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デジタル修正について。

2011年12月03日 11時30分00秒 | ノンジャンル
今回は番外編として、デジタル写真のパソコンによる修正・加工について考えてみたいと思います。
先日の「茨城写真家協会展」の折りにもこの事をテーマにしたトークショーがありました。ご覧になった方もあると思いますが、あの話の中にはアマチュアには当てはまらない、やってはいけない事も出てきましたのでそれらの事も整理してお話しします。
先ずは、なぜ修正・加工をするのか?の話からしたいと思います。

キャノン、ニコン、ペンタックス、その他諸々のデジカメを、シャッター・スピード、絞り、ISO、ホワイトバランス等々を同じ条件で、同じ場所で同じ方向にむけてシャッターを切って、色、コントラスト、濃度等々を比較するとそれぞれ全部違う写真が上がります。
これは、当然のことなのですがこのことだけを取ってみても修正したくなるでしょう。
しかし、一番厄介なことは撮影者、つまりあなたが見た色、撮りたい色がどのカメラの色とも違っていることなのです。
ここに至って、撮影後パソコンによる修正が必要になるのです。

カメラ雑誌によっては撮ったまま写真屋さんに持ち込んでプリントを依頼するのがきれいに上げるコツと書いてあるものもありますが、パソコンを持たない、修正の技術・方法を知らない初心者の方はそれで良いと思いますが、表現者としてデジタル写真を駆使する人にとって修正は知って欲しい作業です。
これはデジタルになって始まったことではなく、昔だってモノクロ暗室が出来る人は自分で暗室で修正を加えて自分風の表現していたのです。

例えれば、撮ったままのデジタル写真は言わばスッピンの顔と同じです。
でも、あなたが気に入ってシャッターを押したほどですからあなたにとって美人さんに決まっています。この美人さんにイメージアップするつもりで薄化粧をしてあげてください。より綺麗になるはずです。
が!大半のあなたは厚化粧してしまい、元の良さを台無しにしてしまって、それで良くなったと錯覚しています。
それならば、初心者のスッピンの方がずっと綺麗です。

では約束した志賀高原撮影会での吉田さんと盛田さんとの作品を比較しながらお話したいと思います。
左の盛田さんの作品をAとします。
右の修正を加えていない吉田さんの作品(比較しやすいようにトリミングしています)をBとします。
Aは赤味をプラスしたくなって、いろいろと手を加えたと思います。
日本語では、マゼンタ、レッド、アンバーを全部「赤」と呼んでいます。
ここでの赤味はどれでしょう?
よく見るとここではマゼンタ系の赤が加えられて、向こうの山までマゼンタ系の赤に傾いています。
しかし、朝夕の赤味は色温度が下がってくることで赤くなるので、アンバー系の赤味なのです。
A、Bを比べてみるとよく判ると思います。
Bの方が赤味は弱いのですが、山などに青味があるために印象が弱くなることはなく自然な赤味が感じられます。
Aのわずかな修正がやや不自然な色を作り出してしまいました。





そこで、Aの写真をアンバー系の赤味に直してみました。
それが下の写真ですが、
右が再掲載の盛田さんが提出されたままの絵A。
左がアンバー系の赤味に修正した絵。
これならば自然な赤味として見えるのではないでしょうか。




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3 コメント

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Unknown (ジイー)
2011-12-03 13:16:56
おいらも「紅(赤)=マゼンタ」の意識が強くアンバーの意識はなかなか気づきませんでした。
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Unknown (キリリ山口)
2011-12-04 07:53:33
写真展でのトークバトル、勉強会での解説、そしてブログと三回にわたってコメントを伺い、良く理解できました。
プロとアマの違い、修正の範囲、C.Gに近い写真展の加工、立場や考え方の違いはあれ、「全て良し」だとオラは思います。
それよりも、修正をすると精神的に後ろめたい所を感じていたのですが、先生の話を聞いて気持ちがスッキリしました。
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Unknown (盛ちゃん)
2011-12-04 22:13:18
赤がレッド、マゼンダまではなんとなくわかってたつもりでしたが、アンバーがレッド+イエローとはわかりませんでした。安易に赤を+するではいけない理由が良くわかりました。ありがとうございました。
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