日本人は議論が苦手だ。一つのテーマについて冷静に論理的に話を進めていくことが出来ない。日本史を
遡ってみても圧倒的な権力を持つ傑出した、一人の人物がリードして物事を進めた以外は、集団で話し合
いを繰り返し計画的に政策を進めた事例がほとんど見当たらない。だから失敗したことを説明することが
出来ないし、責任も取らない。
本書では東日本大震災の東京電力福島第一原発事故の事実を矮小化、過小評価する大新聞、テレビを世界
はどう見ていたかを伝えている。当時事実を伝えない日本のメディアを信用できずに、私たちはネットで
海外メディア報道によって情報を得ていた。そして2003年にTBSで福島第一原発の欠陥を日系米国人ケ
イ・スガオカ氏が内部告発したが東電関係者、原子力保安院は事態を確認しながら隠蔽し、危険を指摘す
る関係者を排除し、日本の原子力行政は事実を闇に葬った。という内容を報道したと書いている。
さらに著者は太平洋戦争時の大本営発表にも言及する。実際に起きたことを冷徹に検証し「現実を見ず自
らの保身をからめた希望的な観測で事実を歪め、国民に嘘を伝えて愚弄する。エリート主義の軍官僚が率
いた大本営のこうした無責任体制が日本に原爆投下をもたらし、国土を荒廃させ、三百数十万人の戦争犠
牲者出すという最悪の結果を生んだ」という。日本では国民自身が主体的に戦争責任の追求を怠っている。
過去を直視できない国は世界で尊敬されることはない、と結んでいる。
そして直接取材したアフリカの諸問題、反捕鯨運動の背景、北朝鮮拉致問題、経済で中国に抜かれた話ま
で、日本に居て新聞やテレビを眺めているだけでは、全く気付くことのない現実を読者に突き付けている。
私たちはもっともっと沢山の事を知らなければならない。そして自分で考察し、これらの事実を基に近し
い人と話をし、諸問題に向き合う時だ。小学生くらいから議論が出来る環境を整えてほしい。是非沢山の
人に読んでほしい本だ。
日本はなぜ世界で認められないのか 柴山哲也 平凡社新書
遡ってみても圧倒的な権力を持つ傑出した、一人の人物がリードして物事を進めた以外は、集団で話し合
いを繰り返し計画的に政策を進めた事例がほとんど見当たらない。だから失敗したことを説明することが
出来ないし、責任も取らない。
本書では東日本大震災の東京電力福島第一原発事故の事実を矮小化、過小評価する大新聞、テレビを世界
はどう見ていたかを伝えている。当時事実を伝えない日本のメディアを信用できずに、私たちはネットで
海外メディア報道によって情報を得ていた。そして2003年にTBSで福島第一原発の欠陥を日系米国人ケ
イ・スガオカ氏が内部告発したが東電関係者、原子力保安院は事態を確認しながら隠蔽し、危険を指摘す
る関係者を排除し、日本の原子力行政は事実を闇に葬った。という内容を報道したと書いている。
さらに著者は太平洋戦争時の大本営発表にも言及する。実際に起きたことを冷徹に検証し「現実を見ず自
らの保身をからめた希望的な観測で事実を歪め、国民に嘘を伝えて愚弄する。エリート主義の軍官僚が率
いた大本営のこうした無責任体制が日本に原爆投下をもたらし、国土を荒廃させ、三百数十万人の戦争犠
牲者出すという最悪の結果を生んだ」という。日本では国民自身が主体的に戦争責任の追求を怠っている。
過去を直視できない国は世界で尊敬されることはない、と結んでいる。
そして直接取材したアフリカの諸問題、反捕鯨運動の背景、北朝鮮拉致問題、経済で中国に抜かれた話ま
で、日本に居て新聞やテレビを眺めているだけでは、全く気付くことのない現実を読者に突き付けている。
私たちはもっともっと沢山の事を知らなければならない。そして自分で考察し、これらの事実を基に近し
い人と話をし、諸問題に向き合う時だ。小学生くらいから議論が出来る環境を整えてほしい。是非沢山の
人に読んでほしい本だ。
日本はなぜ世界で認められないのか 柴山哲也 平凡社新書