宮下昌也の近況報告    MASAYA MIYASHITA 's News

美術家・宮下昌也の展覧会、ライブペインティングなどの活動情報と
南房総、鴨川の日々の生活から最新情報を掲載しています。

お知らせ:ワークショップ@パンガナイト

2015-02-17 | ワークショップ

今度の日曜日、2月22日にいすみ市のブラウンズフィールドで開催されるパンガナイトで、クラフトワークショップを開催します。
ブラウンズフィールドでのパフォーマンスは2009年の個展以来なので、6年ぶりです!

 

 

パンガナイトは、房総パンフェスということで「かまどの火」の広子さんが参加することになっていたのですが、僕の方にもお声掛けを頂き、ワークショップを!ということだったので、「人と自然をつなぐクラフトワークショップ」の一番新しいプログラム「麻でヒンメリを作ろう!」を選びました。

 




「麻でヒンメリを作ろう!」は、昨年6月に栃木県鹿沼市で開催された第3回日本麻フェスティバルで発表した、フィンランドの伝統的なモビール・ヒンメリを、日本の伝統工作作物・麻で再現するプログラムです。

素材として使う麻の茎を乾燥させたオガラは、鹿沼市で八代続いている麻農家から分けていただいている物を使用します。このオガラは、麻の繊維を剥いだ後のもので、産地ではわりと余り物なのです。
このオガラを使って作ったヒンメリは麦わらの繊細なヒンメリと違い、丈夫な事が一番の特徴です。
我が家ではもう8ヶ月間、軒下に掛けていますが未だに壊れません。
麻ヒンメリは、この丈夫さがオリジナルに無い、新しいヒンメリの魅力を生み出します。

自然素材でのもの作りの楽しさと、忘れられた工作作物・麻の魅力を伝える事をメッセージとしたワークショップ・プログラムなのですが、展開して行くうちに、オリジナルの麦わらヒンメリとは全く違う麻ヒンメリの世界が出来あがりつつある、僕のプログラムの中で、今一番熱いワークショップでもあります。

 

麻フェスティバルの時は、親子連れの受講者の方も沢山いました。
オガラに糸を通して行って最後に多面体が立ち上がる瞬間は、ちょっと感動します。

また、本来は1時間は掛けてもらいたいワークショップなのですが、食のイベントの早い流れに対応して、今回時間別に30分コース、1時間コース、2時間コースを用意します。

会場はブラウンズフィールドの真ん中にあるゲストハウス小屋。
開場時間の10時より随時受け付けていますので、沢山の方のご来場をお待ちしています!

 

 


報告:日本麻フェスティバルでの展示&ワークショップ

2014-07-01 | ワークショップ

栃木県鹿沼市で開催された第3回日本麻フェスティバで、野州麻紙工房・大森さんのカフェギャラリー納屋にて展示とワークショップを行ってきました。

江戸時代から続く大麻農家が15件集中してある永野地区のコミュニティセンターや小学校体育館で、麻に関しての講演や展示などが行われ、ギャラリーにも多くの人が訪れるこの時に合わせ、大森さんがセッティングしてくれた今回の展示とワークショップ、本当に沢山の方との出会いがありました。

 


古材を使い、壁紙は自分で漉いた麻紙を使用したギャラリー納屋。照明も全て大森さんの作品です。

 


開放的な広い空間。フェスティバ中は沢山のお客様で賑わいました。

 


麻紙の壁に絵が映えます。

 


奥は野州麻紙工房の常設ギャラリー。



麻紙の他、大麻繊維など種から育て、手を掛けて作られた製品の数々が展示されています。

 


今回の僕の目玉はこれです!
大森さんの育てた麻のオガラで作るヒンメリのワークショップ。
以前「オガラで何か出来ないでしょうかね.....?」と問いかけられてからずっと考えていたワークショップですが、試作を重ね今回初公開です!
ヒンメリは麦わらで作るフィンランドの伝統装飾品ですが、それを繊維を剥いだ後の大麻の茎を乾燥させたオガラで作る事で、麻に触れる機会を作り、理解を深めてもらうためのワークショップです。

 


ギャラリー二階のちょっと屋根裏部屋っぽい、居心地のいい桟敷スペースで終日受け付けていましたが、途切れる事無く受講者が訪れてくれました。
制作時間30分~1時間程度のワークショップとして設定しましたが、もっと複雑なものが作りたいと2時間かけて作って行った方もいました。

 


親子連れのお客様も多く、子供たちが楽しんでもらえる空間を作れた事が嬉しかったです。
近隣の農家のファミリーの方が、オガラのことををオンガラと呼んでいて、そう言った方言の事や、以前は実家でも育てていた事などを伺いました。

麻フェスティバルには農業、食品、ファッション業界の関係者、アーティスト、それから神道関係の方たちなど、若者から年配の方まで本当に色んな人が来ていて、麻に対して様々な方面から高い関心が寄せられている事を肌で感じました。
そう言った方達とワークショップの合間に様々な情報交換もでき、興味深い話も多かったです。

 


今年この地区の大麻は例年以上の出来らしく、このまま順調にいけば豊作とのこと。でも収穫前に数時間の雹で畑が全滅した経験もある、と大森さん。

 


社会システムが複雑すぎて大元が理解しづらい世の中ですが、日々の生活の中で僕らが手にする物は、人の手を経て大地から生まれた物である事を、栽培地で生産された作物を使ってのワークショップで感じてもらえたのでは?と思っています。
縄文時代の遺跡から利用の痕跡が発見されている、日本古来の栽培植物である麻の良さ、歴史を理解する事は、物つくりの原点、基本を理解する事につながる、と感じています。



