調査票を今回は出していないのでブランクになっている。(奈良県のタクシー協会はほんま「クソ」だ)
〇タクシー運転者(男)の過去のピークが、1991年の430万2800円、それに迫る数字になっている。
〇ちなみに東京都と女性についてみると、全産業労働者(全国男女506万円、全国女性399万円)をそれぞれ上回っている。
〇参考だが、バス運転者が453万円だ。
〇平均年齢は、男女計+1.6歳、男+1.4歳、女▲2.1歳。
〇全国ほぼすべての運賃ブロックで運賃改定が実施されているので、賃金改善のトレンドは続くと思われる。
〇タクシー運転者もコロナ禍の4年間で5万人減ったが、今現在、都市部から増加に転じているが、この賃金上昇を、ライドシェア解禁の動向が水を差すことを懸念する。

【19 💪3-23 LiFETiCK BenchPress65kg InclineDFry18kg Dip(asist25kg) SitUp LegRaise】

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特別支援学校における MM 教育の意義

2024-02-19 | 書記長社労士 公共交通

 2023年12月2日に開催された「くらしの足をみんなで考える全国フォーラム2023」のポスターセッションで、もっとも気になったのが「弘前大学「特別支援学校におけるMM教育の意義~表情分析などの複数手法による効果検証と7年間の振り返り~」だった。(過去のブログ記事は⇒【メモ】くらしの足をみんなで考える全国フォーラム2023 2023/12/5) 

 「公共交通利用促進の一方策として子どもたちを対象に学校等に出向き,モビリティ・マネジメント教育が展開されている。その学習プログラムについては手法の整備と事例の積み重ねが進みつつあるが,知的障害のある子どもたちを対象に特別支援学校で実施した事例は見られない。しかし,知的障害のある子どもたちの自立の一助として,特別支援学校でのMM教育の実践は必要性が高く,学習プログラムと,効果測定の方法を考える必要がある。」として展開された研究のポスターだった。
※モビリティ・マネジメント教育(MM教育)とは、われわれ一人ひとりの移動手段や社会全体の交通流動を「人や社会、環境にやさしい」という観点から見直し、改善していくために自発的な行動を取れるような人間を育成することを目指した教育活動を意味する。

 大野 悠貴先生(現:弘前大学大学院地域社会研究科客員研究員)、小枝 洋平さん(弘前大学教育学部附属特別支援学校教諭)、加藤 尚徳さん(弘南バス株式会社)のレポートはこちらを参照してもらった方が良いが(⇒第 59 回土木計画学研究発表会「知的障害のある子どもたちを対象とした 特別支援学校におけるMM教育の実践と 直接的な効果計測に関する研究 」)、そもそも「特別支援教育」とは、障害のある幼児児童生徒の自立や社会参加に向けた主体的な取組を支援するということであるから、社会参加には公共交通を利用して行く必要がある。

子どもたちの進路選択の幅が広がる
 中学部を卒業し、高等部へと進学した生徒は 「産業現場等における実習」を行うことになるが、 受入れ先の事業所までの移動 手段を獲得することで、実習先の選択肢が増える。 そのためには、公共交通や徒歩等、自ら目的地に到達する力が必要。
自分の行きたい場所に、より安全に行くことができる
 知的障害がある場合、自動車運転免許の取得には大きなハードルがあり、子どもたちの認知能力や判断能力にも課題がある。免許取得した場合でも事故リスクが高く、他社の生命を巻き込むことも懸念される。
しかし…
 知的障害のある子どもが、自分の力だけで公共応通を利用できることは困難
加えて、保護者が何度も付き添い練習することができない家庭もある(保護者自身も利用できない・教えられない等)
その結果、障害があるため、公共交通を使用することをあきらめているケースもある
私たちの出前講座は、知的障害のある子どもたちが路線バス(公共交通)を利用できるようになることを通して、「よりよい生活の実現」を目指している。そのために、「路線バスに乗りたい・乗ることができる」という意識変容と、「路線バスに乗る」という行動変容をもたらすことが、特別支援学校におけるMM教育の意義。



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小田急 ロマンスカーミュージアムに寄ってみた

2024-01-12 | 書記長社労士 公共交通
 向ヶ丘遊園とともに閉鎖された「小田急鉄道資料館」以来、19年ぶりに設置された屋内常設展示施設である「ロマンスカーミュージアム」に、昨年末の話になるが、海老名に行く用があった際、ひょんなことから訪問。
小田急線海老名駅の隣接地に2021年4月19日に開館したそうだ。


 入場券を買う。
大人(中学生以上)900円と意外に高い、子供(小学生)400円、幼児(未就学児)100円、え?未就学児からもお金を取るの!
小学生や未就学児は無料でええんちゃう?
こないだ行った大宮の鉄道博物館が一般1330円、小学生620円、幼児(3歳~未就学児)310円、京都鉄道博物館が一般1,500円、大学生・高校生1,300円、中学生・小学生500円、幼児(3歳以上)200円やから…。(いや、もしかしたら小田急さんはわざとハードルを上げているのかも知れないが…)
エスカレーターを降りると、「ヒストリーシアター」。
小田急線開業当時の車両である「モハ1」が迎えてくれて、小田急電鉄とロマンスカーの軌跡をたどるムービーを観ることが出来る。
小田急電鉄の前身、小田原急行鉄道が1927年(昭和2年)に開業したときに運行を開始した小田急線で最初の車両で、1927~1960年、戦中・戦後にかけて小田急線で30年以上活躍した後に他社へ譲渡されたが、熊本電鉄で廃車となった車両を譲り受けて、1983年に開業当時の状態に復元されたそうだ。
復元されて間もないと言うことが、車内に首を突っ込んでみると、木の匂いがかぐわしい。


 通路を進んでいくと「ロマンスカーギャラリー」。
時代を彩った5車種のロマンスカーが並んでいて、まず最初は、直線的でスピード感のあるフォルムが特徴の車両で、2018年まで長きにわたり運用された「LSE(7000形)1980~2018年」。



 次が、小田急線で初めて展望席と2階の運転席を導入した車両の「NSE(3100形)1963~1999年」。
自分が子どもの頃、電車図鑑とかには絶対に紹介されていて、円谷プロの特撮テレビドラマ「ウルトラQ」にも出てきたりして、しかもこのフォルムが強烈で、憧れの電車だった。
もちろん、大阪の子どもはなかなか実物を見れることはなく、しかも乗るなんて夢のまた夢やったけどなあ。
その次が、高性能特急専用車両として登場し、当時の狭軌鉄道世界最高速度145km/hを達成したという「SE(3000形)1957~1992年」、その後ろに、眺望性に優れた大きな窓とハイデッカー構造が特徴の「HiSE(10000形)1987~2012年」。
一度くらい、先頭車両最前列のパノラマを楽しみたいものだ。
それと2階に設置された運転席に登ってみたかったが、それは許されなかったのが残念。


