閑雲孤鶴の日々  - Fire生活者の呟き -

Fire生活経験談のほか、世相世情 💹📆、知的生産技術💻📱、書評📒について、書き綴ります。⏳

沈黙

2011年07月07日 | 書評 小説
沈黙/遠藤周作/新潮社/1966

江戸時代に実際にあったキリシタン弾圧の歴史小説である。
また、遠藤周作はクリスチャンでもあった。

また、この小説は名作との評価が定着している。

ただ、私は、あえて問題提起したいのだ。

なぜなら、この小説の背景とは別に歴史的に4つの事実が存在するからだ。

・キリスト教宣教師たちが、日本人奴隷貿易に手を染めた時期があった
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A5%B4%E9%9A%B7%E8%B2%BF%E6%98%93
・その事実を知り、豊臣秀吉が宣教師に人身売買の事実関係を詰問し、キリスト教を禁止し、徳川時代の弾圧につながった
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A5%B4%E9%9A%B7%E8%B2%BF%E6%98%93
・天草・島原の乱で一揆勢が手にした多くの鉄砲や弾薬の類は、奴隷取引によって購われた武器であった
http://www.geocities.jp/kanemasa2/data5/ten8.htm
・キリスト教宣教師たちは、結局は国家侵略の先兵だった
http://www7b.biglobe.ne.jp/~amakusa/bakufuhanazekinnshishita7.pdf

もし、歴史小説を書く才能と書くことによる収入がある程度保障されている立場にあったとすれば、
日本人奴隷の話
キリスト教宣教師たちの正体(豊臣秀吉とイエズス会との関係)
江戸時代のキリスト教弾圧
これら3つからなる三部作を小説化して初めて、完璧と言えるのではないだろうか?

私は、遠藤周作は、小説家として有能であると思うがゆえに、キリスト教徒の殉教部分だけを小説化したことについて、正直失望している。

もし、生まれ変わって、再び小説家になられたのなら、残りの二部作を是非、執筆いただきたいものである。

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