1月の読書メーター 読んだ本の数:8 読んだページ数:3647 1日に読んだページ:111
模倣犯2 (新潮文庫)
読了日:01月03日 著者:宮部 みゆき
鞠子の遺体が発見されたのは、「犯人」がHBSテレビに通報したからだった。自らの犯行を誇るような異常な手口に、日本国中は騒然とする。墨東署では合同特捜本部を設置し、前科者リストを洗っていた。一方、ルポライターの前畑滋子は、右腕の第一発見者であり、家族を惨殺された過去を負う高校生・塚田真一を追い掛けはじめた――。事件は周囲の者たちを巻込みながら暗転していく。 ☆☆★ 1巻では、とてもやりきれない事件を描いていたが、この2巻では第1巻の続きかと思いきや、犯人側、栗橋浩美の視点で並行する物語が描かれる…なぜ彼は人を殺めるのか。何が彼をそうさせたのか。同じ時間のストーリーを別の登場人物の眼から描く手法が、巧みすぎる❗
模倣犯3 (新潮文庫)
読了日:01月09日 著者:宮部 みゆき
群馬県の山道から練馬ナンバーの車が転落炎上。二人の若い男が死亡し、トランクから変死体が見つかった。死亡したのは、栗橋浩美と高井和明。二人は幼なじみだった。この若者たちが真犯人なのか、全国の注目が集まった。家宅捜索の結果、栗橋の部屋から右腕の欠けた遺骨が発見され、臨時ニュースは「容疑者判明」を伝えた――。だが、本当に「犯人」はこの二人で、事件は終結したのだろうか? ☆☆★ 群馬県の山道から練馬ナンバーの車が転落炎上。二人の若い男が死亡し、トランクから変死体が見つかった。死亡したのは、栗橋浩美と高井和明。二人は幼なじみだった。この巻では、栗橋の犯行に気づいた高井和明の苦悩と新たな動きを見せる事件の予兆が見事に描かれていて、はやく先に進みたい。
浜村渚の計算ノート (講談社文庫)
読了日:01月10日 著者:青柳 碧人
「数学の地位向上のため国民全員を人質とする」。天才数学者・高木源一郎が始めたテロ活動。彼の作った有名教育ソフトで学んだ日本人は予備催眠を受けており、命令次第で殺人の加害者にも被害者にもなりうるのだ。テロに対抗し警視庁が探し出したのは一人の女子中学生だった! 新時代数学ミステリー!! ☆☆★ 数学を絡めたミステリーで、キャラや設定など全体的に小中学生向けの世界観。小5の孫1号に読ませてみよう😊いろいろ勉強になったが、じいじはもう忘れちゃった…。中学の頃、円周率を何桁まで覚えられるかについてはハマったんやけどな~。
新装版 箱根の坂(下) (講談社文庫 し 1-32)
読了日:01月13日 著者:司馬 遼太郎
関東制覇を目指して、先ず伊豆を切り取った早雲は、越えがたい箱根の坂を越えて、ついに小田原攻略に成功した。まさにその時、戦国の幕が切って落とされたのである。伝統的教養と近代的領国経営法で関東の覇者となり、治世の理想を実現させ、歴史を変えていった男、北条早雲の一生を描いた傑作長編小説完結。 ☆☆★ 伊勢新九郎が、早雲として台頭し、勢力を拡大してゆく晩年が描かれている。晩年の早雲が、伊豆公方を追い出し伊豆を取り、箱根を超えて小田原を取り,三浦一族を追い詰め相模を切り取り、関東に確固たる勢力基盤を確立するが,武力闘争による勢力拡大ではなく、政策の結果としての勢力拡大を行ったところがミソなのか。ほんとうに自分の中で納得できていなかった応仁の乱からの戦国時代まで、その歴史の意味がしっかりと繋がったと言うことでは、読んでよかった。
模倣犯(四) (新潮文庫)