 最後が、JR御殿場線への乗り入れのために新たに製造された車両で、小田急線で初めて2階建て構造の客席が導入された「RSE(20000形)1991~2012年」。
あと、ODAKYU HISTORY TIMELINEでは、⼩⽥急電鉄の歴史をまとめた企業年表や、⼩⽥急電鉄の⼀⼤事業である複々線化(地下トンネル構造)を学べる模型を展⽰してあった。
2階に戻ると、ロマンスカーをテーマにした、子どものための空間「キッズロマンスカーパーク」があるが、ここも子どもには楽しそう。
ただし、ロマンスカーシミュレーター “LSE(7000形)”、ジオラマ運転体験、こうさくしつ、ロマンスカーアスレチックは、入場料とは別途料金が掛かるようだ。
さっきも書いたが、2階の運転台に上がれる、例えば台車の下に潜れる、先頭車両の最前列からのパノラマを体感できるとか、もうちょっと踏み込んだ展示だったらよかったのになぁ。
自分の場合は、30分ほどでもう見るものがなくなってしまったもんで。(空いていたからかもしれないが)


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タクシー運転者の地理試験廃止に思うこと

2024-01-10 | 書記長社労士 公共交通

 タクシー運転者の地理試験廃止が決まる模様。
自分がタクシー運転者の資格を取ったのが1988年、当時、地理試験があったのは、東京・横浜・大阪だけだったはず。
タクシー会社に入社して、大阪タクシー協会の教習所に合宿させられ、2種免許取得のために特訓を受け、大阪門真の運転免許試験所で一発合格したのち、「法令、安全、接遇」及び「地理」についての教習を受けてから、それぞれの試験を受けて、ようやくタクシー運転者の資格を得た。
そして当時在籍したタクシー会社に戻り、座学と実地の教習を経て、さらに教官が助手席に乗ってくれて実際の営業運転を数日行い、ようやく独り立ちした。
そこからがたいへんだったが、そこの話しは割愛。

 当時の「地理試験」。
大阪府下の主要道路、公共施設、駅、イベント会場などが試験に出るが、それがどこかという単純な出題ではなく、複合的な設定で「どうやってお客様を送るか」というもので、子どもの頃からチャリンコ・鉄道・バイク・車で走り回って培ってきた大阪の地理知識とはまた違った出題過ぎてめっちゃ難しかった。
この試験を合格したから大阪の地理がすべてわかったってことではないが、この試験に合格するための勉強が、タクシー運転者としての地理の考え方について、大いに役立った。

 タクシーって、もちろん間違いなくお客様の目的地にお送りすることが一番重要。
しかし、「早い」「近い」というお客様の要望には「遅くても安い」「高くても速い」「快適」「ついでに車窓から観光」とかの要素があり、地理が不安なお客様には「安心」という要素も必要で、そこをプロの判断で最適解を提供するのが醍醐味でもある。
もうずいぶん、現場でハンドルを握っていないが、ナビがあることが前提の後輩たちと話をしていても、ナビは参考で、やはり自分たちが培ってきたノウハウでお客様にとって最高のルートを提供することに、使命だと思っているという声を聴けて頼もしく思っている。
そして、あそこからここまでのルートについてとか、公共施設やイベント施設での稼働状況・鉄道などの他の交通機関の運行状況・高速道路や主要道路の工事とかの規制状況などなど、タクシー運転者仲間が数人集まれば、あるあるながら、いつも自然とそんな議論がはじまる。
例えば、センター試験の時に降雪があって鉄道やバスが乱れている場合とか、自然災害とかで交通傷害が起っている場合も透析患者などの病院輸送の場合など、こんな時こそ、我々プロであるタクシー運転者の実力の発揮どころだ!
カーナビ・地図アプリとは違うビックデータを持っている!(はず…新人もいるのでそこはすみません)

 「地理試験」は、今では、札幌、仙台、さいたま、千葉、東京、横浜、名古屋、京都、大阪、神戸、広島、北九州、福岡の13 地域でしか行われていないとは言え、当該地域のタクシー運転者にとっては、勉強すればそれほど難しい試験ではないものの、この試験で「プロドライバー」としての意識付けがされていたのだと思う。
自分の頃は「東京・横浜・大阪」だけ、その後、13地域に拡大されたが、全国に拡大されても良いと思っていた。
タクシー運転者の資格をもっともっと高度にしても良いと思っていた。
が、今、国は、そのハードルを下げていこうとする。
入り口のハードルを下げると資格が低位に下がる、そうするとその資格の価値が下がる、価値が下がった資格を取っても旨味がないので誰も見向きもしなくなる…。
長い目で見て、これがタクシー運転者の不足を補える施策とは思えない。
すでに2002年にタクシー事業の参入や運賃の規制緩和をして、タクシー事業者の収益が悪化し撤退が相次ぎ、運転者の賃金が大幅に減少し運転者がこの産業から退出し、ってなことは市場にとって失敗だとして、せっかく規制強化に戻して法改正してきたのに。
また、同じことを繰り返している気がするが。

 タクシー運転者という現場を離れてずいぶん経つが、未だに夢で、お客さんに告げられた行き先がわからずパニックになってうなされて飛び起きることがしょっちゅうで、妻はそれに慣れっこで「今夜はどこって言われたん?でも今夜はもう大丈夫やで。寝ろ。」って宥めてくれる。

タクシー業務適正化特別措置法施行規則及び旅客自動車運送事業運輸規則の一部を改正する省令案について
1.背景
 タクシー業務適正化特別措置法(昭和45 年法律第75 号。以下「法」という。)に基づく「指定地域」(法第2条の2第1項)(※)においては、タクシー運転者になろうとする者に対し、「輸送の安全及び利用者の利便の確保に関する試験」(法第48 条第1項)を課している。試験の科目は、タクシー業務適正化特別措置法施行規則(昭和45 年運輸省令第66 号。以下「施行規則」という。)第39 条第1項において「法令、安全、接遇」及び「地理」が定められているところである。今般、カーナビ・地図アプリ等の普及を踏まえ、「地理」に関する試験等について見直しを行うべく、施行規則及び旅客自動車運送事業運輸規則(昭和31 年運輸省令第44 号)について、所要の改正を行う必要がある。
※「特定指定地域」(法第2条の3第1項)を含む、札幌、仙台、さいたま、千葉、東京、横浜、名古屋、京都、大阪、神戸、広島、北九州、福岡の13 地域(下線は「特定指定地域」)

2.概要
(1)タクシー業務適正化特別措置法施行規則の一部改正
 法第48 条第1項の規定に基づき、施行規則第39 条第1項において試験の科目として定めている「地理」に関する試験については、カーナビ・地図アプリが一般に普及した現在においては、運転者に当該試験の合格を求める必要性は低くなっている。このため、「地理」に関する試験は廃止することとするほか、所要の改正を行う。
(2)旅客自動車運送事業運輸規則の一部改正
 「地理」に関する試験の廃止は、カーナビ・地図アプリの普及に伴うものであることに鑑み、「地理」に関する試験廃止後に指定地域(特定指定地域も含む)において新たに登録された運転者が乗車する車両については、利用者にとっての利便性が維持できるよう、道路運送法第27 条第3項の規定に基づく旅客自動車運送事業運輸規則第29 条により一般乗用旅客自動車運送事業者が備え付けるべき地図を、カーナビ・地図アプリ等により表示される地図に限ることとする。

