理由なき衝動的な感情には注意して静観します

コノ世の色々な物事（異性・性交・金銭・名誉・物・批判する事・・・）に惹（ひ）かれる深層意識からの衝動が次々と湧き起こること。

このような「自我から生じるサガ（性）」が残存する限り、人はコノ世に強制的に何度でも生まれ直す縁と成ります。

だから、自我から生じるサガを一切持たない人は、

コノ世とアノ世を往復する輪廻（りんね：生まれ変わり）を終わらせます。

それはまるで蛇が古い皮をスルッと脱ぎ去るように出来ます。

（原始仏典　スッタニパータ　第１章１節－No.15）

（感想）
釈尊は、コノ世の物事に執着する「嫌な」「変なこだわり」のサガを人が持つ限り、その人は何度でも「これでもか！」とコノ世に生まれ直すと断言されています。

でも、自分にとっての「嫌な」「ダメな」サガとは何か？
が自分では分からないものです。
世の中や他人に貢献したいと思う「良い執着」「良いサガ」も存在すると思います。
ただ、「良いサガ」の場合、それに「執着する」ことが無いのです。
それがダメでも、清々しく、仕方がない、と素直に思えて「忘れて行きます」。

悪いサガ（異性・性交・金銭・名誉・物・批判する事・・・）の場合は、理屈なくソレが欲しくなり、なかなか「忘れることが出来無いのです」。

そして、この項での新たな示唆は、悪いサガは、「衝動的に湧き起こる」と表現されています。
ソレが好きだ、欲しい、と執着する悪いサガの場合は、理由もなしに衝動的に湧き起こるのです。
例えば異性に「一目惚れをする」とは、忘れている過去生からの縁であることが有ります。

もし一目惚れの相手に振られても、交際して別れても、その相手に執着しない場合は、過去生からの良い縁だったと言えます。
きっと過去生でも、見掛けたり、会話をした仲だったかも知れません。「貸し借りの無い関係」だったのです。

ところが、衝動的に好きに成った相手に振られた場合、それでも相手を忘れることが出来無い、いつまでも反芻（はんすう）するように思い出すこと。
更には、振られた相手に復讐したいと自分が思う場合は、その相手と過去生で「貸し借りが有った」かも知れません。

ただしここで注意点は、今生が新規の縁、の場合も多々有るのです。
だからコノ世での関係（会社の同僚、上司と部下、取引先、恋人同士、家族、親戚、隣人、・・・・）において、新規で悪い縁を残さないように配慮して生きることが得策なのです。

＊　他人を恨まないことが大切です。

コノ世で激しく憎しみ合う関係で終わりますと、来生に再びどこかで見掛けますと、
＊　なぜか衝動的に好きになる。
＊　恋人同士になる。結婚する。
＊　激しく憎しみ合うことになり、過去生の再現と成る。
というパターンも有ります。

この逆のパターンも有り、良いケースの縁の場合もあります。
とにかく言えますことは、その相手に「衝動的な感情が湧き起こる」場合は、善悪両方の知らない過去生からの因果・縁であるケースがありますから注意します。

釈尊が言われたことの全て。
仏典が示唆して導きたい本音の全て。
これを一言で言いますと、
「執着するな！」
なのです。

＊　良いことも、悪いことも、コノ世のすべてに執着せずに、自分なりの最善を尽くしなさい！

ということです。
ただし、執着はせずにと言いましても、何もしないこと・ただの怠惰は、縁者に迷惑を掛ける因果となり、コノ世のより悪い環境に再転生する因果と成ります。
自分のするべき仕事を頑張り、自分が出来る家族や他人へ協力することも、「貸し借り」を残さない為に必要なのです。

今日も、素直に、爽やかに、軽やかに、自分なりの最善を尽くして、楽しんで生きましょう。

生かして頂いて　有り難う御座います

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