皆様こんばんは。
若手棋士ツイッターアカウントの担当は、平田智也七段から横塚力二段に交代しました。
横塚二段が子供の頃、時々指導碁を打っていました。
あのちびっ子が、とっくに成人して棋士になっている・・・。
こんなエピソードが年々増えて来て、おじさんになった事を実感します。![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/face_ase2.gif)
さて、本日はそんな時代に打った対局を題材にしましょう。
2006年、白石勇一初段と王唯任四段(当時)の対局です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/55/3a/91c341e2ba4bb814c40934f3ee6a8deb.jpg)
1図(テーマ図)
私の黒番です。
黒1、3は、プロの碁によく現れる捌きの手段です。
白10の後は白Aの逃げ出しがあるので、もう一手かけて守るのが定石です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/39/35/79238887dde1e49bd6cbc40429f24e5e.jpg)
2図(変化図)
黒1が定石で、この一手とされています。
しっかり生きておいて黒△の逃げ出しを狙いにします。
しかし、白2あたりから上辺の黒に先制攻撃されそうです。
この黒を苦労して逃げ出している間に、黒△は自然に飲み込まれてしまうでしょう。
となると、黒1もただ生きるだけの手で、石の働きが今一つです。
そこで私は黒1ではなく、意表の手を放ちました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5b/3e/ba071f40f8c236a2b0fdecadcf654667.jpg)
3図(実戦)
実戦は、何と黒1の二段バネ!![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/face2_shock_s.gif)
自分で驚いてどうするという話ですが・・・。
もちろん、これで3子を取れる訳ではありません。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4b/89/4870eb4ff22c9cd9eb5d9c0e449363f5.jpg)
4図(実戦)
白1と切られて両当たりですが、黒2、4を打って両方抜かせてしまいます。
そして黒6と打つとあら不思議、黒△が良い所にあって左右が繋がりました。
こう1線や2線を繋がっても殆ど地ができず、所謂貧乏渡りと称される姿です。
白はポン抜き2つですし、見た目の印象では黒ダメと判断してしまいそうです。
ですが黒Aの守りを省略できていますし、結果的に白△を限りなくパスに近い一手にさせています。
総合的にはこれが最善の道と考えて踏み切りました。
それにしても、今改めて眺めてみても笑いが込み上げてくるような形です。
あまり格好良くはないので、妙手というより奇手ですね。
碁にこんな打ち方があるの? という感じです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/64/17/719d87078d662a6d131dbbb6a176e315.jpg)
5図(変化図)
白1が成立しない事がポイントです。
黒2と外から押さえ、黒6まで攻め合い黒勝ちです。
黒△によって、白Aに入れなくなっています。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1b/92/9c55c6d7c848f4264f872b3e5e994f44.jpg)
6図(変化図)
白1以下、全体の眼を奪って来る可能性はあります。
しかし中央が広く空いていますし、いざとなれば黒Aから眼を作って生きられます。
大きな問題は起こりそうにありません。
石の形は非常に大切ですが、臨機応変な対応も必要な時もあるのです。
若手棋士ツイッターアカウントの担当は、平田智也七段から横塚力二段に交代しました。
横塚二段が子供の頃、時々指導碁を打っていました。
あのちびっ子が、とっくに成人して棋士になっている・・・。
こんなエピソードが年々増えて来て、おじさんになった事を実感します。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/face_ase2.gif)
さて、本日はそんな時代に打った対局を題材にしましょう。
2006年、白石勇一初段と王唯任四段(当時)の対局です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/55/3a/91c341e2ba4bb814c40934f3ee6a8deb.jpg)
1図(テーマ図)
私の黒番です。
黒1、3は、プロの碁によく現れる捌きの手段です。
白10の後は白Aの逃げ出しがあるので、もう一手かけて守るのが定石です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/39/35/79238887dde1e49bd6cbc40429f24e5e.jpg)
2図(変化図)
黒1が定石で、この一手とされています。
しっかり生きておいて黒△の逃げ出しを狙いにします。
しかし、白2あたりから上辺の黒に先制攻撃されそうです。
この黒を苦労して逃げ出している間に、黒△は自然に飲み込まれてしまうでしょう。
となると、黒1もただ生きるだけの手で、石の働きが今一つです。
そこで私は黒1ではなく、意表の手を放ちました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5b/3e/ba071f40f8c236a2b0fdecadcf654667.jpg)
3図(実戦)
実戦は、何と黒1の二段バネ!
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/face2_shock_s.gif)
自分で驚いてどうするという話ですが・・・。
もちろん、これで3子を取れる訳ではありません。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4b/89/4870eb4ff22c9cd9eb5d9c0e449363f5.jpg)
4図(実戦)
白1と切られて両当たりですが、黒2、4を打って両方抜かせてしまいます。
そして黒6と打つとあら不思議、黒△が良い所にあって左右が繋がりました。
こう1線や2線を繋がっても殆ど地ができず、所謂貧乏渡りと称される姿です。
白はポン抜き2つですし、見た目の印象では黒ダメと判断してしまいそうです。
ですが黒Aの守りを省略できていますし、結果的に白△を限りなくパスに近い一手にさせています。
総合的にはこれが最善の道と考えて踏み切りました。
それにしても、今改めて眺めてみても笑いが込み上げてくるような形です。
あまり格好良くはないので、妙手というより奇手ですね。
碁にこんな打ち方があるの? という感じです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/64/17/719d87078d662a6d131dbbb6a176e315.jpg)
5図(変化図)
白1が成立しない事がポイントです。
黒2と外から押さえ、黒6まで攻め合い黒勝ちです。
黒△によって、白Aに入れなくなっています。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1b/92/9c55c6d7c848f4264f872b3e5e994f44.jpg)
6図(変化図)
白1以下、全体の眼を奪って来る可能性はあります。
しかし中央が広く空いていますし、いざとなれば黒Aから眼を作って生きられます。
大きな問題は起こりそうにありません。
石の形は非常に大切ですが、臨機応変な対応も必要な時もあるのです。