3.今後のスケジュール(予定)
公 布:令和6年2月
施 行:令和6年3月



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【メモ】くらしの足をみんなで考える全国フォーラム2023

2023-12-05 | 書記長社労士 公共交通

 くらしの足をみんなで考える全国フォーラム2023@東洋大学白山キャンパス。
今年はコロナ禍開けたってことで完全リアル開催で、みなさん、公共交通を遣ってきてくださいね、ながら一日開催。
岡村俊之実行委員長(東洋大学)の開会挨拶で始まり、国土交通省公共交通政策審議官の石原大さんのショートスピーチ。
「公共交通日和の誘惑を断ち切って参加した。
「足」に関するニュース増えてきた。バスタクシーのドライバー不足、ライドシェア、ローカル線の存廃問題、取り上げられない日はない。コロナ禍の影響が大きく出ているのではないか。人毛が減っている中、オンラインテレワーク、混雑を避けたいなどの意識の変化で客が減っている。加えて離職を余儀なくされた現場の方々、それが一気に出てきている。
 コロナ禍で10~20年先の姿が一気に露呈した。
明治の時代から民間の交通事業者に支えられてきた。昨年鉄道開業100周年、バス、タクシー110周年、100年以上、民間の事業者によって交通が支えられてきた。日露戦争頃に国有鉄道。日本人は水や空気と同じように公共交通はあって当たり前だと思ってきた。
 行政も地域で身近な課題であるにもかかわらず正面から関わってきた歴史が自治体になかった。自治体が悪いわけではなく民間で質の高いサービスが提供されてきた結果だ。これからはそういうわけにはいかない。これから10年で人口は1000万人減、年寄りは300万増える。担い手不足で、運ばなくてはいけない人は逆に増えていく。次元の異なる供給者不足にどう対応していくか。考えていかないと思っている。
 交通事業者がコロナで痛んでいる、どう利便性を高めていくのか、地域交通法の改正、社会資本整備交付金など新しい予算が出来たことに新しい道具立ては出来た。地域公共交通のリ・デザイン、少しずつ市民権を得てきている。一番の肝は「共創」という言葉、地域の足について、様々な人が関わっていく共創。行政でも省庁横断的に議論を進めている。日本郵政の増田社長、交通分野で社会の誰も取り残されない社会を作るのが重要と述べている。まさにその通り。いかに地域の足の問題にいろいろな人を巻き込んで、従来から考えられない状況に取り組んでいかなければならない。


「くらしの足の共創の始め方」井原雅人(早稲田大学)
活性化再生法2007年 この法律はゼロから、公共交通はマイナスから始まっていることに驚いた。
道路運送法による運行主体と地域交通法による公共交通。
交通DX、交通GX、3つの共創(官民の共創、事業者間の共創、他分野との共創)。
利便性・生産性・持続可能性を高め地域公共交通の再構築(リ・デザイン)を推進。
エリア一括、複数年契約で事業者が安定する。(官民の共創)
前の改正、独禁法の適用除外(事業者間の共創)⇒法定協議会への意見聴取の上で⇒勝手に事業者だけで決めるのではなくて、自治体・住民も参加。
他分野の共創、交通×教育(富山県朝日町の「のっかる」スイミングスクールの送迎を親同士でマッチング、マッチング不成立の場合はタクシー事業者の配車。)
交通×介護(群馬県前橋市)⇒ディサービスとタクシー事業者でディサービス事業者の送迎負担を軽減。
⇒新しい移動を生み出さなければならないのではなく、今ある移動に対する役割を転換。

地域公共交通計画の策定と実施⇒地域の課題を発見・共有し、事業内容と実施主体と役割分担を決める。
参加の応諾義務と結果の尊重義務が発生⇒関係者間の合意形成を図る上で有効。


 ポスターセッションでは、今回全自交労連の津田書記次長が「ライドシェアこそが地域交通を破壊する!」を出展。
多くの人が話を聞いてくれていたようだが、後で労ったら「一緒に説明してくれたらよかったのに…」って、そらそうだった。


 ポスターセッションで、特に気になったのは、以下のもの。
③坂出市「香川県坂出地域の新しい運賃制度」
④全自交労連「ライドシェアこそが地域公共交通を破壊する」
⑯(株)REA「AI自動ルート作成システムを活用した配車業務の効率化と新たな移動サービス」
⑰(株)バイタルリード「共助交通『のりりん』導入に向けた町民・事業者・行政の三位一体による取組」
⑱運輸デジタルビジネス協議会「運輸デジタルビジネス協議会のご紹介」
㉗バスマップ沖縄「沖縄の路線バス おでかけガイドブックの紹介」
㉔弘前大学「特別支援学校におけるMM教育の意義」
特に㉔が気になったので、後日、また取り上げてみたい。


 オープンカンファレンス ②「運転手不足の救世主!?女性ドライバー採用の課題」
二種免許取得できない自動車学校(要件が厳しい)
保育所(企業内)⇒学童保育
求人で、茶髪・ピアス・ネイルOK・時間自由・洗車免除 八千代タクシー(千葉)
参加者(子育てママ)の意見:ママ向けの情報誌(フリーペーパー)にタクシードライバーの募集(情報・広告)というのは一度も見たことない。どんな仕事かも解らなくて(免許・勤務・給料)、私が出来る仕事なのかどうかもわからない。お母さん向けの再就職説明会(職種特化)に出てくるのも良いのでは。
youtubeでの職業紹介、インディードより安価で効果的(ハートフルタクシー)

分科会 ③バス・タクシードライバー不足にどう対応する?
入口(就職)選べる企業に ➡ 長く働いてもらう(定着) ➡ 出口(離職)もったいない離職は少なく
物心両面の幸福追求「物心両面の幸福とは経済的な安定や豊かさを求めていくとともに仕事の場での自己実現を通して、生きがいや働きがいといった人間としての心の豊かさを求めていくもの」(稲盛和夫)
多大な業務負担、かたや、これに見合う待遇とは言いがたい⇔これに見合わない停待遇(賃金)
2024年問題⇒「問題」という呼び方に違和感あり。スステナブルな姿を見据えた転機になり得る。





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寒いから二度寝するつもりが🚽行ったせいで結局30分だけ波乗り、その後は「くらしの足をみんなで考える全国フォーラム2023」@東洋大学白山キャンパス

2023-12-02 | 書記長社労士 公共交通

【🏄1-136 WATER RAMPAGE ARROW 6'2"】今日は8時40分台の列車に乗らなあかんけど、昨夜(今夜?)は日付変わっての帰宅で…。
6時30分に目覚まし合わせておいて一度起きたものの、寒いし波は小さいし、ってことで二度寝することにしたが、どうしても🚽行きたくてベッドを出てしまったので、それなら波乗りするかってことにしてサクッと朝飯食って、7時25分に入水。


 波はももながら、弱いオフショアとこないだの風クローズで地形が変わったのか、右も左も切れた波が多くて意外と楽しい波やね~ん😆
朋香プロにあがるわ(^_^)ノ""""って言ったら「え!もう!」、うん、8時40分過ぎの電車に乗って仕事やねん💦、「7時52分だよ❗早く行きな❗」、は~い🖐


