goo何気無い日々が心地よい安寧

何気無い日々が続く様に。生きていく事の大変さがカナン。ある種空気の様な存在になりたいもの。

🚶‍♀️…天ヶ瀬ダム前↩️ 221026

2022-10-26 21:34:00 | 🚶 歩く
🚶‍♀️…右岸堤防道…太閤堤跡公園…朝霧通り…観流橋…右岸路…山吹橋…第一志津川橋…白虹橋:天ヶ瀬ダム前…左岸路…天ヶ瀬吊橋…右岸路…観流橋…朝霧橋⇅…朝霧通り…宇治橋⇅…右岸堤防道…>
🚶‍♀️10491歩2kg

☀️:白虹橋:20℃と17℃、日向と日陰の差。
  秋晴れで散歩日和
 足重り🦵新調

観流橋下で,鷺がうまく魚を捕獲!
 しかし激水流に首の動きだけで!


天ヶ瀬ダム

天ヶ瀬吊橋,左岸袂名板 河口より52.6km

鷺がうまく魚を捕獲

朝霧橋からパノラマ




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⚠️ 小泉内閣時の政策「製造業の派遣解禁」が日本経済に与えた打撃202210

2022-10-26 18:02:00 | 気になる モノ・コト

小泉内閣時の政策「製造業の派遣解禁」が日本経済に与えた打撃
 幻冬社 ゴールドライフ onlain より 本田 幸雄


※本記事は、本田幸雄氏の書籍『劇症型地球温暖化の危機 太陽エネルギー革命で日本を再生する』(幻冬舎ルネッサンス新社)より、一部抜粋・編集したものです。

 【前回の記事:ターニングポイントは「バブル崩壊」日本政治停滞の理由とは]

⚫︎第一章 失われた三〇年
《一》平成三〇年間─何もしなかった日本
 非正規労働者層の拡大
少子高齢化がこれほど急速に進むようになった原因にはいろいろありますが、非正規労働者の増加で、結婚もできない階層ができて、それが年々、増大、世襲化していることが大きく効いてきています。

 労働者派遣法は、その正式な名前は、「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律」といって、法律はすでに一九八五年七月にできていました(中曽根内閣)。

 目的は、「労働力の需給の適正な調整を図るため、労働者派遣事業の適正な運営の確保に関する措置を講ずるとともに、派遣労働者の就業に関する条件の整備等を図ることで、派遣労働者の雇用の安定、福祉の増進に資することにある(第一条)」としています(法律改正前)。

 何を目的にして、何をやっているのか、よくわかりませんが、いずれにしても、非正規労働を正当化している法律です。

 戦後の高度経済成長期において、日本の企業は常に人手不足にあり、労働者を囲い込む形で正規雇用(正規、非正規の区別がない時代であったので、一般的な社員)が常態化しました。さらにそれを補佐する形で農閑期の農業労働者や主婦をパートタイム労働者として雇い入れる形になりました。

 このようなとき、特殊な分野では、正社員でなくても、パートでよいというような職種もあって(むしろ、その方を本人が望むこともありました)、派遣法はあまり議論されずに成立しました(これは官僚の「常套手段」です。「小さく生んで大きく育てる」ことはよくやります)。

・一九八六年七月一日の施行にあたって、最初に政令として指定された業種は、一三業種あって、ソフトウェア開発、事務用機器操作、通訳・翻訳・速記、秘書、ファイリング、調査、財務処理、取引文書作成、デモンストレーション、添乗、建設物清掃、建築設備運転・点検・整備、案内・受付・駐車場管理等でした。
 当時としてはいずれもサブ的な業種でした。

 その後、バブル経済崩壊後の平成不況では、企業は、グローバル化に対応して海外移転を進めるとともに、(主として安い輸入品に対する)国内の競争力強化の必要性に迫られ、コスト削減の圧力が高まりました。
 このため、正規雇用(フルタイム労働)である正社員の採用を抑制する一方、コスト削減のために単純業務に対する安価な労働力の供給源として、また、不況期の企業業績縮小期の雇用調整弁として、非正規雇用の従業員に注目するようになりました。

 それまでも好不況はありましたが、その都度、企業のリスクで採用雇用者数を決定していました。ところが政府がグローバル化した競争に対応しようとする大企業などの要望を受けて、派遣雇用法に以下のような業種を追加していきました(官僚のやることはいつでも同じで、政令追加は簡単にできますから、あまり議論なしに国民の目をかすめて行ったのです)。

