鳩山首相がアメリカへ出発しましたね。早くも、中国の胡錦濤国家主席との会談が行われて、東アジア共同体構想の提案や、東シナ海を「いさかいの海」から「友愛の海」に変える構想など、鳩山首相らしい提案がなされているようです。
今後、鳩山首相の他の国々の首脳との初会合や、国連総会での初演説も楽しみなのですが、特に、9月24日~25日にアメリカのピッツバーグで開催されるG20への初参加が注目されるところです。
そのG20、今回の首脳会談では「世界経済の持続的成長と金融・経済危機の再発防止」が重要なテーマになるわけですが、私が個人的に注目しているのは次の2点です。
1.金融機関の報酬制限
昨年来の金融危機で、倒産したり政府の管理下に入った米国の金融機関の経営者やディーラーたちが、それでも莫大な金額の報酬・退職金を得ていたことが大きなニュースになりましたね。そもそも、経営者に対する法外な報酬やストック・オプションが、米国の企業経営を株主優先の、短期的な利益誘導型に変質させてしまったわけです。特に、(莫大な資金を操る)金融機関の場合には、それによって国際金融・経済に深刻な影響を及ぼしてしまう(今回の世界危機がいい例です)わけですから、G20が金融機関の報酬制限を検討するのは当然のことでしょう。
早くもウォール街の強欲性が復活の兆しを見せている中で、今回のG20がどこまで実効性ある報酬制限メカニズムを論議し、合意できるか注目です。
(巨額報酬早くも復活の気配:http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/1388)
(ウォール街の復活:信用危機直前以来のペースでレバレッジ拡大中)
2.トービン税の導入(投機的短期資金の制御)
新自由主義に基づくアメリカ発のグローバル化の特徴は、金融自由化を(強引に)世界的規模で進めて、アメリカ金融資本が世界中を自由に動き回れるようにしたことにあると思います。それによって、巨額の投機資金が世界各地に流れ込んでバブルを発生させ、そして儲けるだけ儲けて逃げ出すことでバブルを破裂させて来たのです。
(トービン税解説:http://altermonde.jp/tobin1_html)
今日付のニュースでは、ドイツのメルケル首相が「今回のG20で合意できると思わない」旨の発言をされていると報道されています。まあそう簡単には合意できないでしょうね。しかし、トービン税がG20の場で議論されること自体、一つの大きなステップだと思います。
皆さんは、金融機関の報酬制限や、トービン税の導入についてどういうお考えをお持ちですか? ぜひご意見をお聞かせ下さい!
今や、G8に代わって国際政治・経済の主役に躍り出た感があるG20ですが、今回は鳩山首相のデビューの場でもあるということで、特に注目したいですね。また、鳩山首相が上記の二つの議題についてどういう発言をされるのか、楽しみなところです。