 今日は、くらしの足をみんなで考える全国フォーラム2023@東洋大学白山キャンパス。
コロナ禍を越えて、今年は、みなさん公共交通でやってきて、完全なリアル開催なんだが、昨年と違ってなぜか一日開催。


 くらしの足を考える全国フォーラム2023のポスターセッションに全自交労連さんの津田書記次長が、「ライドシェアこそが地域交通を破壊する!」を出展。
多くの人が、話を聞いてくれていた❗



 うちの組織から一緒に参加した二人は家族が待っているので、土曜ということもあって終わったらさっさと帰ってしまったから、誰も待ってくれていない自分は、今日、めっちゃ頑張っていた全自交の書記次長を巻き込んで、二人で🍺@大衆酒場 酒は力なり(東京都文京区白山5丁目33−14 野武士白山ビル 2F)
世界の多くの国で「ダメ❗」ってことで禁止・規制されているライドシェア を今さらながら日本で解禁させようとしている売国奴らの政治家(管前総理・河野太郎・小泉進次郎や吉村大阪府知事などのバカども)に乗っかって、世界に類を見ない安全安心な日本の公共交通を破壊してでも金儲けしたい守銭奴達の攻勢が激しい状況で、様々に闘っている自分たち💢
お互い、忙しすぎて、ここんとこLINEやメールや電話ばっかで情報交換や相談・対策ばっかしていて久しぶりにリアルで会ったので、喧喧諤諤になったのは言うまでもない😠
肉味噌ピーマン、イカ天、牡蠣フライ、おでんの盛り合わせ(ちくわぶは食わんかったが)、その他の写真は激論しすぎて撮り忘れ…。

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地域公共交通の有する多面的な効果(クロスセクター効果) ~算出ガイドライン標準版の公表について~

2023-11-24 | 書記長社労士 公共交通

 クロスセクター効果研究会(会長 土井勉 一般社団法人グローカル交流推進機構理事長)は、「地域公共交通の有する多面的な効果(クロスセクター効果)に係る算出ガイドライン標準版」を公表し、地域公共交通が、経済振興や健康・医療、福祉・介護、教育・スポーツ、環境・エネルギー等の他の行政分野における公的負担額を軽減している効果の算出手法を定めた。

 地域公共交通は、例えば、高齢者の外出機会が増えることで高齢者の健康増進や就労機会が増加し、そのために医療費や社会保障費が削減され、むしろ社会全体としての費用負担が下がるなど、単なる住民の移動手段にとどまらず、医療や福祉の質の向上、産業や観光振興、財政の改善、高齢者等が運転する自家用車の交通事故減少、健康増進、地域コミュニティの強化、まちのブランドイメージ向上、災害時の避難手段の確保など、多面的な外部効果、いわゆる「クロスセクター効果」をもたらすものとされている。


 地域公共交通のクロスセクター効果とは、地域公共交通を代替するのに追加的に必要となる多様な行政部門の分野別代替費用と、運行に対して行政が負担している財政支出を比較することにより把握できる地域公共交通の多面的な効果をいう。
これまでは利用者数や収支などで評価をすることが多かったが、「赤字」の地域公共交通を補助金などの公的資金で支える意味を定量的に評価するために開発された。
クロスセクターとは「多様な行政分野」のことを指す。

クロスセクター効果を算出する意義
・地域公共交通のクロスセクター効果として定量的に提示することで、財政支出・支援の必要性をより可視化することが可能。
・地域公共交通への支援の意義を行政内で共有でき、より利用者にとって使いやすい地域公共交通計画の実現が可能。


 これは、滋賀県の近江鉄道でクロスセクター効果を算定された事例だが、近江鉄道線の代わりに医療・教育・建設等の多様な分野で代替施策を実施した場合の費用は19.1億円/年以上となり、近江鉄道線の国・県・市町の財政支出と事業損失額の合計である6.7億円/年を大きく上回ることが確認された。

【参考】に置いておくが、この近畿運輸局の資料がひじょうにわかりやすい。
●クロスセクター効果「地域公共交通 赤字=廃止でいいの?」(国土交通省近畿運輸局作成資料)
 https://wwwtb.mlit.go.jp/kinki/content/cross_sector_leaflet.pdf

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タクシーの運賃改定が全国的に進んでおり、運転者の賃金の改善につながっている

2023-06-23 | 書記長社労士 公共交通

 タクシー運賃の改定が全国的に進んでいる。
2020年2月に、当時、全国で98ある運賃ブロックのうち48の運賃ブロックで運賃改定があったが、それ以降の大きな運賃値上げの動きだ。
2021年度以降で見ると、6月20日の時点で、現在、全国101ある運賃ブロックのうち、運賃改定実施または実施日・改定率が決定している地域が46地域(再度の運賃改定を申請している栃木県地区・宮城県B地区・福岡県A地区を含む)。
申請受付中・要否判定中・改定率審査中の地域が48地域(再度の運賃改定を申請している栃木県地区・宮城県B地区・福岡県A地区を含む、申請率が車輛数の7割に未達で手続きがストップした旭川A地区・北見B地区も含む)となっている。

 タクシー産業では、タクシーの運転者数は前年の240,494人よりも18,645人減少し221,849人(2022年・国交省調べ)となっている。
直近でもっとも多かった2005年の381,943人から16万人減少しており、感染症の3年間で4万人が業界から去っていったことが運転者不足に拍車を掛けた。
したがって、人材不足を補うために運転者の賃金や労働条件の向上が必要であり、また昨今の燃料費と車両や部品などの調達コストの高騰、キャッシュレス決済の導入などサービスの高度化などの費用もあって、運賃の改定が必須であるという背景がある。
すでに運賃改定が実施された地域では、運転者の賃金が大幅に上がっているという報告が多数寄せられている。(運転者不足によってタクシー車両の稼働不足があって、動いている車がすごく忙しくなっているということもあるが)


 昨年11月14日に14.24%の運賃改定をおこなった東京特別区・武蔵野三鷹地区では、今年4月のタクシー1両あたりの売上が63,187円(東京ハイヤータクシー協会集計)とのこと。
一昼夜通し勤務で月間12労働だとすると、月間営業収入は75万8244円。
多くの事業者が採用しているオール歩合賃金で、仮に55%の歩合率だとすると、支給総額は41万7000円となる。
この東タク協集計の売上は、稼働全車両の総売り上げを総稼働台数で単純に割ったものであり、実際の勤務形態で短時間勤務の人などの分も入った平均ということになるので、実際には1日10万円以上の売上を揚げてくる運転者も多くあり、東京ではタクシーで年収1千万円という人も多くなる状況になってきている。

 国土交通省もこの運賃改定には積極的に取り組んでいて、以前は一番最初に運賃改定申請会社が当該地区に出た場合、3か月の受付期間が到達しないと、次のステップ(運賃改定の要否判定)に進まなかったが、昨年12月に運賃料金の認可の処理方針を改定し、申請率が7割以上となった場合に、3ヶ月の期間の到来を待たずに直ちに運賃改定手続を開始することとした。
また、タクシー運転者を確保し、タクシー事業者が持続的かつ安定的な経営を行っていくため、引き続きスピード感のある運賃改定を進めていく。現在進行中の一連の運賃改定をやり遂げるとともに、運賃ブロックの統合により更なる運賃改定の迅速化、改定周期の短縮化を実現していく、とし、現在、検討が行われている。