・一九八六年一〇月一日施行(一六業種)─機械設計、放送機器等操作、放送番組を追加

・一九九六年一二月一日施行(二六業種)─化学に関する知識・応用技術を用いての研究開発、事業の実施体制の企画・立案、書籍等の制作・編集、商品・広告等デザイン、インテリアコーディネーター、アナウンサー、OAインストラクション、テレマーケティング営業、セールスエンジニア営業、放送番組等における大・小道具など一〇業種追加

・一九九九年一二月一日改正─派遣業種が拡大され、ポジティブリストからネガティブリストへ変更されました(港湾運送、建設、警備、医療、製造以外はよいとなりました)。

・二〇〇四年三月一日改正─物の製造業務の派遣が解禁されました(港湾運送、建設、警備、医療以外はよいとなりました)。これが問題でした。

 この小泉内閣のときの製造業の派遣解禁が最も大きな影響を与えることになって、非正規雇用者が激増することとなりました。
 こうして日本産業のメインであった製造業において議論なしに非正規でもいいとなりました。こうなれば企業としては、当然、人件費が二分の一とか、三分の一とかの非正規(年俸二〇〇万円ぐらい)に傾斜していくのは当然でした。

 ここが問題でした。

 以前なら、政治的にまずいとなれば、反主流派が政権を取って、前政権の非を改めましたが、現在は非を改めるどころか、強引に正当化し通します。
 戦後の労働者運動の歴史を一気に逆転してしまいました(歴史の逆行です)。その後、少しは改革されているようですが、改革になっているのか、悪くなっているのか、いずれにしてもマイナーチェンジです。

 基本的に日本の職場に正規、非正規の差別が生まれてしまいました。これでは職場もうまくいくはずはありません。
 人間、誰しも失敗はあります。やり直そうと努力します。戦後の日本の職場でもそれだったから発展してきたのです。
 それが一旦、非正規になるとやり直しがききません。しかも世襲される傾向があります。

 バブル崩壊後、不況に陥り、また、経済のグローバル化で外国品が安く入ってきて、苦しんでいた企業にとって、このような労働者派遣法があれば(実際には、派遣業種の追加でした)、好都合で最初から正社員を減らし、非正規雇用者を雇って、これを好不況の調整弁に使えばよいとなってしまいました。



💋今からでも…   雇用=基本的人権の、生活の糧。
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「量子コンピューターでも解読困難な暗号」搭載のICカード、凸版印刷とNICTが「PQC CARD」を世界で初めて開発 202210

2022-10-26 11:36:42 | ¿ はて?さて?びっくり!

「量子コンピューターでも解読困難な暗号」搭載のICカード、凸版印刷とNICTが「PQC CARD」を世界で初めて開発
 INTERNET watch より 221026  山田 貞幸


💳PQC CARD
 凸版印刷株式会社と国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)は10月24日、
 量子コンピューターでも解読が困難な「耐量子計算機暗号(PQC:Post-Quantum Cryptography)」を搭載したICカード「PQC CARD」を世界で初めて開発し、その有用性の検証に成功したと発表した。

 量子コンピューターは、従来型のコンピューターでは答えの導出に膨大な時間を要する問題を、短時間で解ける可能性がある。
 そのため,既存のオンラインショッピングやキャッシュレス決済、各種電子申請といった情報社会を支える暗号技術が容易に破られるおそれがあり、量子コンピューターが実用化されても解読困難とされるPQCへの移行準備が始まっている。

 米国政府機関である国立標準技術研究所(NIST)では、2022年7月にPQCの標準技術の候補として、次世代の電子署名方式「クリスタル・ダイリチアム(CRYSTALS-Dilithium)」を採用した。凸版印刷とNICTも、この技術を採用。PQCに関する先端技術を有するカナダのISARA Corporationとも連携し、PQC CARDの開発に取り組んだ。

⚫︎従来のICカードとPQC CARDの違い
 PQC CARDの有用性の検証として、NICTが開発した保健医療用の長期セキュアデータ保管・交換システム「H-LINCOS」における医療従事者の認証、アクセス制御などの基本動作確認と技術的課題の抽出を、2022年8月~10月に実施した。

