名将の条件 監督受難時代に必要な資質/野村克也/SBIクリエイテイブ/2016
プロ野球の名選手かつ名監督だった野球人が書いた実質的な遺作の本。
世の中にはちょっと有名になったくらいでビジネス書を発刊したり、ニホンシリーズで優勝したことで有頂天となりビジネス書モドキの悪本を刊行するケースが結構ある。が、野村克也の場合は、実戦と実践が伴っている。
少なくとも、選手やチームを育て上げたことが伝わってくる。古書価格はこの種の本にしては珍しく、2000円以上にある。自民党が野党時代、著者が講師として自民党本部に招請され、講演したこともあった。
野球だけでなく、ビジネス書としても読み応えある一冊に仕上がっている。
対照的な野球人として、選手を甘やかし、シーズン中に暴力沙汰が発生、毎年のようにシーズンオフに本を出し続けた、幼稚で指導力がない、Bチーム状態で10年も監督を続けた、無責任なプロ野球監督がいる。よせばいいのにWBC監督まで引き受けたそうだが、野村チルドレンの一人として極意のウンチクが理解できているのであろうか。
ちなみに、野村克也はこの野球人について、選手の身だしなみについても指導対象とすべきとこの本にて書いている。つまり、シーズン中の暴力沙汰は、この監督の監督としての指導力のなさ、意思の弱さが招いたことを暗示しているのである。
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