ちょっと時間が経ってしまいましたが、先週行った『NHK放送技術研究所(技研)』視察の模様を報告しておこうと思います。
そもそもこの企画を提案してくれたのは、先輩である藤末健三・参議院議員。今、私の所属する参議院総務委員会で民主党の筆頭理事をされています。昨年7月以降、情報通信や放送、さらには科学技術や研究開発といった分野で、藤末さんといろいろと意見交換をさせていただいているのですが、とりわけ、「私たちは10年後の『放送と通信の高度融合化社会』を見据えた世界戦略をしっかりと確立していかなければならない!」という意見で盛り上がっているところなのです。
今回もそんな話しの中から、ぜひ一度、NHKの最新の研究開発を見ておこう!ということになって実現したものです。訪問したメンバーは、私たちの他に橋本博明衆議院議員(広島3区選出)と、岸本周平衆議院議員(和歌山1区選出)。実は、原口一博・前総務大臣(現・衆議院総務委員長)も一緒に参加する予定だったのですが、総務委員会の理事懇が急遽、飛び込んできたためにドタキャン。残念ながら、今回は不参加となりました。
NHKの技研は、東京世田谷区の「砧(きぬた)」という所にあります。「こんな閑静な住宅街に研究所?」と、びっくりしてしまいましたが、なんと、研究所の開所は第二次世界大戦前の1930年のこと。とっても歴史のある研究所なのです。
視察では、まず会議室で研究所の皆さんにご挨拶。そして技研の概要について、資料を基にご説明いただきました。
続いて「百聞は一見にしかず」ということで、研究開発中の技術を見にいきました。この日、見せていただいたのは:
・スーパーハイビジョン(SHV)
・次世代地上放送に向けた伝送技術(大容量伝送)
・スーパーハイビジョン放送局内ネットワーク
・放送通信連携サービス「Hybridcast」
です。
何と言っても、『スーパーハイビジョン』のデモが凄かった! 今のハイビジョンの16倍という3,300万画素の超高精細映像と、22.2マルチチャンネル音響システムで、スクリーンに映った映像というよりは、まるでその場で実際に見ているかのようなもの凄い臨場感です。実際、絵が浮き上がって見えるんですよ。3Dのように立体感があるんです。3D映像ではないのに・・・。それだけ高精細だってことなのですね。
そして、そのスーパーハイビジョン用のカメラがこれ。
何せ、ハイビジョンの16倍もの情報量ですから、カメラもでかい! ただ、この写真のカメラはすでに第3世代で、初代から比べると大幅に小さく、そして軽くなっているのだそうです。ただ、従来までのカメラではフルスペックのスーパーハイビジョンを撮影することが出来なかったとのこと。この最新カメラが初めて、スーパーハイビジョン画像をフルスペックで撮影できるようになったそうで、重量は前のモデルよりは重くなってしまったとか。ただ、これからも小型化・軽量化に努めていくそうなので、そのうち今のカメラと同じように肩に担いで撮影出来るレベルになることでしょう。
さて、今回の技研視察で一番感心したことは、何と言っても「長期的な研究開発努力」です。
今、ようやく「当たり前」になってきたハイビジョンですが、技研での研究開始はなんと、1964年のことです。そして、スーパーハイビジョンの研究は、1995年に始められています。今のところ、スーパーハイビジョンが一般に普及し始めるのが2025年頃ということになっていますから、そうすると商用化まで30年です。それだけ長い時間をかけて研究開発を行い、世界に誇る技術やサービスを開発していく、これは純粋に商業ベースの民間企業ではなかなか出来ることではないでしょう。公共放送の研究機関だからこそ、そして公共放送と共にある研究機関だからこそ、基礎から実用化まで一貫した研究開発を長期的なビジョンで行うことができるわけですね。
だからこそ、10年後の「2020年代」には、このスーパーハイビジョン技術と、それを伝送する通信ネットワーク技術、そしてその上に乗っかるさまざまなコンテンツ・上位レイヤーサービスとセットで、日本の技術が世界市場を席巻して欲しい、そんな大きな期待を抱かせてくれた視察でした。毎年5月には、技研の研究成果が一般にも公開される(今年は5月26日から29日だそうです)そうですから、興味のある皆さんはぜひ訪れてみて下さい。
以上、NHK技研視察の報告でした。当日お世話になったNHK放送技術研究所の皆さん、どうもありがとうございました!
