白石勇一の囲碁日記

囲碁棋士白石勇一です。
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女流棋聖戦

2018年01月20日 23時11分47秒 | 囲碁界ニュース等
皆様こんばんは。
昨日は女流棋聖戦も行われていました。
幽玄の間でも、棋聖戦と共に中継されました。
このようなケースでは片方にしか解説が付かなかったのですが、アップデートにより現在は両方の対局に解説が付けられるようになっています。

それでは、本日は女流棋聖戦の感想を述べたいと思います。
なお、棋譜は特設サイトからもご覧頂けます。



1図(実戦)
黒△は白×の攻めを狙った打ち込みですが、ここで上野愛咲美初段は構わず白△!
要点を先取し、左下は好きなように打ってください、と言っています。

このような打ち方は、上野初段の碁によく見られます。
相手の攻めをいなす展開が得意なようです。





2図(実戦)
謝女流棋聖の黒△は、足が遅いようですが力強い手です。
上下の白の攻めを見られていて、白も怖い状況に見えます。
なにしろ、この碁は持ち時間の無い早碁です。
一歩間違えれば、あっという間に形勢が悪くなるかもしれません。

しかし、上野初段はこうした状況でも落ち着いたものです。
読みに相当な自信を持っているのでしょう。





3図(実戦)
右下、黒△と打った場面です。
お互いの石が切れ、決戦の雰囲気が漂いましたが・・・。





4図(実戦)
白1、3であっさり手を打ちました。
お互いに△の石を取り合う分かれで、下辺の黒地が大きくなっています。
しかし、絶好点の白5に回れば右辺の白模様も大きく、これで十分だと言っているのですね。
この大局観も上野初段の持ち味だと思います。

上野初段にとっては初の大舞台でしたが、堂々とした戦いぶりでしたね。
第2局も楽しみです。