読了日:01月17日 著者:宮部 みゆき
特捜本部は栗橋・高井を犯人と認める記者会見を開き、前畑滋子は事件のルポを雑誌に連載しはじめた。今や最大の焦点は、二人が女性たちを拉致監禁し殺害したアジトの発見にあった。そんな折、高井の妹・由美子は滋子に会って、「兄さんは無実です」と訴えた。さらに、二人の同級生・網川浩一がマスコミに登場、由美子の後見人として注目を集めた――。終結したはずの事件が、再び動き出す。 ☆☆★ 事件の被害者遺族、加害者家族、警察、マスコミ、傍観者…作者はありとあらゆる人たちに視点を当て それぞれの感情や本音を見事に描く。そしてあろうことか、兄和明の無実を訴える由美子は、ピースを心のよりどころにしてしまっている。読んでいる自分は、事件の全容を知っているのに、このもどかしさをどうしてくれるんねんと、やはり先が気になりすぎる…。
透明な螺旋 (文春文庫 ひ 13-14)
読了日:01月21日 著者:東野 圭吾
南房総沖に、男の銃殺死体が浮かんだ。同時に、男の行方不明者届を出していた同居人の女が行方をくらませた。捜査にあたった草薙と内海薫はその過程で、思いがけず湯川学の名前に行きつく。草薙はすぐさま湯川の元を訪れたが、彼はそこ、横須賀のマンションで意外な生活を送っていた――。巻末に短篇「重命る(かさなる)」を特別収録。 ☆★★ ガリレオこと湯川博士を紐解くという設定だったが、そこが無理矢理過ぎて、そして物理学者が解明する驚きのトリックもなくて、これでは続編はもう期待できないのでは…ってな感じ。悪くはないけど良くもなかったってことで、ま、単に自分の期待外れなだけかも知れないが。
マレー鉄道の謎 (講談社文庫 あ 58-12)
読了日:01月25日 著者:有栖川 有栖
旧友・大龍の招きでマレーの楽園、キャメロン・ハイランドを訪れた火村と有栖川。二人を迎えたのは、舞い飛ぶ蝶ならぬ「殺人の連鎖」だった。ドアや窓に内側から目張りをされた密室での犯行の嫌疑は大龍に。帰国までの数日で、火村は友人を救えるか。第56回日本推理作家協会賞に輝く、〈国名シリーズ〉第6弾。 ☆★★ 二人がいつものように日本の警察捜査に協力する話ではなく、大学時代の留学生の友人をマレーシアに訪問旅行した際に殺人事件に巻き込まれる話で、現場警察との衝突があるところがいつもとは違っているが、自分的には、京都とか大阪とか関西圏でええやんって思ったのが率直。しかも展開が狭くて、このページ数がめんどくさい。取材は入念やったのは感じたが…しかし〈国名シリーズ〉って知らんし。
模倣犯(五) (新潮文庫)
読了日:01月31日 著者:宮部 みゆき
真犯人Xは生きている――。網川は、高井は栗橋の共犯者ではなく、むしろ巻き込まれた被害者だと主張して、「栗橋主犯・高井従犯」説に拠る滋子に反論し、一躍マスコミの寵児となった。由美子はそんな網川に精神的に依存し、兄の無実を信じ共闘していたが、その希望が潰えた時、身を投げた――。真犯人は一体誰なのか? あらゆる邪悪な欲望を映し出した犯罪劇、深い余韻を残して遂に閉幕! ☆☆☆ これほど精神的に疲れる小説はやばい。なんせ事件の全貌は読者は知らされていて、その事件にまつわる誤謬にずっと振り回されている。ほんとうに後味が悪い作品ながら、とても考えさせられる。昨今の、斉藤元彦兵庫県知事を告発した兵庫県職員を発端とした百条委員会・知事選挙・立花孝志、そして石丸伸二がやっていることは、この作品の「ピース」と同じだと断言したい。
読書メーター
