今月の医学雑誌PM(PUROGRESS IN MRDICINE4月号)に当院の投稿論文が掲載されました。タイトルはSU薬治療抵抗症例に対するイスリン抵抗性改善薬の併用効果-グリメピリド治療抵抗例に対するピオグリタゾンの併用効果-であります。現在DM(糖尿病)の第一選択薬はSU剤であるが長期投与すると次第に治療抵抗性となり、増量してもあまり効果がなく、インスリン治療に移行せざるを得ない患者さんが多い。しがって、SU剤(アマリール)治療抵抗症例では増量せず、アクトスを15~30㎎追加することでかなりの血糖改善効果が得られること、さらには30%の症例では劇的な効果が得られ、アマリールの減量が可能であるとの主旨の論文である。特にメタボ症例ではインスリン抵抗性が大きいため効果が大きいようである。更に、脂質異常改善効果も大きく、今回の症例では既に脂質異常改善薬投与(73%)があるにも関わらず、食後TG(約50%減)およびHDL-C(20%増)の著明改善が得られた。また、血中アデイポネクチン(高分子量)を2~3倍増加させる作用もあり、心血管イベント抑制の観点からも注目視される。したがって、これからのDM治療はインスリン抵抗性改善薬をファーストチョイスとした治療戦略が有効であると期待される。
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