よしーの世界

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ジェロントロジー宣言   寺島実郎

2020-08-30 08:12:59 | 
「ジェロントロジー」なる言葉を初めて知りました。英和辞典では「老年学」、第二次世界大戦後に

アメリカで生まれた学問体系の名称だそうですが、著者は「高齢化社会工学」と訳すべきとしており、

確かにこの方が分かりやすい。何しろ100歳まで生きることが有り得るという人類史上未体験ゾー

ンに入り込んでいる昨今。望む望まないにかかわらず、長生きした場合を想定して早いうちから準備

をしておくべきでしょう。


特に日本は会社至上主義で定年退職後にやる気を失い。近所付き合いもなく家に籠ってしまう男性が

多く存在します。身近には平日に通勤する人々を眺めながらバス停で、連日朝から缶ビールを煽って

いる年配の男性を見かけますが、家に居ることさえ嫌なのでしょう。得意先ではダンナが定年退職後

にやることがなく家でぶらぶらしていてうっとうしいという話も聞きます。


勿論70歳を過ぎても働く場はありますが、世界は非常な勢いで変化し続けています。今までのスキ

ルでは通用しないのが当然で、働く気力があればアップトゥデートが必要です。働かなくても趣味が

あれば楽しい日々を送ることも可能です。


高齢になっても常に学びの姿勢を保つことだと著者は述べています。人間は高齢化によって劣化する

ことはないとも言ってます。私の両親は90歳過ぎまで生きて天寿を全うしましたが、二人には衰え

ない好奇心を常々感じていました。会うたびに沢山の話をしました。体の機能を衰えさせない為に運

動を習慣づけるように、若いうちに体系的な学びを続ける習慣を持つことが肝要のようです。


ジェロントロジー宣言     寺島実郎          NHK出版新書
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