木曜日は棋士の手合日です。
それでは本日も幽玄の間で中継された棋譜をご紹介・・・ではありません。
本日は私も3か月ぶりに対局しました。
これだけ間が空くと自分もプレイヤーである事を忘れそうになりますね![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/face_ase2.gif)
それでは振り返っていきましょう。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/11/1a/f2603fcbb1f0b3b691e2d149ef7e83f9.jpg)
1図(テーマ図)
私の白番、黒はアンティ トルマネン初段です。
アンティ初段はフィンランド出身、久々に誕生した青い目の棋士です。
日本語もスラスラと操ります。
将来は海外普及で活躍するでしょうが、今は修行の時。
さて局面は白番です。
ここまでの進行に誤算があり、形勢は悪いと思っていました。
ひとまず白△を取られるわけにはいきませんが、私はどう打ったと思いますか?
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1a/81/cc4ddb7cc422e70f1d7bc4621a433099.jpg)
2図(変化図・黒無理)
白1、3と1目取れば5子が取られる事はありません。
黒4と無理やり連絡を止めようとすれば白5でAとBが見合いになり、黒崩壊します。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/13/ce/7c123acd1cf6ccd02db0849e1f9400cd.jpg)
3図(変化図・白不満)
しかし黒は無理に取りに行かず、黒4などと中を打ってくるでしょう。
白は黒Aに備えていずれもう一手かかる形です。
黒Bと「2目の頭」をハネる絶好点が残っている今、大勢に遅れる恐れがあります。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/70/fa/b8c7e7cd8215d575a3c7c6dc89053924.jpg)
4図(実戦)
そこで実戦は白1、3と打ってみました。
少しでも黒に響かせながら連絡する狙いです。
次にAとBを見合いにしています。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5f/ea/6a5e1c6bf4a48812ae5b75208c2857eb.jpg)
5図(変化図・黒正着)
ここで黒1と白からのハネ出しを防ぐのが正着です。
白2となって、白としてはAの切りが残るので3図より良い繋がり方です。
しかし黒としても左上の4子はカス石なので、Aと切られても捨てて全く問題ありません。
黒3、5などと打って左辺白2子は逃げにくい形です。
こうなると黒△がいかにも良い所を押しているのが分かりますね。
黒優勢です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/04/2c/13489a03ddd22057c3311c10f53c8bc0.jpg)
6図(続・変化図)
この後もし白1と伸びれば黒2、4と左右を繋げてしまいます。
白2子は完全に立ち枯れ、中央の黒模様は両手が入る大きさです。
黒圧勝でしょう。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/29/4f/1772da8197a5732d8d446456ddb0c6b4.jpg)
7図(実戦①・黒失敗)
ところが実戦は黒1と連絡を妨げて来ました。
白2に黒3で取れるという読みですが、これは意外でした。
どうも魔が差してしまったようです。
確かにこれで白を取れるのですが・・・
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2f/9b/9be493caadd804ed8660f4c5cc42021c.jpg)
8図(実戦②)
黒2や6といった形の悪い動き方をしなければいけないのがつらい所です。
黒6でこちらの黒は脱出できていますが・・・
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/48/2e/93e75ea3199ce2409ba0b13e7148a4c4.jpg)
9図(実戦③)
白1、3でこちらの黒が止まってしまいました。
白△との攻め合いは黒が勝っていますが、一手差なので・・・
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/19/d0/bb648dcf1f6c211b9e223431ff19b878.jpg)
10図(実戦④)
白2から6まで、全て先手になってしまいました。
この後白AとBも先手です。
白8に回って上辺一帯が真っ白になってしまいました。
こういう展開、見覚えがありませんか?
そう、昨日の農心杯の右下隅での変化とそっくりですね。
この碁でもやはり白が良い分かれとなりました。
ここでのリードが大きかったようで、最後は白中押し勝ちとなりました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/03/4d/8a46524c37250e1e0b4b6c85e2b8188c.jpg)
11図(再掲)
6図を再掲します。
この図と前図、どちらが良いかは一目瞭然でしょう。
碁では取れる石をあえて取らない方が良い事もあるのです。
なお本日の農心杯は中国の范廷鈺九段が韓国の李東勲八段に勝ち、2連勝となりました。
明日の第4局が第1ラウンドの最終戦、日本チームは2番手の張栩九段が出場します。
張九段は世界戦での優勝経験があります。
なんとしても范九段の連勝を止めて貰いたいですね。
皆さん、幽玄の間で応援しましょう!