そもそもこの企画を提案してくれたのは、先輩である藤末健三・参議院議員。今、私の所属する参議院総務委員会で民主党の筆頭理事をされています。昨年7月以降、情報通信や放送、さらには科学技術や研究開発といった分野で、藤末さんといろいろと意見交換をさせていただいているのですが、とりわけ、「私たちは10年後の『放送と通信の高度融合化社会』を見据えた世界戦略をしっかりと確立していかなければならない!」という意見で盛り上がっているところなのです。
今回もそんな話しの中から、ぜひ一度、NHKの最新の研究開発を見ておこう!ということになって実現したものです。訪問したメンバーは、私たちの他に橋本博明衆議院議員(広島3区選出)と、岸本周平衆議院議員(和歌山1区選出)。実は、原口一博・前総務大臣(現・衆議院総務委員長)も一緒に参加する予定だったのですが、総務委員会の理事懇が急遽、飛び込んできたためにドタキャン。残念ながら、今回は不参加となりました。
NHKの技研は、東京世田谷区の「砧(きぬた)」という所にあります。「こんな閑静な住宅街に研究所?」と、びっくりしてしまいましたが、なんと、研究所の開所は第二次世界大戦前の1930年のこと。とっても歴史のある研究所なのです。
視察では、まず会議室で研究所の皆さんにご挨拶。そして技研の概要について、資料を基にご説明いただきました。
続いて「百聞は一見にしかず」ということで、研究開発中の技術を見にいきました。この日、見せていただいたのは:
・スーパーハイビジョン(SHV)
・次世代地上放送に向けた伝送技術(大容量伝送)
・スーパーハイビジョン放送局内ネットワーク
・放送通信連携サービス「Hybridcast」
です。
何と言っても、『スーパーハイビジョン』のデモが凄かった! 今のハイビジョンの16倍という3,300万画素の超高精細映像と、22.2マルチチャンネル音響システムで、スクリーンに映った映像というよりは、まるでその場で実際に見ているかのようなもの凄い臨場感です。実際、絵が浮き上がって見えるんですよ。3Dのように立体感があるんです。3D映像ではないのに・・・。それだけ高精細だってことなのですね。
そして、そのスーパーハイビジョン用のカメラがこれ。
何せ、ハイビジョンの16倍もの情報量ですから、カメラもでかい! ただ、この写真のカメラはすでに第3世代で、初代から比べると大幅に小さく、そして軽くなっているのだそうです。ただ、従来までのカメラではフルスペックのスーパーハイビジョンを撮影することが出来なかったとのこと。この最新カメラが初めて、スーパーハイビジョン画像をフルスペックで撮影できるようになったそうで、重量は前のモデルよりは重くなってしまったとか。ただ、これからも小型化・軽量化に努めていくそうなので、そのうち今のカメラと同じように肩に担いで撮影出来るレベルになることでしょう。
さて、今回の技研視察で一番感心したことは、何と言っても「長期的な研究開発努力」です。
今、ようやく「当たり前」になってきたハイビジョンですが、技研での研究開始はなんと、1964年のことです。そして、スーパーハイビジョンの研究は、1995年に始められています。今のところ、スーパーハイビジョンが一般に普及し始めるのが2025年頃ということになっていますから、そうすると商用化まで30年です。それだけ長い時間をかけて研究開発を行い、世界に誇る技術やサービスを開発していく、これは純粋に商業ベースの民間企業ではなかなか出来ることではないでしょう。公共放送の研究機関だからこそ、そして公共放送と共にある研究機関だからこそ、基礎から実用化まで一貫した研究開発を長期的なビジョンで行うことができるわけですね。
だからこそ、10年後の「2020年代」には、このスーパーハイビジョン技術と、それを伝送する通信ネットワーク技術、そしてその上に乗っかるさまざまなコンテンツ・上位レイヤーサービスとセットで、日本の技術が世界市場を席巻して欲しい、そんな大きな期待を抱かせてくれた視察でした。毎年5月には、技研の研究成果が一般にも公開される(今年は5月26日から29日だそうです)そうですから、興味のある皆さんはぜひ訪れてみて下さい。
以上、NHK技研視察の報告でした。当日お世話になったNHK放送技術研究所の皆さん、どうもありがとうございました!