泉飛鳥塾

「古(いにしえ)の都・飛鳥」の原風景と共に、小さな旅で出会った風景等を紹介したいと思います!

飛鳥稲渕の 「綱掛神事(男綱)」

2016年01月12日 15時50分54秒 | 歴史

久しぶりに飛鳥に戻ってきました。穏やかな天候のもと、奈良県明日香村稲渕集落と栢森集落において、1月11日に「綱掛神事」が行われました。早速、見学・参加してきました。
「綱掛神事」は、稲渕と栢森両大字に伝わる神事で、稲渕では成人の日に、栢森(かやのもり)では毎年正月十一日に、勧請綱を新しく取りかえる神事です。

今年は何と、同一日になり一度に2ヶ所において「綱掛神事」が行われました。

今回は、奥飛鳥に残る「綱掛神事」を2回に分けて紹介したいと思います。最初は、稲渕の「綱掛神事(男綱)」です。

「綱掛神事」は、集落の下手の飛鳥川の上に綱を張ります。「子孫繁栄と五穀豊穣」を祈ると共に、悪疫などがこの道と川を通って侵入するものを押しとめ、住民を守護するための神事といわれています。

稲渕の「綱掛神事」は、勧請(かんじょ)橋の近く飛鳥川に架けられた勧請縄で、中央に稲藁で作った男性のシンボルが吊り下げられているので、「男綱」と呼ばれています。
「男綱」は長さ約85m、重さ300kg。住民約20人位で午前中に橋の麓でわらを編んで作られます。午後より、長さ約85mの綱の中央に高さ1.5m、直径30cmほどのシンボルが取りつけられ、見学された方も一緒になって綱を運び、飛鳥川の上につるされます。

稲淵の「男綱」の特徴は、全体を神式で行うことです。飛鳥川の上に腸物を形どった「男綱」を掛け渡し、神所橋と呼ばれる橋に祭壇を設け、飛鳥の神職さんが御祓いを行います。

御祓いが終わった後、「子孫繁栄と五穀豊穣」のお札がついているミカンのついた竹串を、参加者が大切に持ち帰り家に飾られます。小さな女の子が大切に持ち帰る姿が、とても可愛らしかったです。

昨年は、遠くからの見学だけでしたが、今回は綱にサカキをつけたり、皆さんと一緒に綱を運んだりしました。参加型の稲渕の「綱掛神事」、とても貴重な体験をさせていただきました!

次回は、栢森(かやのもり)集落の「綱掛神事(女綱)」を紹介したいと思います。

                            

 

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