神道入門 井上順孝

日本人は無宗教とよく言われます。新年には初詣に出かけ、神前結婚式を行い、葬式は仏式で、ハロ

ウィンには仮装して楽しみ、クリスマスを祝う国民は世界に類が無いかもしれません。私自身神社仏

閣を巡ることが好きですが、神道や仏教の熱心な信者かというと違います。それでも幼い頃から慣習

として躾けられてきたことや神様が見ていると言われ自分を律することは親から代々教えられてきま

した。今でも神社仏閣に赴けば清々しい気持ちになることが出来るし、厳かな気分に浸れます。


宗教には関心がありますので、仏教をはじめキリスト教、イスラム教等々の本を読むことも好きです

が、神道に関しての本は比較的少ないように思います。本書の「日本人にとって神とは何か」という

副題は私にとってうってつけで基礎的なことから丁寧に説明されており非常に得るものが多かった。


本書にあるように神前結婚式（二十世紀の産物）など最近になって、行われている行事も相当数ある

ことはとても興味深い。俗信、迷信の類もあり、胡散臭いまがい物まで分別臭く押し付けようとする

やからもいるので、キチンと体系立てて伝えることが出来る組織が必要だと思う。文部科学省には文

化庁があり統計調査もとっているので、ビジョンをもって日本の宗教の未来を考察しなければならな

い。


神道入門　　　　　　井上順孝　　　　　　　　平凡社