宮下昌也の近況報告    MASAYA MIYASHITA 's News

美術家・宮下昌也の展覧会、ライブペインティングなどの活動情報と
南房総、鴨川の日々の生活から最新情報を掲載しています。

コヅカ・アートフェスティバル2015:今年もありがとうございました!

2015-08-09 | コヅカ・アートフェスティバル2015

コヅカ・アートフェスティバル2015、終了して1週間経ってしまいました。
今年は会期中全然ブログ更新が出来ず、毎年まめにupしていたブログ情報を楽しみにしてくれていた方には申し訳ありませんでした。
カメラの調子が悪いとか、ブログやFBへの情報upスタンスの見直しとか、言い訳はまぁいろいろあるのですが要は、9日間毎日変化する自然とアートと人々が繰り広げる目の前の、正にフェスティバルな日々に夢中で言語化、情報化がまったく間に合わなかったということです。スミマセン....。

我が家もやっと金曜日あたりから通常の日々に戻りましたが、今年は会期中前半は長野から友人一家が助っ人に来てくれたり、後半は次男が里帰りしてくれたりと、にぎやかな日が続いていました。
久しぶりに揃った3人息子たちは、それぞれ会場の気に入った場所でフェスティバルに参加し、自分の興味ある事、出来る事を楽しんでいたようで、大きくなっても各自の意思で参加してくれている事が、嬉しい事でした。

フェスティバルの方は、運営面で規模が大きくなる事に伴っていくつか対処しきれなかった問題点があったものの、野外展覧会としては今年もさらに進化をし6年間の蓄積が安定したカタチを成して来ている、理想的なものになっていたと思います。


やはり、コヅカはアーティスト達が素晴らしい。7.000坪の森の中で自由に表現をする事を通して、自然を尊重し、他の表現をも尊重する事を無言でシェアしている。そして来場者にもそのヴァイブスは確実に伝わっている。

それが、あの真夏の森の、白昼夢のような世界を作っているのだと思います。

今年は初参加のアーティストも多く、最年少はなんと二十歳!
上は60代だから参加アーティストの年齢層も幅が広いのですが、お客様も生まれて間もない赤ちゃんから、70代の方まで、親子3代で来てくれる方もいて、駐車場から1km山道を登らないと会場にたどり着けない環境条件にも関わらず、リピーターの方も多く、誰もが楽しめるアートフェスティバルとして成長して来たなぁ、としみじみ思いました。

展示やワークショップ以外にも演劇や音楽のプログラムも今年は豊富でした。
3年前から始めた星見亭オープンアトリエ展のため会期が始まると、僕も1アーティストとして自分の場で表現する様になって、会場全体で起きている全てを見て回る事は出来なくなったことが残念ですが、森を抜ける風に乗って流れて来る音楽や笑い声を聴きながら、森全体で起きている事を感じる様にしています。

多くの参加アーティスト達からは、今年も終わったと同時に来年はこうしたい!といったイメージや参加表明をもらっていて、とても嬉しく思いました。
このクリエイティビティが年々コヅカを進化させ続けている訳で、6年前は絵空ごとだった「アートによる里山整備」を今は誰もが見て納得できる段階まで引き上げているのは、全てアーティスト達の創造力。
アートって力あるな、って改めて思います。

 

そんな訳で、参加してくれた全てのアーティスト、そして山の中まで来場してくれて僕らのアートを楽しんでくれた皆さんに、深く感謝をします。

カメラの不調で、あまり撮れていないのですが、早朝に会場を回って見た展示風景をupします。



今年は実行委員でタイダイの幟を制作し、会場入り口や長狭街道沿いのオープンアトリエ参加店舗などに立てました。
綺麗だったので来年はもっと増やす予定。

 

今年で4年目の参加、会場の森と一体となった展示スペースが年々広がっていくコジマユウジ。

 

コジマさんは、毎年5月くらいから森にひっそりとやって来て、ひっそりと会場作りをする。
最近はアナグマに出会ったり、鹿の道を見つけたり、森との付き合いも深まっている様子。

 

コジマさんの世界ではこの森に住んでいる怪獣達。

 

今年初参加の西山てん。

アート活動始めたばかりでいろいろ模索中。

 

