第17回遠州横須賀街道ちっちゃな文化展、今年はお天気に恵まれた素敵な三日間でした。
今年で9回目の参加,6月の駒ヶ根「くらふてぃあ・杜の市」と並んで、もう長~いお付き合いのアートイベントです。
100名以上のアーティストが入り込み、会場となる街全体の空気もすっかりお祭りムードが定着して、毎回思いますがこんなアートイベント他に無いです。っていうか、こんな街、他に無いです。
もう,この場所でのセッティングもすっかり慣れてきしました。
伊勢屋さんのガレージスペースでの公開制作も定着して来て、いつも皆さんに沢山お声をかけていただきます。
ここで描いていると会場の空気感が良く分かります。
街の人たちがすっかりアート慣れをしているので、会話も技法的な事から創作に対する精神性のあたりまではずむ事もしばしば。
特に街の子供たちが素晴らしいです。
小学生が会場を走り回ってお気に入りのアーティストと会話したり、高校生が芸術鑑賞の授業で廻ってきたり、今の高校生は生まれた時からちっちゃな文化展が開催されていた訳で、この17年間に町全体の芸術文化に対する考え方はきっと大きく変貌したんだろうなぁ、と思います。
子供たちは歯に衣を着せないから、この街で一番厳しい批評者かもしれません。
僕のところにも制作の進み具合を何回も見に来てくれる子達がいて、「夜は音楽と絵を描くライブペインティングするよ!」って誘ったらお母さんつれて見に来てくれて、嬉しかったです。
でも、最前列に陣取って「飽きたら帰ろうね....」って友達とひそひそ話してたりします。キビシーなぁ.....。
お客様が撮ってくれた写真。
完成間近。
40号、三日間の公開制作。天翔る大きな大きな鳳凰。
こちら伊勢屋さん二階のkuriとの展示空間。
去年はイギリス行ってて会えなかった。
ますます魔女っこ街道まっしぐらのmihoちゃん。
katsuちゃんと打ち合わせ中。
このスペースは普段使われていない私設ダンスホール。
かなりボロボロで、年々壁の穴がひどくなって来ている。絵の下の大穴に花を生けたkatsuちゃんの遊び心。
kuriとのライブペインティング。
モチーフはグラストンベリーの伝説に基づく光と泉。
子供たち、なんとか飽きずに最後まで見ていてくれました。
ところで今回の静岡ツアー、表現の場はちっちゃな文化展だけでしたが、その前後友人宅を訪ね、その流れが偶然にもふたつの聖域をつなぐ旅となってしまったのでその様子も報告します。
この旅の始まりは巨石で、終わりは巨木でした。
まずは巨石です。
こちらの方は昨年訪ねた藤枝のびく石、前回は山頂まで登り損ねたので今年はリベンジに訪れました。
山頂までの道、ほんと最近は家にいても旅に出ても山の中ばっかりです。
これがびく石。
比較対象物が無くて大きさが分かりづらいけど、二階建ての家くらいの高さ。
びく石山山頂は、他にも巨石がゴロゴロしています。
しばらくこの中でゆっくりして、気持ちをチューニングしてちっちゃな文化展会場に向かいました。
伝説ではデイダラボッチが琵琶湖のあたりの土を掬って富士山を作った時に落っこちた岩がこの山の巨石群だとか....。
規模がでかくて楽しいなぁ。
そして巨樹の方は旅の終わりに、コヅカ・アートフェスにゲスト作家で来てくださった内海さんを訪ねた春野町で「移住するきっかけになった木を見に行こう。」と連れて行ってもらいました。
県指定の特別天然記念物・春埜杉。樹齢1300年と言われているそうです。
この木に近づく間震えが止まりませんでした。
巨樹は好きで見に行きますが、こんな事は初めてでした。
木の南側にもたれかかってやっと落ち着いて来て、ゆっくりと見上げる事が出来ました。
写真ではその迫力は伝わり辛いと思いますが....。
春埜杉は養老2年(718)に開かれたと伝える古刹・大光寺の境内に有り、開山の行基菩薩(668~749)が植えたとされ、それが推定樹齢の根拠になっているようですが、春野のある北遠地方は天狗信仰のメッカで、この山も太白坊大権現という癒しを司る天狗が守護神。
霊山としては仏教以前にまで遡れそうで、春埜杉ももっと樹齢があってもおかしくないかも。屋久杉を見て来た人が屋久杉より大きいと言った話もあるそうですから。
大光寺本殿。
狛犬が山犬だ!
阿がメスで
吽がオス。
ご本尊に閻魔様が祀られているのも珍しいかも。
でも,秘仏でほとんど拝めないらしい。
開祖の行基菩薩は地元では行基さんと親しまれ、中部では信仰が厚い聖者です。