世界の指揮者/吉田秀和/筑摩書房/2008
あまり交響曲、管弦楽曲は聴かないが、それでも音楽評論書として、この本は名著レベルにある。
ためになりそうなアマゾン書評も紹介させていただく。
mogeru
5つ星のうち5.0 幸福な時代の記憶
2018年8月21日に日本でレビュー済み
この本は、日本の音楽ファンが最も幸福だった時代の記憶だ。演奏会が徐々に盛んになり、演奏者のレベルが上がり、レコードやCD産業と手を携えて超一流の音楽家達が日本に紹介されていった時期。
吉田は、日本の最高レベルの知性と教養、音楽の専門的な知識、たぐいまれな感性を、すべて兼ね備えていた上に、トスカニーニ、ワルター、フルトヴェングラーをはじめ、名だたる演奏家を直接聞いたことがある(そしてそれを良く記憶していた)、二度と得ることの出来ない評論家だった。
この本の中にある評は、吉田の経験や知性が惜しみなく注がれ、当時の日本の音楽ファンを、安心して音楽に浸れるよう導いてくれた、最高の指針だったのだ。そして、それが、多くの人に読まれ、(丸谷才一が言ったように)我々、音楽ファンを育んだのだった。
この本は、その記録なのだと思う。
パルパティーン皇帝
5つ星のうち5.0 勉強になりました
2013年5月19日に日本でレビュー済み
僕の音楽観の基礎はこの本で築かれたと言っても過言ではない。
何度通読しても読み飽きることのない、文字通り座右の一冊である。
クラシック音楽、特に指揮者について思いを巡らすことの楽しさ
をこの本から教えられた。吉田さん、勉強になりました。
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