石橋みちひろのブログ

「つながって、ささえあう社会」の実現をめざす、民主党参議院議員「石橋みちひろ」の公式ブログです。

気になるブログ記事から~「空求人」って?

2010-12-23 22:48:30 | 活動レポート
今日、いつもフォローをしている「労務屋ブログ」さんのエントリーで、非常に気になる記事を見つけたのでちょっとご紹介。

その記事、元ネタはこちらの「空求人」というブログ記事。詳しくは読んでいただければと思いますが、要は、国が一体的に運営している無料の職業紹介所、ハローワークの求人に、そもそも実際に求人する意志のない企業からの求人情報がエントリーされていて、求職者がそれに応募しても時間と労力のムダに終わるだけ、という内容です。

折しも、11月30日に厚生労働省から発表された2010年10月の有効求人倍率は、前月より0.01ポイント高い0.56倍を記録して、6カ月連続の改善になっています。そもそも有効求人倍率というのは、ハローワークで仕事を探す人1人あたりに何件の求人があるかを示しているわけです。10月の数字では、特に景気の先行きを示す「新規求人倍率(季節調整値)」が0.93倍を記録して前月を0.02ポイント上回り、「確実に改善している」という説明がつけられています。

しかしここで注意が必要なのは、この有効求人倍率の数字はあくまで「求職者一人あたりの求人数」を示しているに過ぎないということです。つまり、実際にハローワークを通じて就職をした人の数、特にフルタイムの正社員として採用された人の数を出したものではない、ということですね。本来は、その数字もセットで出すべきだと思うのですが、何らかの理由でそれは明らかにされていません。

結局、有効求人倍率が改善を続けているにもかかわらず、それが失業率の改善へとつながっていかないということであれば、それは休職者と求人との間の『ミスマッチ』(スキルまたは条件の不一致)が広がっているということか、もしくは求人そのものに何らかの問題がある、つまり上記の『空求人』のような問題がある、ということになります。

厚生労働省も、雇用情勢の厳しい折、なんとか多くの求人を確保して、頑張って活動を続けている休職者の皆さんにより多くの選択肢を提供したいと努力を続けているのだろうと思います。しかし一方で、もしこのブログ記事が引用しているような「空求人=おつきあい求人」が少なからず存在するとすれば、それはこの無料の公共職業紹介システムという貴重な制度にとって不幸なことで、引いては、利用者である求職者の皆さんと求人企業の皆さん方にとって大変不幸なことです。

いろいろと批判もありますが、誰もが無料で利用できる公共の職業紹介システムは必要ですし、問題点があればそれを改善してより良い制度、より信頼されるシステムを作っていかなければなりません。この点、厚生労働省の担当課ともあらためて話しをしてみたいと思います。