 医療従事者が持つ資格証明書であるHPKIカード(保健医療用公開鍵認証カード)に見立てたPQC CARDと顔による生体認証を組み合わせ、電子カルテを閲覧する際の多要素認証を実施。
 正しい権限を持った者のみが権限に応じた電子カルテ情報にアクセスでき、H-LINCOS全体の耐量子性の向上と、その有効性、および実導入に対する課題を確認することができたとしている。カードリーダー/ライター、通信プログラムなどは現行のものを利用でき、認証スピードなどのパフォーマンスも良好で、従来同様に利用可能だという。

⚫︎PQC CARDを用いたH-LINCOSにおけるアクセス制御の構成図
 凸版印刷では今後、2025年に医療や金融などの用途における限定的な実用化、2030年に本格的な提供開始を目指すという。
 また、凸版印刷とNICTでは、高秘匿情報を将来にわたって安全に流通、保管、利活用できる量子セキュアクラウド技術の実用化に向けた取り組みを推進していくとしている。




💋こんな感じのマイナンバーカードであれば…

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ナノの世界で見つけた大発見とは?—東京都立大学 理学部物理学科 中西勇介助教 202210

2022-10-26 11:22:00 | ¿ はて?さて?びっくり!

ナノの世界で見つけた大発見とは?—東京都立大学 理学部物理学科 中西勇介助教
  FINDERS より 221026


 極小の「ナノ」の世界で、新物質を生み出すことに成功した科学者がいる。
東京都立大学理学部物理学科助教・中西勇介さん。
「遷移金属カルコゲナイド(TMC)」と呼ばれる物質から、太さが原子3個分という極細の“ワイヤー”を作り出すことに世界で初めて成功した。
 実用化されれば、電子デバイスの小型化や省エネ化などが大きく進む可能性を秘めている。「誰も見たことのない新物質を生み出したい、誰よりも早く見つけたい」——。
そう話す中西さんの研究室を2022年1月に訪ね、最新のナノ科学の世界を覗かせてもらった。

⚫︎原子3個分の太さの「ナノワイヤー」
 東京大学本郷キャンパス。東京都立大学助教の中西勇介さんが案内してくれたのは、工学部9号館の地下にある顕微鏡室。合成に成功したという新物質を見せてくれた。
 巨大な電子顕微鏡で覗くのは、100万分の1ミリメートルというナノサイズの世界。新物質の試料をピンセットで管の先端に入れ、顕微鏡に差し込んで真空にする。手元のダイヤルをかちゃかちゃ回し、ピントを合わせていく。
手元のダイヤルを回して、ピントを合わせていく
 すると、モニターの画像が次第に鮮明な像を結んでいく。「これが、いわゆるナノワイヤー。原子細線と呼ばれる、究極に細い物質です」と言う中西さんの目線の先には、髪の毛のように細い線。

 これが、中西さんが世界に先駆けて合成に成功した「遷移金属カルコゲナイド(TMC)」のナノ物質。直径は、わずか原子3個分だという。

▶︎電子顕微鏡で捉えたナノワイヤー。白い点は原子だ(提供:中西勇介さん)

⚫︎ナノの世界で新物質が生まれる
 物質は、ナノレベルにまで小さくなると、全く違う性質が現れることがある。
有名なのが、ノーベル物理学賞の受賞対象となった炭素素材「グラフェン」。鉛筆の芯にも使われるグラファイト(黒鉛)という物質は層状の構造で、原子1個分の厚さに剥がすと、性質が変わる。非常に強くしなやかで、電気や熱をよく伝える新物質「グラフェン」となるのだ。
 グラフェンはシリコンや貴金属よりも小さな電子部品の次世代素材として注目され、その実用化に向けた開発が競われている。

 TMCは、金属元素の一種である「遷移金属」と、金属元素と化合することで鉱物を作る「カルコゲン元素」の化合物。TMCもグラファイトと同様に、ナノレベルの物質になると、よく電気を通す性質などを持つようになり、電子部品の配線素材などに応用されることが期待されてきた。

▶︎遷移金属原子とカルコゲン原子の三角形が、組み合わさった構造となっている。構造には「ねじれ」も観察され、その性質からナノサイズの電流のスイッチが作れる可能性もある(提供:中西勇介さん)