 

こちらも初参加。
さらに全日滞在でコヅカを満喫した、パフォーマンス集団「俺の一存」より画家の渡邊天馬。

 

天馬君は油絵描きで20代にして画商がついている。コヅカの後はミラノに飛んだ。スゲ~なぁ。
普段ホワイトボックスが当たり前の彼に、この環境は新鮮だったようで来年も参加の予定。

 

たまあーとkids達の森の番人。

 

毎年グレードアップしているTRIPTRACKS・関田裕明の写真展。

 

初回から参加。毎年の全日滞在!フェスティバルの要のアーティストの一人。

今年のフライヤーは関田君の展示風景をイメージした絵を描いたけど、ほんと絵のような光景。

 

そしてワタクシの野外展示。

僕は野外展示が大好きなのでこの様な展開をしているが、絵描きや写真家は普通野外は嫌がる。
なのに平面作家が多数野外展示をしているのがコヅカの面白いところかもしれない。

悪条件でも耐えうる展示法をそれぞれ工夫している。

 

会期中倍音の森とのライブペインティングで描いた作品。

 

森の家ギャラリー、今年のゲスト作家・内海朗さんの展示。

 

窓を生かし展示された「未来の神話」シリーズのひとつ。
背景の森の景色と絵の中の遠近感がトリッキーに絡み合っている。

 

内海さんの展示はギャラリーの内と外がなだらかに溶け合って、森の要素が入って来たような印象を受けました。
僕はグラフィックデザイナーとして数々のカウンターカルチャーシーンの出版物に関わってきた彼の仕事に注目し続けていたのですが、今回の展示は優しさの中にもオルタナティブな視点がひとつ通っている人柄まで感じられる展示だったと思います。

 

マクロビオティック誌の表紙連載していたので、食&ヒーリング関係者には知っている人も多い、水彩画「やさしい楽園」シリーズ。

ゲストとしてお招きできていろいろお話していると、同じ大学の同じ学部出身で、20代にインド・ネパールの旅でカルチャーショックを受け、その後世界を旅しオルタナティヴな道へ、と同じような経歴でまさに先輩と言えるひとだなぁ~と感じました。
中々いないんですよね。

そんな感じで、今年も多くの方のご来場ご参加に感謝を捧げつつ、フェスティバルの成功のご報告に替えさせていただきます。

 

最後に僕らのお手本、神様のアート。

 

 

 


コヅカ・アートフェスティバル2015:宮下昌也のオープンアトリエ展

2015-07-28 | コヅカ・アートフェスティバル2015

アートフェスティバルの間は、庭にあるアトリエ星見亭を解放したオープンアトリエ展を開催しています。

普段は作品の詰まった段ボールが積んである状態の星見亭を、年に一度きれいに片付けて展覧会場にしています。

 

小さなはがきサイズの作品から30号くらいの作品まで展示しています。
普段の展覧会では出さないようなお蔵入り品も、この展示では気軽に並べたりしています。

 

今年はフェスティバルが終わった後も8月31日までは展示しています。
フェスティバル以降は不在時もありますので、いらっしゃる時はお問い合わせをお願いします。

 

こちらテキスタイルを担当したasanaの服たち。
その他、ポストカードやピンバッジなどのアーティストグッズも充実しています。

 

最後は、アートフェス時にはコヅカの森の住人になる写真家・関田君が早朝に来て「森のモビール作り」を体験してくれているところ。
関田君は今年も森の中で素晴らしい写真展を開催しています。今年は迫力あるインドの写真です。

 


コヅカ・アートフェスティバル始まっています!

