梶山茂『新・読めば分かる“憲法改正”』(文芸社)
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改憲は普通の日本人なら常識的欲求ではあるが、改憲手続きを現行憲法に準じておこなうとする法理論が目下、大勢を占めている。
すくなくとも世界の常識に照らせば、占領軍が恐喝と脅迫で非占領国に押しつけた『基本法』なるシロモノは、独立回復と共に無効を宣言すれば良い。
なぜなら現行憲法に準拠して改正することは現行憲法という無効基本法を認めることになり、二重に敗北主義となるからだ。
また改憲の眼目は国家元首と議会、内閣、兵役と納税、司法くらいを謳う対外マニフェスト的なもの、五箇条のご誓文と十七条憲法くらいでよろしく、あとは不文律という我が国の歴史と伝統のコモンセンスに従えばよろしい。
という骨子は本書の内容ではなく、評者と「こんな憲法踏みにじれ」と言って憚らない西部邁氏と小生との対談の中味である(ただしこの部分は活字になるかどうかは編集部まかせ。『日米安保、五十年』、海竜社。10日発売)。
さて、話を飛躍させてしまったが、本書はすこぶる付きに真摯な姿勢で説く憲法改正論、その逐条の矛盾検証の本である。
著者の梶山さんは長崎の病院経営者というより九州を代表する愛国者のひとり、ミニコミ誌にも健筆を振るわれ、鋭く工学的な論理には瞠目させられる。
三島由紀夫も指摘したが、共産主義運動でも『天皇』をいただくと言えば、ラオスやカンボジアのような事がおこる。日本国憲法は「天皇を世襲」と規定しつつ、国民の合意によると共和制を説くという単純ミスを犯している。
要するに矛盾だらけ、誤訳だらけである。
『議決』と『可決』の誤訳など20条にわたり、29ヶ所の誤訳を学者が指摘している。
奇怪なる表現は十八条にある「奴隷的拘束も受けない」という字句はどうみても日本の歴史と矛盾する。日本には奴隷を売買した過去がない。あきらかに米国憲法十三条の「奴隷制度の廃止」の猿まねである。
こうして改憲論議の基本をおもいださせる良書。勉強会のテキストとしても最適である。
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改憲は普通の日本人なら常識的欲求ではあるが、改憲手続きを現行憲法に準じておこなうとする法理論が目下、大勢を占めている。
すくなくとも世界の常識に照らせば、占領軍が恐喝と脅迫で非占領国に押しつけた『基本法』なるシロモノは、独立回復と共に無効を宣言すれば良い。
なぜなら現行憲法に準拠して改正することは現行憲法という無効基本法を認めることになり、二重に敗北主義となるからだ。
また改憲の眼目は国家元首と議会、内閣、兵役と納税、司法くらいを謳う対外マニフェスト的なもの、五箇条のご誓文と十七条憲法くらいでよろしく、あとは不文律という我が国の歴史と伝統のコモンセンスに従えばよろしい。
という骨子は本書の内容ではなく、評者と「こんな憲法踏みにじれ」と言って憚らない西部邁氏と小生との対談の中味である(ただしこの部分は活字になるかどうかは編集部まかせ。『日米安保、五十年』、海竜社。10日発売)。
さて、話を飛躍させてしまったが、本書はすこぶる付きに真摯な姿勢で説く憲法改正論、その逐条の矛盾検証の本である。
著者の梶山さんは長崎の病院経営者というより九州を代表する愛国者のひとり、ミニコミ誌にも健筆を振るわれ、鋭く工学的な論理には瞠目させられる。
三島由紀夫も指摘したが、共産主義運動でも『天皇』をいただくと言えば、ラオスやカンボジアのような事がおこる。日本国憲法は「天皇を世襲」と規定しつつ、国民の合意によると共和制を説くという単純ミスを犯している。
要するに矛盾だらけ、誤訳だらけである。
『議決』と『可決』の誤訳など20条にわたり、29ヶ所の誤訳を学者が指摘している。
奇怪なる表現は十八条にある「奴隷的拘束も受けない」という字句はどうみても日本の歴史と矛盾する。日本には奴隷を売買した過去がない。あきらかに米国憲法十三条の「奴隷制度の廃止」の猿まねである。
こうして改憲論議の基本をおもいださせる良書。勉強会のテキストとしても最適である。
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