 しかし、TMCのナノワイヤーの合成は、これまで世界の誰もなし得なかったものだという。空気中で“束”になりやすい性質を持つナノワイヤーを1本だけ独立させて存在させることは難しいとされてきた。そのため、新物質の性質はあくまで理論上のもので、実証はされてこなかった。
 中西さんは、「カーボンナノチューブを鋳型、つまりナノメートルサイズの試験管として使うことで、その中でナノワイヤーを作れるようになった」と解説する。

 ナノ物質を作るには、大きく分けて二つのアプローチがある。
一つは、物質をナノレベルまで削っていくトップダウンの手法。
もう一つは、元素同士を化合させるボトムアップの手法。
 トップダウンの手法ではごくわずかなナノワイヤーしか作れず、性質の解明には至らなかった。
 そこで、中西さんはボトムアップの手法を採り入れた。円筒状の構造を持つナノ物質・カーボンナノチューブを活用した。

 中西さんは言う。
「カーボンナノチューブは直径1〜数ナノメートルの筒状で、中に化合物を取り込み、安定した状態で存在させることができます。小さな筒の中で合成を行うことで、ナノワイヤーを単独で作り出すことに成功したんです」

 中西さんはナノワイヤーの原子構造や、予見されていた電気を通しやすい性質などを実証し、2019年、研究成果をアメリカ化学会の学術誌『ナノ・レターズ』に発表した。その研究内容は、世界の科学者を驚かせた。

▶︎アメリカ化学会の学術誌『ナノ・レターズ』(中央)。中西さんたちの研究成果はカバーを飾った

⚫︎「電気をよく通す性質が、電子部品の小型化を進める」
「小さなナノワイヤーの極めて正確な構造を明らかにした重要な実験です」と画面越しに語るのが、中国の西安交通大学准教授のジンイン・チャンさん。リンを使ったナノ物質研究の第一人者だ。

 中西さんの研究で注目するのが、やはりよく電気を通す性質だ。半導体の集積回路や電子デバイスの小型化をさらに進める可能性があるという。「TMCナノワイヤーは他のナノ素材よりも、実用化がより期待できる」と語る。
「炭素素材のグラフェンやカーボンナノチューブも電気をよく通しますが、実は原子構造が不均一です。電気を通す金属と、通しにくい半導体の構造が混ざっていたりして、分離して量産化する方法がまだ確立されていません。一方、TMCナノワイヤーはその混在がなく、構造が均一なんです」

  中国の西安交通大学准教授ジンイン・チャンさん
 中西さんらの研究によって、初めてTMCナノワイヤーは実験的に検証される道が開かれた。その結果、世界中でTMCナノワイヤーの研究が活発になり、国際的な新素材の開発競争が加速しつつある。
 ジンインさんはこう期待を寄せる。
「この合成方法を使えば、他の元素を使ったナノワイヤーを合成することもできます。その中で、より有益な性質が見つかっていくかもしれません。画期的な研究成果だと思います」

▶︎合成したナノ物質の電気伝導性を計測する実験

⚫︎実用化につながるナノシートも開発
 中西さんの研究も、「実用化」に向けて進んでいる。
ナノワイヤーの次のステップが、平面状の究極に薄い膜「ナノシート」が量産できることだ。

 中西さんらの研究チームは、このTMCナノシートの多量合成にも世界で初めて成功し、2020年に前出の『ナノ・レターズ』で発表した。JKAはこの研究で原料を合成する機器の導入を支援している。この研究によってシート状でもTMCは電気をよく通す性質や光に反応する性質を持つことなどが実証され、実用化に向けた応用研究への道も開かれつつある。

▶︎TMCのナノシート。上は電子顕微鏡の画像で、網目状のナノワイヤーで形成されている。下は原子間力顕微鏡の画像。一方向にナノワイヤーの向きをコントロールすることもできた(提供:中西勇介さん)

 中西さんは、「研究はまだ始まったばかり」だと言う。
「TMCのナノ物質の研究は、基本的な構造や性質、機能が分かるようになり、多量合成ができるようになったばかり。究極的に小さく、非常に小さな電力で動く電子デバイスだけでなく、より効率の良い太陽電池の素材、水素エネルギーを生む新たな触媒にもつながるかもしれません。これから応用研究にも取り組んでいきたいと考えています」