それでは本日も幽玄の間で中継された棋譜をご紹介・・・ではありません。
本日は私も3か月ぶりに対局しました。
これだけ間が空くと自分もプレイヤーである事を忘れそうになりますね
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/face_ase2.gif)
それでは振り返っていきましょう。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/11/1a/f2603fcbb1f0b3b691e2d149ef7e83f9.jpg)
1図(テーマ図)
私の白番、黒はアンティ トルマネン初段です。
アンティ初段はフィンランド出身、久々に誕生した青い目の棋士です。
日本語もスラスラと操ります。
将来は海外普及で活躍するでしょうが、今は修行の時。
さて局面は白番です。
ここまでの進行に誤算があり、形勢は悪いと思っていました。
ひとまず白△を取られるわけにはいきませんが、私はどう打ったと思いますか?
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1a/81/cc4ddb7cc422e70f1d7bc4621a433099.jpg)
2図(変化図・黒無理)
白1、3と1目取れば5子が取られる事はありません。
黒4と無理やり連絡を止めようとすれば白5でAとBが見合いになり、黒崩壊します。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/13/ce/7c123acd1cf6ccd02db0849e1f9400cd.jpg)
3図(変化図・白不満)
しかし黒は無理に取りに行かず、黒4などと中を打ってくるでしょう。
白は黒Aに備えていずれもう一手かかる形です。
黒Bと「2目の頭」をハネる絶好点が残っている今、大勢に遅れる恐れがあります。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/70/fa/b8c7e7cd8215d575a3c7c6dc89053924.jpg)
4図(実戦)
そこで実戦は白1、3と打ってみました。
少しでも黒に響かせながら連絡する狙いです。
次にAとBを見合いにしています。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5f/ea/6a5e1c6bf4a48812ae5b75208c2857eb.jpg)
5図(変化図・黒正着)
ここで黒1と白からのハネ出しを防ぐのが正着です。
白2となって、白としてはAの切りが残るので3図より良い繋がり方です。
しかし黒としても左上の4子はカス石なので、Aと切られても捨てて全く問題ありません。
黒3、5などと打って左辺白2子は逃げにくい形です。
こうなると黒△がいかにも良い所を押しているのが分かりますね。
黒優勢です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/04/2c/13489a03ddd22057c3311c10f53c8bc0.jpg)
6図(続・変化図)
この後もし白1と伸びれば黒2、4と左右を繋げてしまいます。
白2子は完全に立ち枯れ、中央の黒模様は両手が入る大きさです。
黒圧勝でしょう。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/29/4f/1772da8197a5732d8d446456ddb0c6b4.jpg)
7図(実戦①・黒失敗)
ところが実戦は黒1と連絡を妨げて来ました。
白2に黒3で取れるという読みですが、これは意外でした。
どうも魔が差してしまったようです。
確かにこれで白を取れるのですが・・・
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2f/9b/9be493caadd804ed8660f4c5cc42021c.jpg)
8図(実戦②)
黒2や6といった形の悪い動き方をしなければいけないのがつらい所です。
黒6でこちらの黒は脱出できていますが・・・
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/48/2e/93e75ea3199ce2409ba0b13e7148a4c4.jpg)
9図(実戦③)
白1、3でこちらの黒が止まってしまいました。
白△との攻め合いは黒が勝っていますが、一手差なので・・・
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/19/d0/bb648dcf1f6c211b9e223431ff19b878.jpg)
10図(実戦④)
白2から6まで、全て先手になってしまいました。
この後白AとBも先手です。
白8に回って上辺一帯が真っ白になってしまいました。
こういう展開、見覚えがありませんか?
そう、昨日の農心杯の右下隅での変化とそっくりですね。
この碁でもやはり白が良い分かれとなりました。
ここでのリードが大きかったようで、最後は白中押し勝ちとなりました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/03/4d/8a46524c37250e1e0b4b6c85e2b8188c.jpg)
11図(再掲)
6図を再掲します。
この図と前図、どちらが良いかは一目瞭然でしょう。
碁では取れる石をあえて取らない方が良い事もあるのです。
なお本日の農心杯は中国の范廷鈺九段が韓国の李東勲八段に勝ち、2連勝となりました。
明日の第4局が第1ラウンドの最終戦、日本チームは2番手の張栩九段が出場します。
張九段は世界戦での優勝経験があります。
なんとしても范九段の連勝を止めて貰いたいですね。
皆さん、幽玄の間で応援しましょう!