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なぜ『もののけ姫』はアメリカで成功しなかった…? 宮崎駿を憤慨させた、悪名高いプロデューサーとのバチバチエピソードを 2023/12

2023-12-01 22:42:57 | 📺 映画・TV ・スカパー視聴

なぜ『もののけ姫』はアメリカで成功しなかった…? 宮崎駿を憤慨させた、悪名高いプロデューサーとのバチバチエピソードを紹介
 映画チャンネル  より 231201


『もののけ姫』2人でシシ神に頭を返すシーン© 1997 Studio Ghibli・ND

 多くのアニメ映画ファンより高い期待が込められていた映画『もののけ姫』は、残念ながら本作の米国公開は絶望的な形でその幕を閉じた。
 一体なぜ日本国内で非常に人気が高く、傑作として知られる『もののけ姫』は、米国では上手くいかなかったのか。
 今回は、現地メディア米Colliderを参考に、その詳細内容を解説していく。
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●日本映画史に残る不朽の名作。米国で受け入れられなかったワケ

 1997年。宮崎駿監督とスタジオジブリは、最高傑作の一つと呼び声の上がる、映画『もののけ姫』(1997)を発表した。

 宮崎監督は『もののけ姫』より以前は、映画『となりのトトロ』(1988)、映画『魔女の宅急便』(1989)のように、誰にとっても視聴しやすく、子供向けでもあり、軽快なテンポでストーリーが展開する。子どもでも視聴しやすい作品を制作してきたジブリ作品において、初めて大人向けの内容を描いた映画『もののけ姫』は、公開当時、賛否を巻き起こした。

 映画『もののけ姫』は、次代の一族の長になるべくして育てられた若き戦士アシタカが、「タタリ神」からもらった呪いを解くために村を去り、発展する文明社会と森の神々や精霊たちが住む自然界の確執に巻き込まれる。人間界と自然界、その両者が天秤にかけられる、壮大な作品だ。

 本作は、1997年の日本公開時に、熱狂的とも言える支持を獲得した。ちなみに1997年にはジェームズ・キャメロン監督による、レオナルド・ディカプリオ主演の映画『タイタニック』(1997)も公開されている。映画『タイタニック』は現在に至っても世界歴代興行収入ランキング4位の座を獲得する大ヒット作である。

 そんな映画史の金字塔である『タイタニック』が日本で公開されるまで、映画『もののけ姫』は、国内歴代最高の興行収入を記録した作品であった。
 また、同年の日本アカデミー賞では、映画『もののけ姫』は最優秀作品賞を受賞。

 これだけの大きな成功を収めたにも関わらず、一体なぜ米国公開時の評判が芳しくなかったのだろうか。Frames Per Second誌の記事によると、ディズニーは元々、スタジオジブリの映画作品を米国の観客に配給することに、大きな可能性を見出していたという。

●宮崎駿VSハーヴェイ・ワインスタイン
 1996年、ディズニーはスタジオジブリ全作品の一次家庭用配給会社となる契約を結び、全世界で作品を公開。映画『天空の城ラピュタ』(1986)や、映画『魔女の宅急便』(1989)といった作品には、子供向けのユーモアさが含まれており、ディズニーブランドにピッタリの作品であった。
 当初は、日本での本作の成功を考えれば、映画『もののけ姫』も、米国で人気が出るに違いないだろうと考えられていた。しかし『もののけ姫』を鑑賞した配給会社のお偉方は、同作を売り出すためには他のジブリ作品と同じ宣伝スタイルではいけないと考えた。

 他のジブリ作品にはないダークなテーマや、生々しい暴力描写が含まれる『もののけ姫』のタイトルには「“姫”(プリンセス)」の言葉が含まれている。これまで「“姫”(プリンセス)」という言葉をタイトルに含む作品を多く世に生み出してきたディズニーにとって、同作の内容は「“姫”(プリンセス)」という言葉が想像させる内容とは遥かに異なっていたようだ。

 1990年代当時、日本ではすでにアニメに親しむ大人の存在は珍しくなかったのに対し、アメリカ国内では、50年以上にわたるディズニー・アニメーション作品のおかげで「アニメ=子供向け映画」という考えが未だ根強かった。

 スタジオジブリ作品は、ディズニーに利益をもたらす存在である。にもかかわらず、ディズニーは、大人向けアニメーション映画である『もののけ姫』の扱い方がわからず、別の部門に管理を託すことになる。それが映画やテレビ番組の製作・配給会社「ミラマックス」である。