⚫︎「偶然」が、研究を導くことも
 中西さんが、ナノ物質の研究者を目指したきっかけは、大学2年生のころの指導教官との出会いだったという。
 ナノ物質「フラーレン」研究の第一人者で、名古屋大学大学院教授の篠原久典さんだ。講義では、世界を相手に一刻一秒を争う新物質の研究秘話が語られた。
「情熱的な篠原さんの姿にあこがれた」と、中西さん。篠原さんの研究室で学び、修士課程修了後には研究職として大手化学メーカーに就職した。
 だが、1年後には大学に戻り、師と同じ基礎研究の科学者を志す。
「会社の研究だと、どうしても今ある素材や製品を改良し、生活の質を改善する、といったテーマにとどまります。それよりも、誰も見たことのない新物質を生み出したい、誰よりも早く見つけて世界中の人を驚かせたい。そういった想いがありました」

▶︎東京都立大学の実験室。JKAの支援で導入された「グローブボックス」という機器。中は窒素ガスが充満していて、空気中では壊れる物質も扱える

 世界を驚かせる発見は、思わぬ時に「偶然」訪れる。名古屋大学の特任助教に着任した2017年のことだ。短期留学で訪れていたアメリカの学生に短期間で行える実験課題を課すことになった。
 そこで、たまたま合成する試料として、普段はあまり使っていなかった遷移金属のモリブデンとカルコゲンのテルルを、カーボンナノチューブの中で合成させるという課題を与えた。リボンの形をしたナノ物質を作れると仮説を立てていた。

 名古屋大学の顕微鏡室。「細いワイヤーができています」という学生の予期せぬ声に、半信半疑で電子顕微鏡のモニターを覗いてみた。映っていたのは、整然と並んだ、見たことのない細いワイヤー状の物質。「何かいるね」。思わず声が漏れた。

 発見したのは、40年も実証されていなかった新物質だった。
「最初は、ナノワイヤーの詳しい原子構造は、全然分からなかったんです。それで、より性能の高い顕微鏡を使って観察したり、他の合成方法を試してみたりと、2年かけて多角的に調べていきました。
 『偶然』から研究を発展させ、どんな物質なのかを明らかにしたんです」

▶︎グローブボックスの中で、合成する原料の準備を行う

 TMCのナノシートの量産化に成功したのも、きっかけは「偶然だった」と中西さんは振り返る。今度はカーボンナノチューブを鋳型として使わず、基板上に合成する方法を試してみた。
「またいつもと違う条件で試料を合成してみたら、ワイヤー状の物質が基板上にできたんです。これも最初は1、2本見えているだけ。構造や性質を調べて、試料の条件を特定していきました。どうやったら合成できるのか、と。それがナノシートにつながっていったんです」

 基礎研究は地道な仮説の検証を積み重ねて行われる。だが、実験結果が先行して、研究の方向性を導いていくこともある。化学の世界では、そんな「偶然」が発見をもたらすことがあると言われる。中西さんも、「あえて、寄り道をすることを大切にしている」と語る。

「もちろん仮説は立てますが、時々ちょっと寄り道をするんです。いつもとは違う元素同士を化合させてみたり、条件を変えてみたり、ですね。そうすると、予想よりももっと面白いものができることがあるんです。そこに発見があるかもしれません」

▶︎TMCナノワイヤーの原料を密封した試験管。1000度の高温で化合させる

⚫︎「ナノの世界は面白い。新物質はまだ見つかる」
 TMCのナノ物質の研究で世界をリードする中西さんの研究室では、学生たちもさまざまな遷移金属の合成実験に取り組んでいる。
 理学部4年生の古澤慎平さんは、4月から大学院に進学する。卒業発表を間近に控え、実験の毎日を過ごしているところだという。「将来はまだわかりません。でも、ナノ科学はいろんな産業分野で幅広く応用できるので、学んだことを生かすことができたら」と古澤さんは話す。

 東京都立大学理学部の4年生、古澤慎平さん
世界の第一線で活躍する中西さんから教わることは、刺激に満ちているという。
「先生は、毎日のように研究のことや、新しいアイデアを考えていて、考えを広げていく発想力がすごいな、といつも感じます。その姿を見ていて、自分ももっと学びたい、研究したいとすごく刺激を受けています」