 ちなみに未申請の地域は、札幌E地区(北海道余市町・ニセコ町など)、島しょ地区(東京都大島など)、小田原地区(神奈川県小田原市など)、山梨県A地区(甲府市など)、京都北部地区(綾部市・福知山市など)、島根県本土地区(隠岐地区除く全域)、島根県隠岐地区(隠岐郡)、高知県郡部地区(高知市域除く全域)、奄美地区(鹿児島県奄美市など)の9地区で、奄美は1993年10月以来、島しょ地区は1996年9月以来、運賃改定を行っていない。


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【メモ】私鉄総連交通政策フォーラム2023の基調講演 地域公共交通の「リ・デザイン」鶴田浩久国土交通省公共交通・物流政策審議官

2023-05-26 | 書記長社労士 公共交通

【26 💪4-25 LiFETiCK BenchPress70kg WideGripBenchPress50kg Dip DFry18kg SitUp】 2023年5月10日、交通政策フォーラム2023の基調講演「地域公共交通のリ・デザイン」について、鶴田浩久国土交通省公共交通・物流政策審議官は、改正地活化法の法案審議の際には森屋議員に鋭く前向きなご意見をいただいたことを紹介し、また徳島の交通事情と公共交通政策について紹介し講演に入った。
以下、かいつまんでの自分のメモを残しておく。



1.現在
 地域公共交通の現状 利用者数は30年で2割減ったり(鉄道)、5割減ったり(路線バス)は、何も手を講じないと、消滅してしまう。
さらにコロナによる輸送量の減少、地域公共交通はコロナ以前から赤字構造になりコロナ禍で一層の悪化。
一方で、トラックや製造業全体の収支率はコロナ前後で変動がなく、100%程度を保っている。
高齢者の運転による死亡事故件数の割合は増加し、運転免許の自主返納の件数も増加しており、これにも対応していかなくてはならない。
運転手不足の深刻化し、若年者が就業を敬遠している現状。



2.過去
 自動車保有台数の推移・高速道路の拡充・人口の全国的な移動(人口移動期・人口移動均衡期)、中心市街地の変化(ロードサイド型店舗の増加)
地域住民から見ると、若年層「趣味・娯楽など楽しめる場所がない」・高齢層「公共交通が減り自動車が運転できないと生活できない」➡明日は我が身?
来訪者から見ると「公共交通の便」が不満(観光視点等パラメータ調査(交通手段について)



3.未来(1)社会の視点
 人口の推移は急激な変化だが、人数は伸び盛りの時代(明治)と同じ
年齢構成の推移を見ると、これからの活力は非日常(通勤とか通学に応えると言うよりもそれ以外の活動)・退職後がカギとなる。
これからは人口の低密度かと偏在化が進む(規模の小さい市町村ほど減少が進む)➡サービスと雇用が消失していく。➡奥戸形成計画に向けた議論(このままでは30万人都市圏が消える松江市・米子市をネットワークにより30万人都市圏を維持。=コンパクト+ネットワーク)
地方における経済的豊かさ(三大都市圏以外の方が「可処分所得-基礎支出」は地方部は高く東京は低い、「基礎支出」も東京は高く地方部は低い、これに通勤時間を加味してみると東京は貧しくなる)



4.未来(2)交通の視点
 人口=利用者数ではない➡20代の移動回数は年々減少し70代と逆転、海外においても20代の移動回数は減少傾向
観光のポテンシャル➡消費額ベースの伸びしろ(定住人口の減少を観光で補える)
観光客の交通消費➡観光で動くことで交通費が使われる。
観光人口のポテンシャル、訪日外国人=観光7割・ビジネス1割強(英国は2割)・知人親戚訪問1割、日本人国内旅行6割・2割強・1割強(1200万人)
地域経済循環



5.地域公共交通の「リ・デザイン」
 法制度の変遷 戦後(増大する需要に対応した交通サービスの安定供給を確保、交通事業者の独占と内部補助)➡1980年代~(競争を通じた効率的・多様なサービスの提供を促進、国鉄などの国有企業の民営化と需給調整規制の廃止等)➡2000年代~(地域公共交通については地域交通法の制定・改正により各自治体を中心に「望ましい交通ネットワーク」を追求) ※地域公共交通活性化再生法を地域交通法と呼んでいきたい
令和5年 地域交通法の改正
◎地域の関係者の連携と協働の促進
◎ローカル鉄道の再構築に関する仕組みの創設➡鉄道の維持・高度化、バス等への転換
◎バス・タクシー等の「エリア一括協定運航事業」の創設
◎バス・タクシー等の「交通DX・GX」を推進する事業の創設
◎鉄道・タクシーにおける協議運賃制度の創設
地域公共交通関係予算の推移 H25~R2平均365億円➡R3R4平均740億円➡R5=1284億円
「対応の方向性」
〇地域における協議会や計画の実効性強化が必要
〇交通を地域経営の一環として捉える視点が重要
〇採算性・利便性の向上に繋げる新技術が活用可能
 ⬇
地域公共交通を「共創」で「リ・デザイン」し、対症療法だけでない体質改善を進め、高齢化等に伴う地域課題を解決
 ⬇
〇社会における交通の価値等についての整理(夏までに)
〇アウトカム指標を検討(年内目途)
「さらなる課題」
〇交通不便地域における改善策(直ちに検討開始)➡ラストワンモビリティ
〇地域の公共サービスの一体的運営(規模・範囲の経済)
〇施策立案の前提をなるデータの収集・利用
〇公共交通の位置付け(ユニバーサルサービス等)
〇安定的財源の確保

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阿佐海岸鉄道のDMV!「世界初に乗ろう!」ってことで乗ってきた!

2023-05-16 | 書記長社労士 公共交通
 線路と道路の両方を走ることができる新しい乗り物「DMV」。
DMVとは「デュアル・モード・ビークル -Dual Mode Vehicle-」の略で、これまで世界中で(日本では特に北海道で)実証実験としては運行されてきたが、阿佐海岸鉄道(阿佐東線)において、2021年12月25日に世界初の本格的な営業運行ってことでデビュー。
阿佐海岸鉄道のDMVはマイクロバス(トヨタコースター)をベースに改造され、線路走行用の鉄車輪を装備しており、線路では列車に、道路ではバスへとわずか15秒ほどでモードチェンジを行うという。
ということで、往路は5月12日に仲間と一緒に、復路は一人で5月13日に、乗ってきた。



 往路は、JR四国の牟岐線の終着駅である阿波海南駅までは仲間の車で。
昔は、海部駅まで列車が運行していたが、現在は、海部駅寄りホーム先端直ぐの場所に車止めが設置され、阿佐東線の線路とは分断されていた。
鉄道路線としての阿佐東線は海南信号場が起点で、DMVは、阿波海南文化村 - 阿波海南駅はバスモード、阿波海南駅 - 甲浦駅(この間阿佐東線) は鉄道モードになるので、DMVの鉄道区間と道路走行区間の境界であり、「モードインターチェンジ」が設けられていDMVはここで一旦停車し、トランスフォームする(鉄車輪の出し入れ)。
自分らが到着した直後、11時10分の下りがここでトランスフォームしていった。
DMVの「阿波海南駅」バス停留所は、モードインターチェンジを抜けた道路上、牟岐線ホームに隣接する位置に設けられていて、乗客はここで乗降する。
線路はそうとう古くて、かなり凸凹している。



