国家の尊厳/先崎彰容/新潮社/2021
文体上、異質なキーワードが連続、繋ぎ合わさっている関係で、初めて読んだ瞬間、論理的飛躍が続出していると錯覚することが避けられない。
各章毎に、主題となるテーマが設定され、テーマにふさわしい歴史上の重要人物を登場させ、人物の言動と重要なキーワードを見出し、明確な論理で繋ぎ結論づけた成果が本書である。
同じテーマを扱っている本に「国家の品格」(藤原正彦)がある。こちらは、多分に情緒的であるのに対し、本書はより論理的かつ国家感を指し示そうとする痕跡が認められる。
保守政治思想に関して言うと、日本の政治思想は根無し草状態にある。(中川八洋説)
本書のような労作の積み重ねがあって日本独自の保守政治思想が構築される気がするところである。
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