雑音を排して、情報分析する人は少ない。知る限り、職業的目的のために雑音を排した人は二人おられた。
一人は、林輝太郎という相場師、この方は、相場に係わる本を何冊も出版した。極意を一言で言うと、テレビや新聞から得られる情報はすべて発信された時点で既に相場に織り込まれており、そんなものを頼りに相場に参加しても儲かるはずはないと書いてあった。
現代は、情報化社会。情報が至る所氾濫、好むと好まざるにかかわらず取捨選択せざるを得ないほど存在する。騒々しい言論人も増えている。相場書を書いた相場師が言いたかったことは、テレビや新聞、相場関係の雑誌から得られる情報は、基本的に雑音に過ぎないということなのであろう。
実は、もう一人、雑音を排した方がイギリスにおられる。ご存命かどうかはわからない。この方のことは岡崎久彦の本にて、名うての「ソ連の分析者」として紹介されている。とにかく、雑音を排し、余分な情報には係わらず、人との接触も避け、仙人のような生活をされているとのことであった。
たまに友人、知人と会い、直後に何か書こうとして、普段と感覚が異なることに気づかれる方ならわかることである。
雑音とは、心に隙があるだけで無意識のうちに、入り込むやっかいな存在ということなのである。
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