 自分も翌日に徳島駅まで乗る阿波海南駅12時08分発の徳島駅行きの列車は、単線の1000形気動車一両のみだ。
普通列車の運行形態はおおむね阿南駅で分かれており、2019年3月16日のダイヤ改正以降、日中は徳島駅 - 阿南駅間は30分間隔、阿南駅 - 阿波海南駅間は2時間間隔のパターンダイヤとなっているので、阿南海南駅から徳島駅へは、平日休日とも6時45分始発、20時29分終発の8本のみ。
阿南海南駅は無人駅なので駅舎はなく、代わりに海陽町海南駅前交流館があるが、ここではJRの券売機はないし、DMVについても時刻表があるだけだ。
DMVの乗車券は事前に「発車オ〜ライネット」で予約購入するか、空席がある場合には現金で乗車することもできる。
運行は、月木金が上り下りともに13便、火水が8便、土日祝が11便、土日祝は1便が室戸岬を経て海の駅とろむまで往復する。
月木金がなぜ便数が多く、火水が少ないことの理由は不明。
阿波海南駅~阿波海南文化村はバスモードになったDMVがこのゲートを出入りする(運転者が手動でリモコン操作)。


 上り12時04分のがやってきた!
「入線してきた」って言っていいのかどうかは不明。



 駅からずいぶん離れたところで一旦停止、そこから低速度でガイドウェイとなる「モードインターチェンジ」に進入し停車。
ここで鉄車輪を格納して、バスへモードチェンジ!
もうまんま普通のマイクロバスだ。


 収納されている状態の前の鉄車輪。
これがレールに降りてきているときは、バスタイヤは浮いている状態になる。


 収納されている状態の後ろの鉄車輪。
これがレールに降りてきているときは、バスの後輪(ダブルタイヤの内側)はレールに接地して駆動し、前後の鉄車輪は線路上を走行するためのガイド役であるとともに、後部タイヤ軸の駆動性能と後部鉄輪軸のレール追従性を最適に確保するため駆動するゴムタイヤへの圧力を調整する役割を担う。
後輪はかなり鉄粉まみれになっているなぁ。
しかしかなりの車重になっているだろうし、普通のバスのブレーキで止まれるのだろうかと心配になるし、ましてや鉄のレールの上で制動が効くのかどうかめっちゃ不安やけど(特に雨の時なんかどうなんだろう)、前のゴムタイヤは普通のラジアルだったが、後ろのゴムタイヤはブロックが大きいスタッドレスタイヤを使用しているようだったから、そういうことなのかな。



 いよいよ下り113便、12時22分発の青い車両に乗車。
運転席には、鉄道モード用のマスコンやブレーキがあるわけでなく、通常のバスと同様、アクセルペダル・ブレーキペダルで制御している。
従来の鉄道の軌道回路を使用した位置検知による閉塞やそれを介して制御される鉄道信号機、踏切警報機、自動列車停止装置が使用出来ないので、代わる保安装置として自動車用のメーターパネルの上に鉄道用の車上装置が設置されていて、鉄道モード時の速度もここに表示されていた。(55㎞は出ていたようだ)
その他、車内には、鉄車輪を上下させる制御装置、ワンマン運転用機器、整理券発行機などが設置されており、運転席の後ろのディスプレイでは観光情報やモードチェンジの状況が映し出される。(乗客はモードチェンジ時に車外に出れないため)
車体下部からせり出す方式の乗降用のステップは、駅ではホームの高さに合わせてある。
運転者さんの免許はバス運転用に「中型二種」、列車運転用に「甲種内燃車運転免許(内燃機関車と内燃動車)」と、Wライセンスが必要とのことで、こりゃ運転者さんの確保はハードルが高いぞ。
地域的には求人における年収は低いとは思われるが(地域別最低賃金では徳島が855円、高知は853円でこの853円は、愛媛・宮崎・熊本・佐賀・長崎・鹿児島・沖縄と同等で全国一低い。)、このWライセンスを追っている運転者さんにはいくらの賃金を払っているのだろうと、めっちゃ気になるのは自分の職業柄。
乗車定員18名で、自分が乗った上り下りの2便では空席があったし、予約状況を見ていても満員になっている便は多くはない。
令和3年度の決算告示での損益計算書を見ると、旅客運輸収入は11,073,714円で、一方、人件費は61,329,373円やねんけど…。
経常損失が81,397,362円、特別利益としての補助金収入はなんと1,524,482,821円、大丈夫か~。
いくらDMVを観光資源として活用するっていっても、経営もつのか~って余計な心配をしてしまうのだが。



 甲浦駅では高架線の終点のモードインターチェンジでバスへトランスフォームし、地上の道路に下りるスロープを通過し(特にこの下りはブレーキの効きを心配した)、一般道路を通って道の駅東洋町に到着、ここで自分たちは下車した。
左側のプレートがDMVのバス停、右側のプレートが一般バス路線のバス停。
DMVとの平行に走っているバス路線は、徳島バス南部の「牟岐線」牟岐~海の駅東洋町、DMVの阿波海南駅そばの海部高校前~海の駅東洋町の運賃は520円。
ってことで、DMVの700円より割安で、便数も同等で予約不要となると生活路線としてはこっちだ。
また、海の駅東洋町から室戸ジオパークセンターまでは、とさでん交通の地域分社化により、主に高知県東部を担当する会社として1998年に設立された高知東部交通が7便を運行している。
この高知東部交通で高知の方から、海の駅東洋町まで乗ってきたが、その系統が延着してしまって、乗り継ぎするはずだったDMVや徳島バス南部牟岐線に間に合わなくて困っている観光客が多数発生していて、業界人としてめっちゃ心を痛めてたってことは蛇足ながら。
ちなみに、青いDMV-1号「未来への波乗り」、緑色のDMV-2号「すだちの風」、赤いDMV-3号「阿佐海岸維新」の3両のうちの2両が日替わりで運行されているようで、自分は二日間で往復したから、すべての車両を見ることが出来た。
がんばれっ阿佐海岸鉄道❗


知人が撮ってくれた動画で、知人の指が入っていたり、白いTシャツの自分がウロウロしていてすみません💦
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辻󠄀元清美 私鉄総連準組織内国会議員が再度、タク議連会長に就任 ~タクシー政策議員連盟総会~

2023-04-28 | 書記長社労士 公共交通

 4月28 日(金)、旧民主党の議員(立憲民主党・国民民主党・無所属)による国会議員で組織する「タクシー政策議員連盟」は総会を開き、新会長に辻󠄀元清美参議院議員/私鉄総連準組織内国会議員(新)、幹事長に小宮山泰子衆議院議員(再)、事務局長には森屋隆参議院議員/私鉄総連組織内国会議員(再)などとする新役員体制を決めた。総会には、国会議員46 人(衆議院29 人・参議院17 人)、交運労協、ハイタクフォーラム(私鉄総連ハイタク協議会・全自交労連・交通労連)、全国ハイヤー・タクシー連合会など関係者が出席した(新役員体制は後掲)。


