会社の後輩のお話

彼は「自分は鬱病で薬を飲んでいる」と告白した。
今日の彼はそう言われなくてもひと目で分かった。
なんとも痛々しい。表情が全くないのだ。
喜怒哀楽を忘れてしまったようだ。
それでもPCに向かって上司からの仕事をこなそうとしている。
いいんだよ、そんなに頑張らなくて……。

昼飯は彼とラーメン屋へ。
特別な話をするわけではない。
ただただ一緒に、それほど美味くないラーメンをすすった。
話をしていてしきりに手を両目にやる。
泣けてくるのか？しかし、その目には涙はない。

彼を見ていると、数年前の自分を見ているようだ。何とかしてあげたい。
感情の起伏が表情にない。あぁ、おれもあんな表情だったんだろうなぁ～。
私は上司に報告し、ただ事でないことを伝えた。
まるでこのまま消えていってしまうようだ。

そんな彼が私に質問した。
『どうやって、克服したのですか？』__________________________
ネットで知り合った死別シングルのパパさんやママさん達に救われたこと。
愛する娘の存在があったこと。
言葉を選んでそんな話をした。

残念ながら、私は医師でもないしカウンセラーでもない。
ラーメン屋で話を聞いてあげる事しかできない。
原因が何なのか、皆目見当が付かない。
分かる事は、強烈なストレスがあったことは確かだ。
彼の上司（私の上司でもある）は、仕事との関連性ばかり口にする。
でもそうじゃないんだよ～。

睡眠は浅いと言っていた。
朝方目が覚めてしまうのだそうだ。
この週末、彼はゆっくり休めるだろうか……