社会的に成功した人とそうでない人の違い。
一方は肩書きがなければ何もしないが、もう一方は違う。
肩書きなどなくても居場所さえ与えれば、何かをやる。
震災をきっかけに、自らも被災者となった暴走族の少年が、震災のボランテイアとして活動するニュースがある。
肩書きをたくさん集めて、初対面の人に、「君、私は日本の○○の権威であることを知っているのかね」などといい年をした人が語るのに辟易している私は、この暴走族のボランテイア精神の方が打算がないという点で健全なものに映るのである。
要は、肩書きなどなくてもその気になれば何でもできるということに気がついた時に、肩書きが役に立てば素晴らしいのであるが、なかなかそうはならないものなのだ。
http://www.asahi.com/national/update/0418/TKY201104180362.html
「復興支えたい」暴走族解散 総長、ボランティア志願(1/2ページ)2011年4月19日17時51分
暴走族の団旗が警察に預けられた=17日午前11時27分、水戸市三の丸1丁目の水戸署
自分自身の行動を深く反省し、これからはボランティアチームとして活動することを誓います――。東日本大震災で津波に襲われ、大きな被害が出た茨城県大洗町の暴走族が17日、解散した。自らも被災し、避難所での生活を余儀なくされたメンバーたちは今後、町の復興のために尽力するという。
解散したのは、大洗町を拠点とする暴走族「全日本狂走連盟愚連隊大洗連合ミスティー」(構成員約15人)。震災前は、大洗海岸沿いの国道51号などで疾走を繰り返していた。
17日、メンバーの少年9人が水戸署に集まった。総長の少年(16)が解散宣言で「これまで地域の人に多大な危険と迷惑をかけてきた。今後は震災の復興のためにボランティアをする」と誓うと、署員や町職員らから拍手が起きた。
「震災で避難所生活を送った彼らは、大人たちから水をもらったり、『寒いね』と話しかけられたりした。そこで気持ちに変化が生まれたのでは」。長年、地域の子どもたちを見守ってきた天台宗西福(さいふく)寺(同町磯浜町)の小野融教(ゆうきょう)執事(34)は振り返る。
西福寺には、学校生活にトラブルを抱えた子どもたちが集まってくる。小野さんに悩みを打ち明け、落ち着きを取り戻す子どもも少なくない。ミスティーの少年らと小野さんは数年来のつきあいだ。
かねてから話し合っていた解散話を持ちかけた。「そろそろ違う形で自分たちの力を使おうよ」
小野さんの提案に、少年たちはボランティアを志願。今後は、がれきの撤去作業など、町の依頼に応じて活動するという。
総長の少年は「自分たちが解散して、正直、町は平和になるし、安心して生活できるようになると思う。自分たちと同じような境遇の人も参加できるようなボランティアチームを作っていきたい」と決意する。
ただ、道のりは険しい。
これまで散々迷惑をかけてきたのに地域に受け入れてもらえるのか――。そんな不安も少年らにはあるという。
小野さんは話す。「彼らには、居場所が必要なんです。今まで警察に追われて冷や汗しかかいたことないかもしれないけど、これからは気持ちいい汗をかいてほしい」(目黒隆行)
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