1953年のアメリカ合衆国の西部劇映画。パラマウント映画製作・配給。監督はジョージ・スティーヴンス、
主演はアラン・ラッド。
ジャック・シェーファーの小説の映画版。映画批評家のアンドレ・バザンは「sur-Western(新たな西部劇)」と位置づけ、興行的にも成功した。
第26回アカデミー賞で撮影賞(カラー部門)を受賞。1993年にアメリカ国立フィルム登録簿に登録された。
作品の格闘描写は、当時では画期的な、暴力的で激しいものであり、発表当時は、その描写が話題となった。
あらすじ
南北戦争後のワイオミング州の西部に広がる高原、グランドティートン山が前にそびえ立っているジョンソン郡の開拓地では、
牧畜業者と農民との間で、いがみ合いが続いていた。南北戦争後に政府は西部開拓を積極的に進めるために、
入植した農民が5年間耕作すると無償で一定の土地が得られる法律が作られて、農民が新しい土地に開墾に入るとそこに牧場主がいて、各地で争いが生じていた。
この土地では従来からの権利を主張する牧畜業者のライカー一家と開拓者たちが対立していた。
開拓者が来る前に、先住民族と戦い、この土地を今日の様にしたのは自分達だとライカーは主張していたのだ。
ある日、この土地にやってきた流れ者のシェーン(アラン・ラッド)は、ある開拓者の住まいに辿り着き、飲み水をわけてもらう。
開拓者の主のジョー・スターレット(ヴァン・ヘフリン)から「ライカーの仲間か」と聞かれるが、そこへライカー一家がやってきて従来の主張を繰り返す。
シェーンはジョーに加勢しライカー一家を追い返す。ジョーはシェーンを夕食へ招待し、夕食をおごられたシェーンは、作業を手伝いこの家に留まる決心をする。
やがて息子のジョーイと仲良くなり、そしてジョーやその息子ジョーイと友情を結ぶシェーンだった。
ジョーの妻マリアンは彼に惹かれ、またシェーンも彼女に惹かれてゆく。そして農民たちとも親しくなっていった。
シェーンはジョーの遣いで針金を街に受取に行き、自身の作業服も買おうとするが、酒場でライカーの手下クリス・キャロウェイに侮辱を受ける。
ジョーからいざこざに巻き込まれないように言われていたシェーンは甘んじて侮辱を受け流す。
しかし、シェーンが腰抜けと言う噂が流れたため、シェーンは次に開拓者達と街に行った際に、クリスを叩きのめしてしまう。
ライカーは掌を返しシェーンを雇おうとするがシェーンは拒否し、多勢に無勢で窮地に。
そこへジョーが飛び込み大乱闘になり、ライカーとその一家を叩きのめしてしまう。
ここで、シェーンとジョーとの殴り合いに敗れたライカーとその一家はシャイアンに遣いを送り、殺し屋のウィルスンを雇う。
力ずくで農民たちを追い出す魂胆であった。殺し屋ウィルスンは開拓農民の一人トーレーを挑発し、トーレーが銃に手をかけたとたんに早撃ちの1発で殺害する。
その暴虐に農民達は恐れて立ち去ろうとする者がいる一方で、ジョー・スターレットは立ち向かうことを主張した。
そして、この抗争に終止符を打つため、ライカーがジョーに話し合おうと呼びかけたことで、ジョーは単独でライカーに会いに行こうとするのだったが、
ライカーと手を切ると決意したクリスの忠告を受けたシェーンは罠だと諌めて力ずくで止め、一人でライカーとその一家に立ち向かう。
シェーンは酒場でライカーやウィルスンを、「0.5秒」の早撃ちで倒した。
そして、2階から彼を狙い撃とうとしたライカーの弟は、ジョーイのとっさの掛け声で、シェーンに返り討ちにされる。
しかし、シェーンもまた脇腹を撃たれていた。彼が家に来てから彼を慕い、憧れていたジョーイは犬とともに酒場まで追いかけてきたのだった。
傷ついた身体を心配して一緒に家に帰ろうと呼びかけるジョーイに、シェーンは「人を殺してしまえば、もう元には戻れない」と言って、馬に跨りワイオミングの山へと去っていった。
必死に呼びかけるジョーイの声はやがて「シェーン!! カムバック!!」と山にこだまするのであった。
*アラン・ラッド(1913年9月3日 ~ 1964年1月29日)は、アメリカ合衆国出身の俳優である。
西部劇映画の代表作『シェーン』で主役のシェーンを演じたことで知られる。
~wikipedia~
シェーン(日本語字幕) part1
シェーン(Shane,日本語字幕) part2