2015-07-27 | コヅカ・アートフェスティバル2015

25日(土)よりコヅカ・アートフェスティバル始まっています!
毎年ブログで会場の様子をお伝えていたのですが、今年は現実対応に手一杯で情報化が全然出来ていません。
いつもブログ情報をチェックしてくださっている方には申し訳ありません。

お陰様ではじまりの2日間は順調な滑りだしで、リピーターの方も初めての方にも沢山来ていただき、森の中にはあの夏の夢のような時間空間が、今年も出現しています。
今年は9日間で50名を越えるアーティストが参加しています。

コヅカ・アートフェスティバルホームページでご確認下さい。

http://www.kozuka-art.info

FBページで、会場の様子や最新情報などを見ていただけると思いますのでそちらもご覧下さい。

https://www.facebook.com/Kozukaartfestival

 

土日は自分のコーナーから全然出歩けませんでしたが、今日あたりからできるだけ会場を歩いて、このブログでも様子を伝えようと思いますので、またのぞいてください。

 

写真は「房州うちわ絵を描こう!」ワークショップを体験してくれたゲスト作家の内海朗さん。
森の家ギャラリーにて素晴らしい展示をしてくれています。

 

コヅカ・アートフェスティバルは8月2日(日)まで。是非お越し下さい!


コヅカ・アートフェスティバル2015パンフレット完成!

2015-07-15 | コヅカ・アートフェスティバル2015

コヅカ・アートフェスティバル2015初日まであと10日となりました。
アートガーデン・コヅカには、アーティスト達が下見や準備に訪れて、普段静かな山も少しづつ夏の活気が入り始めた感じです。

イベントの詳細を掲載したパンフレットを、先週より各方面に配布しています。
今年はついにA4 8ページの小冊子に成りました。

毎年手間ひま掛けまくって作っているこのプログラム。無料配布していますが、この印刷物も僕たちのアート作品という意識で制作しています。是非お手に取って、細部までじっくりご覧になってください。


入手の難しい方は、こちらよりダウンロード出来ます。

PDF
https://dl.dropboxusercontent.com/u/8331…/Kozuka2015_PDF.zip
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JPG
https://dl.dropboxusercontent.com/u/8331…/Kozuka2015_JPG.zip
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表紙と裏表紙。

 

p2,3はメイン会場アートガーデン・コヅカのマップ。
森の家のギャラリー、今年のゲスト作家はグラフィックデザイナーの内海朗さん。
地元のオイシイ人々が日替わりで登場する森のキッチン、7,000坪の敷地で展開される野外展示などの情報。
ライブは演劇、音楽など6プログラム&more!

 

p4,5はワークショッププログラム。
過去最多の25プログラム。掲載されていないプログラムもありますので、更なる詳細は森の家のエントランスのインフォメーションボードで確認してください。

 

p6,7は近隣のアートマップ。
今年は夏の間に10店舗廻ると割引などの特典がつくスタンプラリーを開催しています!

このパンフレット片手に夏のコヅカにお出掛け下さい!

 

 

 


報告:6月ツアー 後編(高山漫遊展 Ⅱ )

2015-07-01 | 展覧会

浜松→岡崎→春日井と廻った奈良大介さんとの珍道中もここ高山ピースランドで終点。

ピースランドは3年前に始めてライブペイントをして以来、展覧会やライブペイントで毎年訪れているためか、到着した時は我が家に帰った様な安堵感がありました。
この安堵感のせいで絵本屋さん&カフェというお店なのに、何故かしょっちゅう宿泊客がいるという、隠れた旅人のオアシスであり、絶えずカウンターカルチャーシーンの情報が行き交う情報基地でもあります。

 

12日到着後、夜中の飾り付け。

 

流木に描いた小品や中型の絵画作品など、幅の広い展示をしました。

 

13日、初日オープニングのライブペイントwith奈良大介。
奈良さんはここでもアゲアゲに上げてくれて、最後はお約束の飛騨マラ保存会の乱入も。

 

この時のペイント。森と空と海と.....。

 

会期中随時受け付けて大好評だった、ワークショップ「麻でヒンメリを作ろう!」
日本の伝統的工作作物・麻への理解を深めてもらい、自然素材で物を作る楽しさを伝えるクラフトワークショップです。

 



親子で楽しんでくれた方が多くて、嬉しかったです。
親子での物作りは、普段見過ごしているお互いの心に触れるいい機会であり、出来上がった作品は素敵な家族のモニュメントにもなります。

 

高山漫遊展は、アートを通して散歩が楽しい美しい高山市街を散策しよう!というコンセプトの展覧会。
こちら第二会場のみたらし団子専門店福太郎さんのギャラリー。
公開制作で描いた大型の絵画作品を展示。

 

