皆様こんばんは。
第41期棋聖戦(主催:読売新聞社)第5局は、井山裕太棋聖が勝って3勝2敗となりました。
ここまで河野臨挑戦者の強さに苦しんでいる感もありましたが、流石の勝負強さですね。
ところで、封じ手予想は見事に外れましたね。![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/face_ase2.gif)
実戦の手は無いと思っていたのですが、井山棋聖の深い読みに支えられた好手だったような気がします。
さて、本日は幽玄の間で中継された対局の中から、目を引いた1手をご紹介しましょう。
利民杯予選、大西竜平二段(黒)と謝爾豪四段(中国)の対局です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7c/1f/d6e1941b42e59430d11e53126bf9babf.jpg)
1図(テーマ図)
白△と飛んだ場面です。
隅の黒に脅しをかけた手で、受けさせれば白にとって大きなプラスになります。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/14/d5/787a0d2d0db3d70d6587b24ffa58bf3b.jpg)
2図(変化図1)
白の形は薄いのですが、黒1と出て行っても上手く行きません。
1子を取れるだけで、かえって白を固めてしまいます。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/26/cb/4d283cf6a60db5869d9f855097408fd2.jpg)
3図(変化図2)
という訳で、何も考えず黒1と受けてしまいそうです。
しかし、これは黒としては大きな利かされです。
元々は黒AやBと打てば右辺に進出できる所でしたが、白△によってそれらの手が打ち難くなっています。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/65/f3/fead60d1e5978ff3d328f669b1fc5100.jpg)
4図(変化図3)
また、黒1に対しては白2がぴったりになります。
白△は取れますが、右辺への進出を止められては面白くありません。
しかし、こんなつらい図を受け入れる大西二段ではありませんでした。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3d/e7/1317264035cc166c29af28b46fc52a9a.jpg)
5図(実戦)
大西二段の放った手は、なんと黒1のツケ!![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/face2_shock_s.gif)
白△と利かしに来た所を、利かし返そうというのです。
黒Aと受ける前なので、白としても△を捨てる訳にはいきません。
後から理屈は付けられるのですが、実際には理屈で考えてもなかなか思い浮かばない手です。
最初からここに目が行くのでしょう。
大西二段、才気煥発の一手です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/43/49/536260c39a9e35f8e1d1d2c37c6b390c.jpg)
6図(変化図)
白1と繋がせれば黒2と受けておきます。
黒AやBの厳しい狙いを残し、白が守ってくれれば先手を奪い返す事ができます。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/49/f8/f3807953d3b61f8ab2b6fe8919f8f671.jpg)
7図(実戦)
実戦は白1でしたが、同様に黒2と受けておきます。
白3に先行されましたが、黒4と広い右辺に進出する事ができました。
4図とは雲泥の差ですね。
結果は残念でしたが、随所で大西二段らしい鋭い手が見られた1局でした。
第41期棋聖戦(主催:読売新聞社)第5局は、井山裕太棋聖が勝って3勝2敗となりました。
ここまで河野臨挑戦者の強さに苦しんでいる感もありましたが、流石の勝負強さですね。
ところで、封じ手予想は見事に外れましたね。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/face_ase2.gif)
実戦の手は無いと思っていたのですが、井山棋聖の深い読みに支えられた好手だったような気がします。
さて、本日は幽玄の間で中継された対局の中から、目を引いた1手をご紹介しましょう。
利民杯予選、大西竜平二段(黒)と謝爾豪四段(中国)の対局です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7c/1f/d6e1941b42e59430d11e53126bf9babf.jpg)
1図(テーマ図)
白△と飛んだ場面です。
隅の黒に脅しをかけた手で、受けさせれば白にとって大きなプラスになります。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/14/d5/787a0d2d0db3d70d6587b24ffa58bf3b.jpg)
2図(変化図1)
白の形は薄いのですが、黒1と出て行っても上手く行きません。
1子を取れるだけで、かえって白を固めてしまいます。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/26/cb/4d283cf6a60db5869d9f855097408fd2.jpg)
3図(変化図2)
という訳で、何も考えず黒1と受けてしまいそうです。
しかし、これは黒としては大きな利かされです。
元々は黒AやBと打てば右辺に進出できる所でしたが、白△によってそれらの手が打ち難くなっています。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/65/f3/fead60d1e5978ff3d328f669b1fc5100.jpg)
4図(変化図3)
また、黒1に対しては白2がぴったりになります。
白△は取れますが、右辺への進出を止められては面白くありません。
しかし、こんなつらい図を受け入れる大西二段ではありませんでした。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3d/e7/1317264035cc166c29af28b46fc52a9a.jpg)
5図(実戦)
大西二段の放った手は、なんと黒1のツケ!
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/face2_shock_s.gif)
白△と利かしに来た所を、利かし返そうというのです。
黒Aと受ける前なので、白としても△を捨てる訳にはいきません。
後から理屈は付けられるのですが、実際には理屈で考えてもなかなか思い浮かばない手です。
最初からここに目が行くのでしょう。
大西二段、才気煥発の一手です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/43/49/536260c39a9e35f8e1d1d2c37c6b390c.jpg)
6図(変化図)
白1と繋がせれば黒2と受けておきます。
黒AやBの厳しい狙いを残し、白が守ってくれれば先手を奪い返す事ができます。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/49/f8/f3807953d3b61f8ab2b6fe8919f8f671.jpg)
7図(実戦)
実戦は白1でしたが、同様に黒2と受けておきます。
白3に先行されましたが、黒4と広い右辺に進出する事ができました。
4図とは雲泥の差ですね。
結果は残念でしたが、随所で大西二段らしい鋭い手が見られた1局でした。