 辻󠄀元清美新会長は、「思い起こせば、増子さんが会長をしていた時に幹事長をしており、国土交通省、労働組合、事業者側の窓口をしてきた。推挙をいただいたので、しっかりがんばりたい」「私は、女性が働く職場として、タクシー業界に入っていけることがポイントだと思う。女性の立場からも業界の発展に努めていきたい。働く人たちの労働改善に努めてまいりたい」などと決意を述べた。


 総会は、「運転者の確保」「ライドシェア阻止」「タクシーで働く者の処遇改善」「女性の積極的な登用」「燃料高騰への対策」「空飛ぶタクシー」「自動運転」「配車アプリと運賃・サービス内容」などで意見を交わした。

タクシー政策議員連盟 新役員体制 2023年4月28日現在 (敬称略 50音順 ※下線は新規)
顧問 泉 健太 枝野 幸男 大塚 耕平 海江田万里 玉木雄一郎 中川 正春 長浜 博行 原口 一博 福山 哲郎 古川 元久 前原 誠司 近藤 昭一
会長 辻󠄀元 清美
副会長 逢坂 誠二 小川 淳也 榛葉賀津也 西村智奈美 伴野 豊 松 原 仁
幹事長 小宮山泰子
幹事長代行 森山 浩行
副幹事長 末松 義規 田嶋 要 野田 国義
幹 事 大河原雅子 小熊 慎司 城井 崇 後藤 祐一 斎藤 嘉隆 佐藤 公治 牧山ひろえ 森本 真治
事務局長 森屋 隆
事務局次長 田村 まみ 道下 大樹
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ハイタクフォーラム(私鉄総連・全自交労連・交通労連) 「厚生労働省・国土交通省への要請」「2023総決起集会」ヘ結集 「請願署名13万9,653筆(私鉄4万2,701筆)」を衆・参両院へ提出

2023-03-17 | 書記長社労士 公共交通
 ハイタクフォーラム(私鉄総連ハイタク協議会・全自交労連・交通労連ハイタク部会)は、3月9日に「厚生労働省・国土交通省への要請行動」を行い、10日には「適正な運賃改定と確実な賃金反映を求める総決起集会」を開き、その後「交通運輸産業における迅速な運賃改定と賃金・労働条件への確実な反映を求める請願署名」提出行動を実施、タクシー政策議員連盟を通じ、衆・参両院議長あてに提出した。


〇ハイタク運転者の労働問題に係る善処を厚労省へ要請
 ハイタクフォーラムは、参議院議員会館の講堂で、タクシー政策議員連盟とともに厚生労働省への要請を行い、梶原輝昭厚生労働省大臣官房審議官へ要請書を手渡した。要請には90人、私鉄からは19人が参加した。
要請内容は、「ハイヤー・タクシー運転者の労働問題に係る重点要請」として、①コロナ禍における雇用の維持と法令違反事業者の摘発、②感染症対策、③累進歩合制の完全排除(禁止)、④給与体系・労働条件・運転者負担等、⑤地域別最低賃金の遵守と労働時間管理の適正化、の5項目。


 要請行動は久松勇治私鉄総連ハイタク協議会事務局長の司会で始まり、小川敬二交通労連ハイタク部会長、近藤昭一タクシー政策議員連盟会長(衆議院議員)の挨拶の後、梶原審議官は、「エッセンシャルワーカーである自動車運転者の加重労働を防ぐことは、運転者自身の健康確保、利用者の安全・安心の観点から重要であり、令和6年4月からの時間外労働の上限規制と改正改善基準告示の適用へ向け、関係省庁と連携し制度の周知に務め、自動車運転者の労働条件改善に努めていく。違法な長時間労働の疑いがある事業者には、労働基準監督署による監督指導を実施し、法違反が認められた場合は是正を指導するとともに、重大かつ悪質な場合は送検を行うなど、厳正な対応を徹底していく」などとあいさつし、要請に対する回答を示した。
 参加者からは、「最低賃金違反・監査」「労働条件の不利益変更」「コロナ5類変更に伴う労災認定の継続」などで質疑が出された。
私鉄からは、吉永順一シンセツタクシー労組書記長が「累進歩合制は賞与だと許されるのか」と質した。
これに対して厚労省は、「賞与について、禁止されている累進歩合にあたるかどうかの判断は難しいが、問題として認識している。専門委員会でも意見として伺っているので、改正改善基準告示適用から3年を目途に調査をしていく」などと応えた。
また、堀内隆彦阪急タクシー労組副委員長は「視野が狭くなる緑内障は、初期段階だと自覚症状がほぼなく、事故に繋がりかねない。健康診断の必須項目に眼底検査を入れ、費用の助成制度を検討いただきたい」などと要望した。これに対し厚労省は、「労働安全衛生法には、緑内障発見のような検査は含まれていない。ただ9月の健康診断強化月間で、事業者団体に労災防止の観点で眼底検査が有効であると推奨してきた。引き続き事業者へ、呼びかけていきたい」などと応えた。


〇タクシー関連法・附帯決議の厳格運用、ライドシェア合法化反対を国交省へ要請
 続いて国土交通省への要請を行い、森哲也国土交通省自動車局旅客課長へ要請書を手渡した。
要請では、森屋隆タクシー政策議員連盟事務局長/私鉄総連組織内国会議員が「ぜひ23春闘を機に、私たちの産業を元気にしていただきたい」「コロナ禍を、エッセンシャルワーカーが支えてくれたから、移動ができるようになってきた。国交省には、真摯な回答と協力をお願いしたい」などとあいさつした。
また、辻󠄀元清美私鉄総連準組織内国会議員は「ハイタクは、普段の生活だけでなく、いざという時も絶対に必要である。だから、ハイタクを日頃から守り支援していくことが重要だ」などと、ハイタク政策の重要性を訴えた。
要請内容は、「タクシー関連法ならびにその附帯決議の厳格な運用および白タク(ライドシェア)合法化反対の要請」として、①長引くコロナ禍からタクシー事業の維持・再興をはかるために、②タクシー事業における適正化、③ライドシェアと称する白タク合法化問題、④タクシー事業の活性化、⑤タクシー運賃など5項目。


