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ドクトール隆の日常日記(秋田県大館市 伊藤内科医院)

日常診療とプライベイトに思う・・・

脂質代謝を再考する!

2011年09月18日 03時59分36秒 | 診療&トピツクス

 一般にLDL(コレステロール)を(悪玉)、sdLDLを(超悪玉)、HDLを(善玉)

と言う訳だがはたして正しい解釈(表現)でろうか?LDLは本来抹組織に必要

なコレステロールを肝臓から運搬するのに必要なリポ蛋白である。LDLやsdL

DLが血中に増加するのは食事で過剰なカロリー摂取のため、抹消の脂肪細

胞や肝臓に過剰にコレステロールやTGが蓄積した結果、LDLやsdLDLが行

き場を失って血液中に溢れるからである。また、HDLからLDL転換へ、CETP

(コレステロールエステル輸送蛋白)により、コレステロールが転送されるので、

(悪玉)、(善玉)と言う意味付けは誤りであるとの解釈もできる。動脈硬化の

発生機序からすると高コレステロール血症や高TG血症よりも血液中に含ま

れる過酸化脂質(特にコレステロールエステルに含まれる酸化された不飽和

脂肪酸)の代謝過程で発生するスーパーオキシドアニオン産生増加が重要で

あると思われ、真の悪玉はこれであるとも言えるのである。

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