2店舗で同時開催する事によって普通の展覧会より時間や空間に幅が出来、様々な交流が生まれます。
あわわキッチン協力のスタンプラリーもあって、沢山の人が作品を見に廻ってくれました。

 

高山漫遊展開催中、18、19日は高山を抜け出し北アルプスを越えて、安曇野の池田町にある「art+craft吉野屋書店」で2日間の公開制作&展示。そしてライブペイントも行って来ました。

 

1日目、公開制作が始まった場面。
吉野屋書店はオーナーで木工家のクマさんが築150年の元本屋さんだった建物を3年かけてコツコツ改装し(まだまだ改装中)、今年オープンしたカフェギャラリー。

 

2日間の公開制作で完成した30号の作品。
画面には初登場のニホンカモシカ。
実は安曇野に旅立つ日の早朝に高山市街でカモシカに出くわし、この出会いをモチーフに加えました。
それと南房総には無い、険しく高い北アルプスの山並みに強くインスパイアされています。

 

2日目夜のライブペイント。バンドはクマさん率いるAzumix。
打ち込み系のバンドとは初めてのコラボレーションで勝手が分からずドキドキでしたが、緊張感のあるいいライブになりました。

 

平日2日間の展示&パフォーマンスだったにもかかわらず、途切れる事無くお客様に来ていただきました。
これも吉野屋書店のクマさん、みわさんのお陰です。ありがとうございました。

池田町ではロータスカフェがあった頃個展を4回やっているので、その時に来てくださった方達にも沢山お会いできました。

 

ライブで完成した絵と一緒にAzumixのメンバーと記念撮影。
この後も余韻覚めやらず、夜中までカフェは賑わっていました。

吉野屋書店では来年6月に本格的に個展を開催する約束をし、再び標高1450mのトンネルのある安房峠を越えて高山に戻りました。

 

 

高山では21日に友人のミュージシャン・マッキーこと牧島竜也君が、年に1回自宅を開放して開催している「小さな暮らしのマーケット」で公開制作を行いました。

当日朝は雨模様で、9時スタートのイベントなのに8時を過ぎても出店者が一人も来ない!...のでどーなることやら、と思いましたがひとりふたりと出店準備が始まり、公開制作を始めてしばらくしてから、ふと後ろを振り向くと子供たちは駆け回り、お店にも沢山の人だかりが.....。

赤ちゃんを抱いたお母さんや子連れのファミリーの方が多い素敵なイベントでした。


我が家も3人子育てをして思うのですが、特に小さい子供のいるお母さんには、こういったイベントを介して生まれるコミュニティが大切だと思います。マスメディアや学校では伝えない、生活についての生き生きとした情報が行き交っていました。

 当日の様子はマッキーの奥さん麻子ちゃんがブログで伝えています。
http://sunnilyvalley.jugem.jp/?eid=124


一日の様子がとても良く伝わってくる写真で公開制作の進行もよくわかるので、そのほとんどを拝借して一挙掲載する事にしました。麻子ちゃん、ありがと。

 

   

    

  

  

  

  

  

  

   

   

 

 

 

そんな感じで展覧会も最終日まで多くのお客様に来ていただき、全てを終えて夜中に搬出していたら、僕の車の前になんとまたカモシカが立っていたり(たぶん数日前に見たのと同じ個体)、こうして帰ってから回想すると奇跡のような3週間だったなぁ....、と思います。

 今回のツアーで強く感じた事のひとつに、十年くらい前から様々な市民活動の場で言われているキーワード「つながり」とか「つながろう!」という言葉が、既に「つながっている。」に成っている、ということ。そして、このオルタナティヴネットワークの広さ、深さ、力強さにとても希望をもらいました。

この3週間に非常に沢山の小さな物や情報や金銭が、僕を介在して行ったり来たりしました。そういったエネルギーの流れに身を任せる様に、ぐるっと廻って住み家である鴨川の山の中に着地しました。
ひと心地着き、このツアーで得たものを今後の生活や美術活動に生かす日々が始まります。

この後はコヅカ・アートフェスティバルまで、里山整備とアートまみれの日々が続きます。

改めて、6月ツアーで出会えた全ての人たちへ、大きな大きな感謝を捧げます。
ありがとうございました。


宮下昌也と巡る悠久の旅