 国土交通省からは、岡野まさ子自動車局審議官、森哲也自動車局旅客課長ほか15人が出席した。
岡野審議官は、「タクシーは、ドア・ツー・ドアの、きめ細かな公共交通輸送機関であり、地域住民の足になっている。災害時も緊急輸送手段として、生活のあらゆる面で活躍いただいている」「コロナ禍でもエッセンシャルサービスとして、公共交通機関としての役割を果たしていただいた」「タクシー業界は、引き続き厳しい状況にある。運賃改定について、多くの地域から申請が出されているが、地域の足を確保するために適正な運賃を収受して、運転者が賃上げを早期に実現することが重要である。運賃改定の申請には、できるだけ迅速に審査し、適切に対応していく」「忌憚のない意見を伺い議論し、今後の対応に活かしたい」などと応じ、要請に対する回答を示した。
 回答後、参加者からは「実車時の行灯消灯について」「タクシー事業活性化への補助」「UDタクシーでの車いす対応」「訪日外国人旅行者への白タク行為」「タコメータ設置義務の拡大」「UDタクシーと介護タクシーの区別」「運賃改定後の賃金改善フォローアップの厳正な対応」「賃金の不利益変更への指導強化」「最低賃金違反の厳正な処分」などで質疑が出された。
私鉄からは、①吉永順一シンセツタクシー労組書記長が「ドライブレコーダーの運用でのプライバシー保護についての国交省見解」、②田中滋修私鉄ハイタク協副議長/関西ハイタク労連委員長が「日報改ざんの話を聞く。自動日報を義務化してほしい。監査も早くなる。貸切バス同様、更新制も導入すれば、優良事業に早く到達できる」、③堀内隆彦阪急タクシー労組副委員長が「乗務員の健康診断で脳疾患、心臓疾患について、『早期の発見が必要』などと回答しているが、全体の事故のなかで、32%が健康に起因している。最終的には『スクリーニング検査が必要』『定期健康診断が義務』としているが、ほとんどが外見上の兆候や所見がない人が事故を起こしている。本来は、自覚症状や所見のない人がフォローされるべきなのに、そこは『推奨される』との回答である。推奨は義務ではない。事業者は、金がかかるから曖昧にする。疾患による事故は減らない形になる。だから私たちは、スクリーニング検査に対する費用補助を要請している。早急な対応を再度、要請する」などと迫った。
 これに対して国交省は、①ドラレコを運行管理に活用しているが、プライバシー保護の配慮は必要だ」、②「監査は、現在の定員では全ての事業者に入りきれないが、違反の疑いがある事業者に絞り、重点的に監査している。監査体制は、着実に強化しているので、監査官の研修を通じて、改ざんを見破る技術の向上を措置し、厳格に対応していく」、③「事業者に運転者の健康状態の把握等は、法令上義務付けている。健康状態の悪化を分かっていながら乗務させていたとなれば、監査の時に罰則を受けることを事業者には伝えている。スクリーニング検査は、どういう方へ優先的に受けていただくか。モデル事業を通じ、ハイリスク者を検証しながら事例を事業者に周知していく。マニュアルを事業者に、いかに使っていただくかが重要。いかに、ハイリスク者が確実に受診し、健康起因の事故防止に繋げるかに取り組んでまいりたい」などと応じた。


〇3.10適正な運賃改定と確実な賃金反映を求める総決起集会~23春闘勝利!ライドシェア反対!~


 ハイタクフォーラムは3月10日、東京都内の「全電通労働会館」で、適正な運賃改定と確実な賃金反映を求める総決起集会を開き、全体で200人、私鉄からは49人が参加した。集会冒頭、「ライドシェア問題を考える市民会議」で大変お世話になったが、2月5日に逝去された宮里邦雄弁護士に黙とうをささげた。
溝上泰央代表運営幹事は、「感染リスクにさらされながら、国民の移動の権利を守ってきた。ワクチン接種でもタクシーが活躍した。タクシーが最後の砦となり、地域の足を支えている」「ハイタク労働者は、社会の維持に欠かせない公共交通を支える存在であることを社会に認知してもらう必要がある」「全国101ブロック中、80ブロックで運賃改定の波が起きている。われわれハイタク労働者にとって、ようやく反転攻勢の機会が訪れた」「23春闘は、待遇を変える貴重な場であり労働組合の真価が問われる。粘り強く経営者と交渉を続け、賃金・労働条件向上を勝ち取ろう」などとあいさつした。


 続いて、久松勇治私鉄総連ハイタク協議会事務局長が厚生労働省、本田有(たもつ)全自交労連書記次長が国土交通省の要請報告を行った。
連帯あいさつは、清水秀行連合事務局長、住野敏彦交運労協議長、近藤昭一タク議連会長、逢坂誠二立憲民主党代表代行、古川元久国民民主党国対委員長、坂本克己全国ハイタク連合会会長 
最高顧問、浦田誠国際運輸労連政策部長から、それぞれいただいた。

 また、齋藤貴子私鉄関東ハイタク協日の丸自動車労組書記長による「いますぐ魅力ある産業にし、新たな仲間を増やすとともに去っていった仲間を呼び戻し、持続可能な公共交通を実現しなければならない」「そしてなによりも運賃改定が、確実に私たちの賃金改善に反映されることが重要であり、まずは賃金の改善こそ、最優先されるべきだ」などとした集会アピール提案を満場の拍手で採択した。
集会は、団結がんばろうで締めくくった。


〇「交通運輸産業における迅速な運賃改定と賃金・労働条件への確実な反映を求める請願署名」提出行動・タクシー政策議員連盟との意見交換
 ハイタクフォーラムは総決起集会終了後、衆議院第一議員会館大会議室で、衆参両院議長へ提出する「交通運輸産業における迅速な運賃改定と賃金・労働条件への確実な反映を求める請願署名」をタクシー政策議員連盟(以降、タク議連)へ託し、タク議連と意見を交わした。行動には、全体112人、私鉄から32人が参加した。


 司会は、道下大樹タク議連事務局次長が務めた。
溝上代表運営幹事は、「ハイタク産業は、厳しい状況が続いている。運賃改定が一筋の光明であることは間違いないが、これをバネにハイタク労働者としても利用者利便向上に、よりいっそうの努力を惜しまず持続可能な産業を構築していく」「改正タクシー特措法から9年が経過したが、いまだ活性化・適正化にも十分な成果が見えない」「全国の仲間が集めた請願署名を、議連の皆さんに託し、まじめに頑張っている事業者と労働者が報われる制度・政策をお願いしたい」などとあいさつした。
出席議員の紹介後、近藤タク議連会長は、「コロナ禍の3年間、リスクを負いながら現場で頑張っていただいている。バス路線が減少しているなか、最後の砦は、やはりタクシー・ハイヤー。現場を支えていただいている皆さんの、厳しい、切なる声を受けとめたい。働きやすい環境を作り、みんなが行きたいところへ、行きたい時間に行ける社会を、みんなで支え合っていくために、現場のみなさんとともに頑張る」などとあいさつした。
 また泉健太タク議連顧問/立憲民主党代表は、「働くみなさんの環境は傷を負っている状況。物価が上がるのに実入りがない状況を政治や行政が直視し、改善していかなければならない局面」「賃上げに対する支援が弱い」「エッセンシャルワーカーであるみなさんを守れずして交通弱者は守れない」「請願署名を重く受けとめ、政府へ要望を続けていく」などとあいさつした。
その後、衆参両院議長へ提出するため、13万9,653筆の請願署名を、タク議連へ託した。
 地方情勢は、全自交富山地連、交通労連関西地方総支部が富山と大阪の状況を、私鉄は酒井博私鉄関東ハイタク協議会事務局長が、東京の運賃改定後の稼働や営業収入、春闘労使交渉状況などとともに、「お客さまに感動と満足を与えられるようなタクシーとなるよう活動を展開していく」などと報告した。

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