さて要旨②では弘大循環器科の奥村教授の御講演であります。非弁膜性心房細動
で脳梗塞ハイリスク因子は①超高齢者(>75才)②脳梗塞の既往③低体重(<50kg)
で現行のワーファリンでは脳梗塞と脳出血のリスクが上昇して、重篤な状態(ねたきり/
死亡)になる場合が多い(>60%).近年登場したNOAC(DOAC)は両方のリスクを
優位に減少させることが可能で、実際には中心容量の半減で開始するのが安全である
としている。特にリクシアナでは通常60mgを30mgで開始することが重要であり、超
ハイリスク群では1/4量も選択肢に加えるべきとしておりました。いずれにせよ。有効性
を担保しながら、出血などの副作用を軽減する薬剤の選択肢DOACが有用と力説してお
りました。特にリクシアナは1回/日投与であり、2回投与より、コンプライアンスと安全性
が高いと評価されており、ENGAGE AF‐TIMI48など多くのエビデンスが集積しており
ます。また、DOACの脳出血例では限局性が多く、死亡例が少なく軽症例が多く、ワーファ
リンよりDOACの選択を力説しておりました。また脳梗塞の患者の副因子として①高血圧
(是正)②抗血小板薬中止③ワソランなど(P糖蛋白阻害作用)禁止④飲酒禁止すべきとし
ております。これらはDOACの出血リスクを増強するらしいです。個人的にはこれからはワ
ーファリン(時代)に変わり、DOACの時代に入ったと感じております!ただし、自院では消
化管出血症例も数例経験があるため、特に高齢者では定期的な貧血検査などが必要とな
りますよ。