以前当院に通院していた男性の患者さんで、１年ぶりに来院した方がいましが、何やら左のオッパイが痛いと訴えており、さっそく拝見しました。確かに右に比べて左が少し腫れているようでしたが、出血や糜爛などの所見なく、女性化乳房疑いの診断で経過観察することにしました。実はこの方は１年前、労作時の呼吸困難および頑固な夜間の咳で、２～３ヶ月前から悩まされており、近医にて風邪症候群および慢性気管支炎と診断されて治療してましたが、なかなか治らないとのことで当院を受診しておりました。その時の診察および検査では心房細動を伴う心不全（右心性）と診断され、[重症なので先ず１ヶ月は定期的に外来通院するよう]指導しました。治療がある程度奏功したのか、症状も軽減し日常生活も普通に出来る様になり、小生もホッとしている矢先、この患者はピタッと来なくなりました。後で電話した所、近医に通院しているとのことでした。この方はその後さらに2軒ほど回って出先で１ヶ月程入院し、今のところは心不全は改善軽快しているようでした。この患者さんの場合は最終的に地方の大きな病院で治療・管理されており、結果的によかったとおもいますが、開業医としては何かすっきりしない感があります。