模倣犯2 (新潮文庫)
読了日:01月03日 著者:宮部 みゆき
鞠子の遺体が発見されたのは、「犯人」がHBSテレビに通報したからだった。自らの犯行を誇るような異常な手口に、日本国中は騒然とする。墨東署では合同特捜本部を設置し、前科者リストを洗っていた。一方、ルポライターの前畑滋子は、右腕の第一発見者であり、家族を惨殺された過去を負う高校生・塚田真一を追い掛けはじめた――。事件は周囲の者たちを巻込みながら暗転していく。 ☆☆★ 1巻では、とてもやりきれない事件を描いていたが、この2巻では第1巻の続きかと思いきや、犯人側、栗橋浩美の視点で並行する物語が描かれる…なぜ彼は人を殺めるのか。何が彼をそうさせたのか。同じ時間のストーリーを別の登場人物の眼から描く手法が、巧みすぎる❗
模倣犯3 (新潮文庫)
読了日:01月09日 著者:宮部 みゆき
群馬県の山道から練馬ナンバーの車が転落炎上。二人の若い男が死亡し、トランクから変死体が見つかった。死亡したのは、栗橋浩美と高井和明。二人は幼なじみだった。この若者たちが真犯人なのか、全国の注目が集まった。家宅捜索の結果、栗橋の部屋から右腕の欠けた遺骨が発見され、臨時ニュースは「容疑者判明」を伝えた――。だが、本当に「犯人」はこの二人で、事件は終結したのだろうか? ☆☆★ 群馬県の山道から練馬ナンバーの車が転落炎上。二人の若い男が死亡し、トランクから変死体が見つかった。死亡したのは、栗橋浩美と高井和明。二人は幼なじみだった。この巻では、栗橋の犯行に気づいた高井和明の苦悩と新たな動きを見せる事件の予兆が見事に描かれていて、はやく先に進みたい。
浜村渚の計算ノート (講談社文庫)
読了日:01月10日 著者:青柳 碧人
「数学の地位向上のため国民全員を人質とする」。天才数学者・高木源一郎が始めたテロ活動。彼の作った有名教育ソフトで学んだ日本人は予備催眠を受けており、命令次第で殺人の加害者にも被害者にもなりうるのだ。テロに対抗し警視庁が探し出したのは一人の女子中学生だった! 新時代数学ミステリー!! ☆☆★ 数学を絡めたミステリーで、キャラや設定など全体的に小中学生向けの世界観。小5の孫1号に読ませてみよう😊いろいろ勉強になったが、じいじはもう忘れちゃった…。中学の頃、円周率を何桁まで覚えられるかについてはハマったんやけどな~。
新装版 箱根の坂(下) (講談社文庫 し 1-32)
読了日:01月13日 著者:司馬 遼太郎
関東制覇を目指して、先ず伊豆を切り取った早雲は、越えがたい箱根の坂を越えて、ついに小田原攻略に成功した。まさにその時、戦国の幕が切って落とされたのである。伝統的教養と近代的領国経営法で関東の覇者となり、治世の理想を実現させ、歴史を変えていった男、北条早雲の一生を描いた傑作長編小説完結。 ☆☆★ 伊勢新九郎が、早雲として台頭し、勢力を拡大してゆく晩年が描かれている。晩年の早雲が、伊豆公方を追い出し伊豆を取り、箱根を超えて小田原を取り,三浦一族を追い詰め相模を切り取り、関東に確固たる勢力基盤を確立するが,武力闘争による勢力拡大ではなく、政策の結果としての勢力拡大を行ったところがミソなのか。ほんとうに自分の中で納得できていなかった応仁の乱からの戦国時代まで、その歴史の意味がしっかりと繋がったと言うことでは、読んでよかった。
模倣犯(四) (新潮文庫)
読了日:01月17日 著者:宮部 みゆき
