よしーの世界

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愚かな風 忖度時代の政権とメディア   山田健太

2022-05-06 07:56:04 | 
衆議院調査局の調査によると、安倍元総理は嘘の答弁を少なくとも118回行ったという。それでもメ

ディアは未だに政界に影響があるかのように、その発言を取り上げる。日本の大手マスコミは置かれ

ている立場を明確にせず、常に誰かの発言を取り上げて紙面を作り責任回避を図っている。本書では

2016年から2020年に言論の自由に関する出来事を書き、著者が論評している。年表になっているので、

その年に何があったのか分かり易く、読者が検証するのに最適である。


著者は一言で「表現の自由の縮減」と呼ぶ。安部元総理は親メディアと敵性メディアに分け、親メデ

ィアのインタビューに頻繁に登場し、自らの政策を述べ、解説し、敵性メディアとは距離を置き、時

に悪しざまに罵り、地位を貶める発言をする。国民は分断され、誰かの発言を捉えては黒、白ハッキ

リ位置づけ攻撃を加える。一国の首相が権力に守られながら、一つの勢力の立場を守り、一方を攻撃

するのだから、国民もそれに乗るのは当然だ。


この5年の間にマスコミの取材は制限され、閣議決定という手法を多用し、真実を解明させるよりも、

政府に都合のいい情報を広め、権力側に下々を忖度させる形が出来上がった。政治家の不規則発言も

意図的に流し、放送法等をうまく利用しメディアへの圧力を強めた。


長く続いた小泉政権、第二次安倍政権下で日本国民は寛容さを失った。何故そうなったのか?本書を

読んで今までに何があって、どうしてこうなったのか、日本のこれからをじっくり考察し、声を上げ

続けていきたい。


   愚かな風 忖度時代の政権とメディア   山田健太       田畑書店
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