昨日はDM合併症フォーラムin大館2011が小野薬品の主催で開催されました。
特に特別講師の櫻井孝先生(国立長寿医療研究センター)のDMと認知症リスク
について興味深いお話がありました。それによると2010年度の認知症発生率14
・4%と高く、かなり厚労省の予想(8%)を上まっており、急激に増加している現実
があります。DMの認知症発生リスクは1・6倍であり、血管性だけでなく、アルツハ
イマー型(AD)も増加しているとのこと。特にメタボ症例での持続的高インスリン血
症および高血糖(270~300mg/dl以上)では認知機能障害が出る可能性が高
くなるらしい。したがって、食事・運動の生活習慣に改善はもとより、DM治療では
高インスリン血症を改善する薬剤選択が重要で、現行のSU剤からDPP-Ⅳ阻害薬
への切り替えが有効と考えられる。またインスリン抵抗性改善薬ではBGよりチアゾ
リジン系剤(アクトス)が認知機能改善が期待でき有用としている。私もアクトスを好
んで投与している関係上勇気付けられました。またアディポネクチンの脳神経代謝
に関する効果について質問をしましたが、現在の所、明白な支持するデータはなく、
これからの検討が必要であるとのことでした。
高血圧の例ではコバシルが認知機能進展抑制効果があるというデータが豊富です。アクトスやDPP4にそうしたデータがあるのは知りませんでしたので勉強になりました。生活習慣病の治療薬に副次的に認知症の進展抑制効果があると嬉しいですね!