皆様こんばんは。
本日は四谷大塚で開催されていた、全4回の子供囲碁入門教室の最終日でした。
面白い事もあったのですが、後日改めてレポートします。
本の原稿の締め切りが明後日なので現在大ピンチです
しかし時事ネタは外す訳にはいきません。
本日は2016ジャステック杯国際新鋭囲碁対抗戦の2日目が行われました。
日本チーム対台湾チームの対戦結果は4対4の引き分けでした。
実力通りなら勝ち越せると思っていましたが、勝負はなかなか予定通りにはいきませんね。
さて、本日ご紹介するのは余正麒七段と林立祥七段の対局です。
先日王座挑戦を決めた余七段は安定した強さを発揮しており、本局も勝って2連勝となりました。

途中から白番の余七段が主導権を握り、良い流れが続いています。
黒△と打たれた場面、白1と黒2の交換をしましたが本線は右上の戦いです。
次に白Aと打つ手がまず目に付きます。

白1に黒2と受けてくれれば、一本道で黒8までとなります。
黒を団子にする一方で白は鉄壁を築き、理想的な結果です。
しかしこれは期待できません。

白1には黒2から、白の薄みを衝いて反撃して来ます。
黒4の後・・・

白1と押さえる一手ですが、黒2のコウ取りが先手で黒4と切られます。
白Aと繋げば黒Bで4子を取られてしまいます。
しかしもしも予めBに白石があったら・・・という発想が実戦の進行に繋がります。

実戦は白1のツケ!
素晴らしい一手で、手筋の見本と言って良いでしょう。
黒Aと遮りたくなりますが、白はそれを誘っています。

黒1と打ってくれれば、自然に白2に石を持ってくる事ができます。
そしてここで白4を決行!

すると先に出した図と同じように進みます。
次に黒Aから白を取りに行くのも同じです。
しかし白△が加わっているのが大きな違いです。

黒1、3と取りに行きますが、白△の働きでアタリになっていないのがポイントです。
攻め合いで一手違うのは大変で、この後・・・

白1から3でコウを仕掛ける手段が生じます!
コウ材は白5、もし黒が受ければコウを取り返し、黒からのコウ材はありません。
左下隅で白△を打っているのがポイントで、黒からのコウ材を予め消しています。
もちろん白の予定通りでしょう。

黒1とコウを解消するのは止むを得ず、振り替わりの結果は白勝勢でしょう。
余七段らしい深い読みでした。
・・・という事で合っているでしょうか?
余七段と違って私の読みは穴だらけなので、本人が見たら違うと怒られるかもしれませんね

白1に対して黒2なら、先述のシメツケを決めて十分です。
後はヨセに回って白楽勝でしょう。

という事で実戦は白△のツケに対して、黒1、3とシメツケを嫌って変化しました。
しかし白は隅へ大きく食い込み、これも大きな戦果です。
この後黒が玉砕に出ましたが、間違い無く対応して勝ちを決めました。
余七段の充実ぶりが表れた一局だったと思います。
なお、中国チームは韓国チームを5対3で下し、2連勝となって早くも優勝が決まりました。
一般の世界戦でも活躍する実力者を揃えた中国チーム、流石の強さです。
もはや優勝は無いとはいえ、最強チームに挑む事は大いに意義があります。
明日の日本チームの奮闘を期待しましょう!
本日は四谷大塚で開催されていた、全4回の子供囲碁入門教室の最終日でした。
面白い事もあったのですが、後日改めてレポートします。
本の原稿の締め切りが明後日なので現在大ピンチです

しかし時事ネタは外す訳にはいきません。
本日は2016ジャステック杯国際新鋭囲碁対抗戦の2日目が行われました。
日本チーム対台湾チームの対戦結果は4対4の引き分けでした。
実力通りなら勝ち越せると思っていましたが、勝負はなかなか予定通りにはいきませんね。
さて、本日ご紹介するのは余正麒七段と林立祥七段の対局です。
先日王座挑戦を決めた余七段は安定した強さを発揮しており、本局も勝って2連勝となりました。

途中から白番の余七段が主導権を握り、良い流れが続いています。
黒△と打たれた場面、白1と黒2の交換をしましたが本線は右上の戦いです。
次に白Aと打つ手がまず目に付きます。

白1に黒2と受けてくれれば、一本道で黒8までとなります。
黒を団子にする一方で白は鉄壁を築き、理想的な結果です。
しかしこれは期待できません。

白1には黒2から、白の薄みを衝いて反撃して来ます。
黒4の後・・・

白1と押さえる一手ですが、黒2のコウ取りが先手で黒4と切られます。
白Aと繋げば黒Bで4子を取られてしまいます。
しかしもしも予めBに白石があったら・・・という発想が実戦の進行に繋がります。

実戦は白1のツケ!
素晴らしい一手で、手筋の見本と言って良いでしょう。
黒Aと遮りたくなりますが、白はそれを誘っています。

黒1と打ってくれれば、自然に白2に石を持ってくる事ができます。
そしてここで白4を決行!

すると先に出した図と同じように進みます。
次に黒Aから白を取りに行くのも同じです。
しかし白△が加わっているのが大きな違いです。

黒1、3と取りに行きますが、白△の働きでアタリになっていないのがポイントです。
攻め合いで一手違うのは大変で、この後・・・

白1から3でコウを仕掛ける手段が生じます!
コウ材は白5、もし黒が受ければコウを取り返し、黒からのコウ材はありません。
左下隅で白△を打っているのがポイントで、黒からのコウ材を予め消しています。
もちろん白の予定通りでしょう。

黒1とコウを解消するのは止むを得ず、振り替わりの結果は白勝勢でしょう。
余七段らしい深い読みでした。
・・・という事で合っているでしょうか?
余七段と違って私の読みは穴だらけなので、本人が見たら違うと怒られるかもしれませんね


白1に対して黒2なら、先述のシメツケを決めて十分です。
後はヨセに回って白楽勝でしょう。

という事で実戦は白△のツケに対して、黒1、3とシメツケを嫌って変化しました。
しかし白は隅へ大きく食い込み、これも大きな戦果です。
この後黒が玉砕に出ましたが、間違い無く対応して勝ちを決めました。
余七段の充実ぶりが表れた一局だったと思います。
なお、中国チームは韓国チームを5対3で下し、2連勝となって早くも優勝が決まりました。
一般の世界戦でも活躍する実力者を揃えた中国チーム、流石の強さです。
もはや優勝は無いとはいえ、最強チームに挑む事は大いに意義があります。
明日の日本チームの奮闘を期待しましょう!