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防衛省、「高出力マイクロ波」兵器を開発へ…軍用ドローンを無力化  202202

2022-02-05 20:43:00 | 気になる モノ・コト

防衛省、「高出力マイクロ波」兵器を開発へ…軍用ドローンを無力化
  読売新聞オンライン より 220205


 防衛省は来年度から、敵の軍用無人機(ドローン)を無力化できる「高出力マイクロ波」(HPM)兵器の研究開発に本格的に乗り出す。現代戦で戦局を左右する電磁波領域に対応した装備や技術を導入し、防衛力を高める狙いがある。

 マイクロ波は電子レンジで食品を加熱する時などに使われる電波だ。これを応用して強力なマイクロ波をビーム状に照射することで、ドローン内部の電子制御システムなどを故障させる。

 中国やロシアが開発に力を入れるドローンは小型化が進み、高性能化している。飛来の予測が難しく、低空飛行の場合はレーダーなどで捉えにくいため、発見が遅れがちだ。多数で襲撃する「飽和攻撃」も想定されることから、瞬時に同時対処する能力が必要になる。

 HPMの導入はドローンなどへの迎撃能力が格段に強化され、戦力バランスを一変させる「ゲームチェンジャー」になると注目されている。具体的には、
▽狙った目標に光速で到達
命中率が高い
▽照射方向の変更が簡単で飽和攻撃への対処能力が高い
▽弾数の制約がなく電力消費のみで低コスト
――といった特徴がある。照射装置を車両に搭載すれば、移動式も可能だ。
 緊急発進(スクランブル)して対応する航空自衛隊の戦闘機と比べ、隊員の死傷リスクが減る利点もある。

 防衛省は今後5年間かけて試作に取り組む予定で、来年度予算案に72億円を計上した。対ドローンのHPMが実用化できれば、北朝鮮によるミサイルの迎撃などに用途が広がる可能性もある。
 将来的には、イージス艦搭載の迎撃ミサイル「SM3」と、地対空誘導弾「PAC3」という現行の二段構えのミサイル防衛網を補完することも期待される。同省幹部は「HPM技術の確立は急務だ」と話す。

 ◆ HPM =High Power Microwaveの略。建物や人に影響を与えずに電子機器だけを無力化するエネルギー兵器。米軍が2003年の対イラク戦争でイラク国営テレビ局への攻撃で使用したと報じられた。米空軍は19年にHPM兵器を配備し、中国やロシアも研究開発に取り組んでいるとされる。

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