心の散歩道
哲学先日見たテレビで、京都の哲学の道が紹介された。
哲学の道は、桜の名所だそうだ。
京都には何度か旅行したことがあるが、どれも桜とは関係ない時期だったので桜の名所だとは知らなかったのだ。
哲学の道は、確か、道に沿って小川が流れていたと思う。
私も哲学の道を歩いてみたい一人だが、毎日歩くには、いささか抵抗がある。
それは、現実逃避に近いからだ。
哲学の道には、素晴らしい環境、この世のものとは思えない風情があるが、それが、その地に縁も所縁もない者が浸ることは、自ら自分が自分であることを失うことを意味するからだ。
私には、故郷がある。
その故郷には、今も変わらない街並みがあり、私だけの散歩道がある。
桜は咲かなくても、それが、私にとっての哲学の道なのだ。
そして、
それで十分ではないかと
ふと思った次第である。コメント (0) | トラックバック (0) | goo
哲学と出会った時期
2009-08-07 18:00:00 | 哲学私は、哲学マニアかもしれないと思った時期がある。というのは、高校時代、勉強の合間に哲学書をあれこれ読み漁っていたからである。
当時は、難しいことも書いてあったが、こういう文章表現もあるのかという感覚で読んだ部分もあった。
しかし、カント、ヘーゲル、マルクスは苦手だった。何が書いてあるのか私の理解を超えていた。
その中で、特に一冊気にいった本があった。それは、ガストン・パシュラールであった。
いろいろあるが、これらの本に共通するテーマは、空間、空想、夢、詩学、科学である。
この人の哲学でもない詩でもない空想の世界に、私は当時随分魅了され。その中の一冊は今も持ち続けている。タイトルは「空と夢」だったかと思う。確か哲学者ニーチェの言葉と詩を関連付けた一節を見つけたとき、哲学の中に私の中の新大陸を発見したくらい感動したのである。
関心ある方はアマゾンのレビューを参照いただきたい。
さて、ジャンルは違うが、JIMMY WEBBというシンガーソングライターがいる。
私は、この人の曲が好きで、よく聴く。一言で言うと、情景や心象風景が目に浮かぶような曲が多いのだ。「恋のフェニックス」が代表作である。
ガストン・パシュラール的作曲家と言ったらよいと思う。
JIMMY WEBBは、あまり歌うのが上手ではないので歌手に提供して歌わせることになる。そして、他人が歌うことでその曲がさらに素晴らしい曲に仕上がってしまうのだ。
中でもアート・ガーファンクルやリチャード・ハリスのJIMMY WEBBアルバム(JIMMY WEBBの曲だけを取り上げたアルバム)は傑作中の傑作だと思う。
これらの曲のメロデイと詩とその背景にある哲学、それは一見、無関係のようだが、類まれな叙情性あるメロデイライン、ある決定的な一瞬の心象風景を想起させる詩、倫理感と清潔感にあふれた歌い方、それらは、黄金比のバランスで配置されているようでもある。
ガストン・パシュラールの世界は、空想、哲学、詩、どれをとってもとらえどころのない世界だが、いつか読みなおしたいと思っている。
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