特捜本部は栗橋・高井を犯人と認める記者会見を開き、前畑滋子は事件のルポを雑誌に連載しはじめた。今や最大の焦点は、二人が女性たちを拉致監禁し殺害したアジトの発見にあった。そんな折、高井の妹・由美子は滋子に会って、「兄さんは無実です」と訴えた。さらに、二人の同級生・網川浩一がマスコミに登場、由美子の後見人として注目を集めた――。終結したはずの事件が、再び動き出す。 ☆☆★ 事件の被害者遺族、加害者家族、警察、マスコミ、傍観者…作者はありとあらゆる人たちに視点を当て それぞれの感情や本音を見事に描く。そしてあろうことか、兄和明の無実を訴える由美子は、ピースを心のよりどころにしてしまっている。読んでいる自分は、事件の全容を知っているのに、このもどかしさをどうしてくれるんねんと、やはり先が気になりすぎる…。
透明な螺旋 (文春文庫 ひ 13-14)
読了日:01月21日 著者:東野 圭吾
南房総沖に、男の銃殺死体が浮かんだ。同時に、男の行方不明者届を出していた同居人の女が行方をくらませた。捜査にあたった草薙と内海薫はその過程で、思いがけず湯川学の名前に行きつく。草薙はすぐさま湯川の元を訪れたが、彼はそこ、横須賀のマンションで意外な生活を送っていた――。巻末に短篇「重命る(かさなる)」を特別収録。 ☆★★ ガリレオこと湯川博士を紐解くという設定だったが、そこが無理矢理過ぎて、そして物理学者が解明する驚きのトリックもなくて、これでは続編はもう期待できないのでは…ってな感じ。悪くはないけど良くもなかったってことで、ま、単に自分の期待外れなだけかも知れないが。
マレー鉄道の謎 (講談社文庫 あ 58-12)
読了日:01月25日 著者:有栖川 有栖
旧友・大龍の招きでマレーの楽園、キャメロン・ハイランドを訪れた火村と有栖川。二人を迎えたのは、舞い飛ぶ蝶ならぬ「殺人の連鎖」だった。ドアや窓に内側から目張りをされた密室での犯行の嫌疑は大龍に。帰国までの数日で、火村は友人を救えるか。第56回日本推理作家協会賞に輝く、〈国名シリーズ〉第6弾。 ☆★★ 二人がいつものように日本の警察捜査に協力する話ではなく、大学時代の留学生の友人をマレーシアに訪問旅行した際に殺人事件に巻き込まれる話で、現場警察との衝突があるところがいつもとは違っているが、自分的には、京都とか大阪とか関西圏でええやんって思ったのが率直。しかも展開が狭くて、このページ数がめんどくさい。取材は入念やったのは感じたが…しかし〈国名シリーズ〉って知らんし。
模倣犯(五) (新潮文庫)
読了日:01月31日 著者:宮部 みゆき
真犯人Xは生きている――。網川は、高井は栗橋の共犯者ではなく、むしろ巻き込まれた被害者だと主張して、「栗橋主犯・高井従犯」説に拠る滋子に反論し、一躍マスコミの寵児となった。由美子はそんな網川に精神的に依存し、兄の無実を信じ共闘していたが、その希望が潰えた時、身を投げた――。真犯人は一体誰なのか? あらゆる邪悪な欲望を映し出した犯罪劇、深い余韻を残して遂に閉幕! ☆☆☆ これほど精神的に疲れる小説はやばい。なんせ事件の全貌は読者は知らされていて、その事件にまつわる誤謬にずっと振り回されている。ほんとうに後味が悪い作品ながら、とても考えさせられる。昨今の、斉藤元彦兵庫県知事を告発した兵庫県職員を発端とした百条委員会・知事選挙・立花孝志、そして石丸伸二がやっていることは、この作品の「ピース」と同じだと断言したい。
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