 

 

 

 


幼稚園の先生たちの研修会

2014-06-25 | ワークショップ

昨年10月に千葉市の幼稚園で行ったワークショップが好評だったようで、今度は幼稚園の先生たちの研修会に講師として呼んでいただき、「子供のためのワークショップ~発想と実技」というタイトルで講演とワークショップを行って来ました。

僕のワークショップは大人向けも子供向けも「受講者をいかに自由にさせられるか」という事にもっとも気を使うのですが、只々自由に!と言うとワークショッ プとしては成り立たなくなってしまうので、まずワークショップ自体の目的の設定から始まって、始めの導入とか、全体の流れの中のある程度の仕切りなどの加減を伝える内容にし、前半は2001年から行って来た様々なタイプのワークショップの実践についての話をし、後半は先生たちに園児の気持ちになってもらって、昨年行ったワークショップの内容を追体験してもらいました。


約50人の先生たちに大画面に思い思いに絵を描いてもらいました。

 


やはり皆さん大人なんで、園児たちの絵に比べると何処かしら制御が効いているというか、うまくまとまっています。

 


なんかどの絵も、とっても可愛い!

 


自由に、好き勝手に描く、という体験は大人になるとあまりない様なので、その感覚を少しでも思い出してもらえたかな?と思っています。




アートガーデン・コヅカの「森のクリスマス」

2013-12-10 | ワークショップ
このところ山から一歩も下りず「里山花鳥風月暦」を作り続ける日々です。
日にちがちょっと前後しますが、12/1にアートガーデン・コヅカで開催されたファミリーエコツアー「森のクリスマス」の様子を、アートガーデンオーナー・来嶋さんの写真で報告します。


「森のクリスマス」は金束地区との交流を続けている横浜市港北区のマンションのフレンドリークラブによる3年目になるクリスマスイベント。今年は約50名の参加者で賑わいました。僕の担当はクリスマスリース作りワークショップ。森に入ってリースの素材になる蔓や木の実を集めることからはじめます。まずは参加者に森に入るためのガイダンスを行います。


その後、各自森に入って蔓とりをします。初めは「何処に蔓があるの~?」と言っている参加者もちょっとサポートしてあげると、次々に素材を見つけはじめます。只眺めていても見えないディティールが、直に野山にふれる事で見え始める。クラフトワークを通して自然に対する観察眼が養われていくことを実感します。
また、蔓とりは木のためにも良いので、このワークショップ自体が里山整備にもなっています。作業として捉えると大変な事を遊びに還元してしまう、「人と自然をアートでつなぐ」をテーマとして掲げるアートガーデン・コヅカの真骨頂です。


集めた素材をバルコニーに集めて、創作開始。


蔓を巻き付けて土台が完成!ここに葉っぱや木の実を付けて行きます。


リース作りの他にも、皆でお昼ご飯を作ったり、ピザ窯で自分でトッピングしたピザを焼いたりと食の楽しみも充実しているプログラム。ピザ生地はかまどの火が担当。なんと1日で60枚も焼きました。


薪割りはお父さん達が活躍。子供達も興味津々。こんな作業も都会の人にはリクリエーション。


出来上がったリースを並べて記念撮影。それぞれが個性的で、毎年楽しみなこの場面。
今年は一段と皆さんやる気満々で完成度高し!帰る寸前まで手を加えている人も結構いました。この日は一日気候も穏やかで、最後の子供達のプレゼント交換まで、皆さん笑顔の良い1日でした。


ワークショップ中はサポートに追われて自宅分を作る事が出来なかったので、後日作った我が家のリース。
これで年末を迎える準備がひとつ整ったかな......。

幼稚園でお絵描きワークショップ

2013-10-24 | ワークショップ
先日千葉市にある聖母マリア幼稚園で子供達と大きな絵を描くワークショップを行って来ました。


保護者方や先生方と話し合って、この日のワークショップカリキュラムは大きな画面に子供達にのびのびと自由に描く事を体験してもらう事と、出来上がった絵を11月のマリアフェスティバルで展示する作品に仕上げる事との両立が課題でした。
子供達が描く気になってくれるかな?という保護者方の心配をよそに、登園時から子供達は描く気満々。園児のお父さんが作ってくれたパネルに張った大きな紙に迷うこと無く次々と色を載せていました。


僕も子供達に混じって一緒に描いて行きます。小さい子供に好きに描かせるワークショップは、体験としては素晴らしいものになりますが、作品として鑑賞出来るものになりにくいので、僕が子供達と同じ視線で手を加えて画面のバランスを取って行きます。大人が一緒に描く事で子供達もより安心して好き勝手に描きはじめてくれます。


一人で描きたい子達のためには、小さな紙も沢山用意してもらいました。


聖母マリア幼稚園は園児が約200人、3つのグループに分かれてそれぞれ大きなパネル1枚ずつ描いてもらう予定でしたが、始まってみると圧倒的な園児のパワーに画面が全然足りず急遽画面を倍に増やしました。


約1時間で完成。


全部で8枚の大画面が描き上がりました。小さな絵も数えきれないくらい描き上がりました。

今回のワークショップは保護者方の熱意と園の理解と積極的な協力で、大変良い形が実現出来たと思っています。サポートしてくれた皆さん、本当にありがとうございました。

宮下昌也と巡る悠久の旅