 ナノ科学はまだまだ多くの新物質発見の可能性が眠っている分野だと中西さんは言う。その発見こそが研究の醍醐味だと学生たちにも伝えている。自らも師から学んだように。
「ナノの世界は、面白い。元素の組み合わせが膨大で、実用化されている新物質はごくごく一部に過ぎません。これからも実験を続けて、新物質を1つでも多く見つけていきたいと思っています」

 極小の世界には、まだまだ未知が大きく広がっている。その未知に向かって、中西さんは好奇心を胸に小さな実験を積み重ねていく。


▶︎JKAは、競輪とオートレースの売上を、機械工業の振興や社会福祉等に役立てています。
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道路の邪魔者が一転? 「電柱」の進化が止まらない! もはや次世代の重要インフラ 202210

2022-10-26 10:46:00 | ¿ はて?さて?びっくり!

道路の邪魔者が一転? 「電柱」の進化が止まらない! もはや次世代の重要インフラ
  乗りものニュース より 221026  西田伸昌


⚫︎高いところから見てますよ! クルマや人を支援する「電柱」
 2022年現在、次世代の電柱と言われている「スマートポール」の実証実験が全国各地で行われています。
 大災害時に倒壊の危険性が言われ、ともすれば道路の邪魔者扱いされることもある電柱に、重要な「機能」が次々と見出されているのです。

⚫︎【え…スゴイ!】高いところから見ている次世代電柱の活用法
 スマートポールは、街路灯やWi-Fiスポットとして機能するだけでなく、デジタルサイネージやスピーカー、さらに防犯カメラや太陽光パネルなども備える、といったことも考えられています。
 今年には、大阪・関西万博での実用化を目指した実証実験として、人気アニメ『新世紀エヴァンゲリオン』の機体を模して作られたスマートポールも話題になりました。

 兵庫県三田市では、交通事故を防ぐことを目的にスマートポールの実証実験が行われています。舞台は神戸電鉄の路線が通じるニュータウン「ウッディタウン」で、市が2022年度から取り組む「さんだ里山スマートシティ構想」の一環として、電柱を所有する関西電力送配電や神姫バス、アシックスなどと協力して行ったものです。

 関西電力送配電に取材したところ、今回の実証実験は、スマートポールの機能の1つである「安全運転支援機能」と「見守り機能」を搭載した電柱で行ったとのこと。
 たとえば、交差点の陰から自転車が飛び出そうとすると、近くを運転中のバスの運転席に「減速してください」といった音声が流れたそうです。

 ちなみに、関西電力送配電では安全運転支援の取組みを2018年から検討しており、実証実験は今回で3回目。同社に詳しく話を伺いました。

⚫︎アイデアが無限に生まれる!? ドンピシャな活用案も
 前出したバスへの「減速してください」の注意喚起は、スマートポールの「安全運転支援機能」実験の一環です。歩行者などの動向が見にくくスピードが出やすい交差点において、脇道から通行する歩行者などの情報を、電柱に設置するセンサー(レーダー、カメラ)により事前に検知、バスの運転者に伝えることで交通事故の未然防止と安全性の向上を図ります。

 通知の手段は2通りで、先ほどの車内音声通知のほか、交差点手前にあるLED表示板で視覚的に通知する方法もあります。
 また、今回の実験では歩行者への通知は実施していないものの、技術的には別途LED表示板を歩行者側に設けるなどの対応は可能ではないかということでした。

 そしてもうひとつが、「見守り支援機能」の実験です。Bluetooth(以下、BT)搭載の自転車およびシューズが、BT受信機を設置した電柱付近を通過することで、スマートポールがその通過時刻や運動情報を取得。住民の居場所の履歴データから見守りにつなげたり、電柱から歩行者へ歩数を通知することで運動促進を図ったりしたそうです。

 関西電力送配電によると、いずれも技術の有効性については確認、理解を得ているものの、機器のサイズやコストなど実運用については課題が残っている、とのことでした。

 今後はさらに、バスだけでなく自動運転車両(無人)の安全支援の有効性についても実証検証していく予定とのこと。
 また、将来ドローンや電動モビリティが普及した際に、それらの充電拠点としてもスマートポールが活用できないか検討を進めているとのことでした。
 次世代電柱「スマートポール」の進化、今後も注目です。




💋後は倒れない電柱を!太陽電池も装着?
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