 映画プロデューサーであるボブ・ワインスタインと、ハーヴェイ・ワインスタインの2人により1979年に設立された「ミラマックス」は、1993年にディズニーに買収されるまでは、独立系映画の配給・製作の大手企業であった。

 ちなみに、ハーヴェイ・ワインスタインは、2017年に過去の性暴力および性的虐待事件とその隠蔽工作が発覚して逮捕。”ハリウッド史上最悪のプロデューサー”として、今ではすっかり悪名高い人物である。

●『風の谷のナウシカ』がハリウッドで舐めた辛酸
 映画プロデューサーのハーヴェイ・ワインスタイン。2017年に性暴力等の隠蔽で逮捕され、アメリカ社会に大きな影響を与え、「#MeToo運動」へと発展する。

 元スタジオジブリ海外事業部取締役部長のスティーブ・アルパートによると、この「ミラマックス」の映画プロデューサーのワインスタインは、『もののけ姫』の上映時間をオリジナルの135分から90分に短縮するように要求。宮崎駿はこの要求を拒否したという。

 また、真相は定かではないものの、宮崎はその際、ワインスタインに「ノーカット」という文字が記載された日本刀を郵便で送ったというエピソードも聞かれる。宮崎は「それをやったのは私のプロデューサーです。でも実際、私がハーヴェイ・ワインスタインにニューヨークで会ったときは、カットしろと強く要求されました」と、当時のことを回想している。

 また、実のところ、宮崎は、自作の全米公開に失敗した過去があった。それは、1980年代、宮崎監督の2作目となる長編映画作品『風の谷のナウシカ』(1984)だ。本作は、日本での大ヒットを受け、米国の配給会社に買い取られる。

『風と谷のナウシカ』の成功は、スタジオジブリの立ち上げにつながった。しかし、同作は全米公開の際、よりわかりやすい子供向け作品に変更するため、オリジナルの内容から20分以上もカットされるという憂き目をみる。

 また,タイトルも『風の谷のナウシカ』から『Warriors of the Wind(風の戦士たち)』に変更。この変更により,残念ながら,本作に込められたメッセージは薄まることになった。

●興行収入で計れない作品の価値
 話を映画『もののけ姫』に戻そう。作品内容は変えずにアメリカの観客に少しでも受け入れられやすいように、いくつかの変更が加えられた。
 当時、DCコミックス社から発刊された、コミックシリーズ『サンドマン』の著者として知られる作家のニール・ゲイマンは、吹き替え版の脚本製作のために雇われた。彼に与えられた任務は、本作に含まれる日本特有の伝統的要素を簡略化し、わかりやすくすることだった。

 また、米国版の映画『もののけ姫』のポスターデザインは奇妙なものに仕上がっている。オリジナルの本質とはかけ離れた「the fate of the world rests on the courage of one warrior“世界の運命は一人の戦士の勇気にかかっている”」というキャッチフレーズと共に、何故か本作のヒロインのサンがコインとなって描かれている。
 さらに本作のマーケティングとしては、日本での成功や宮崎駿の作家性をフィーチャーしたものではなく、米国版のセレブな声優キャスト陣を強調するようなものが多く見受けられた。
 公開当時、本作は米国内の限られた劇場でのみ上映が行われ、230万ドル(約3億4,374万※現在の価格)というやや期待外れの興行収入を記録。とはいえ、このような不幸な行き違いが起こったものの、映画『もののけ姫』は観客を確実に惹きつけたのは事実だ。

 アメリカで最も影響力のある映画評論家の一人、ロジャー・エバートは、本作に4つ星中満点を付け、1999年の映画ベスト10に選出。また、本作は定期的に米国内で再公開が行われ、そのたびに大きな収益を上げ続けている。
 また、映画『タイタニック』で知られるジェームズ・キャメロン監督でさえ、2009年のヒット作『アバター』に多大な影響を与えた作品として『もののけ姫』の名を挙げている。

 映画『もののけ姫』は、米国では、売り出し方やセールスの面で多くの苦難に見舞われた作品となった。しかし、良い映画というものは、たとえ障害があったとしても、人々の心に時間をかけてしっかりと届くものなのだ。



💋一種の思想統制、まるで共産主義!が自由主義の米国でも実際あるとは…

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