NHKのBSプレミアムで放送されている『こころ旅』、ご存知ですか?
「人生を変えた忘れられない風景」「大切な人との出会いの場所」「こころに刻まれた音や香りの情景」「ずっと残したいふるさとの景色」など、お手紙に書かれたエピソードをもとに、ひとりひとりの心に大切にしまってある「こころの風景」を訪ねる番組です。
前回は、テレビで放送されているわけではありませんが、私の、こころの風景「ずっと残したいふるさとの景色・牛頸」(歴史編)を紹介させていただきました。
今回は、私の、こころの風景「ずっと残したいふるさとの景色・牛頸」(自然編)を紹介したいと思います。
「牛頸」と書いて、「うしくび」と呼びます。福岡県福岡市の南に隣接する都市である大野城市の南西に位置する地域に、「牛頸」地区と呼ばれる場所があります。
「牛頸」地区は豊富な自然に恵まれ、大野城市では唯一里山の景色が残っていて、夏季に入ると蛍(ゲンジボタル)が飛び交うことから、見物の人々の涼む姿で賑わう場ともなっています。なんとなく、飛鳥の里山の風景に似たような所で、とても癒される場所です。私にとって、飛鳥と共に「心の故郷」です。
珍しい地名である「牛頸(うしくび)」の地名は、「筑前国続風土記」によれば、平野神社(牛頸神社)から見える西の山の形(牛が横たわっている姿)に由来すると記されています。また、6~8世紀にかけてこの地にやってきた渡来人の村の名に由来するという説もあるようです。
「ずっと残したいふるさとの景色・牛頸」(自然編)は、里山の風景が残る「牛頸」地区の自然を紹介したいと思います。
「牛頸」地区の、里山の風景が残る散策コース
平野神社(牛頸神社)-牛頸小学校跡ー薬師堂ー牛頸地区の集落ーホタルが飛び交う牛頸川ー牛頸ダムー大野城いこいの森公園(桜の園)
〇大野城市牛頸にある「平野神社」は、京都の「平野神社」を本社とするお社で、地元では地名をとって「牛頸神社」とも呼び親しまれています。巨大な楠木が包み込む境内には、今木神や仁徳天皇をはじめとする五つの神をお祀りしております。正月の初詣では多くの方が参拝されます。
〇大野城(おおのじょう)市域南部の山麓に位置する牛頸(うしくび)地区には、かつて「牛頸小学校」という学舎がありました。
明治11年(1878年)に設立されたその学校は、当時の所在を御笠郡(みかさぐん)牛頸村字平野(ひらの)の一地とし、途中第三大野尋常小学校、牛頸尋常小学校、牛頸小学校との改称を経ながら、昭和46年(1971年)の閉鎖にいたるまで約100年その歴史を刻み続けてきました。その後、廃校ののちに「桜公園」と呼ばれる公園として、その痕跡をこの地に遺しました。散策した時は、丁度桜が満開で地元の方が「牛頸小学校」跡地で花見をされていました。跡地にたつ「二宮尊徳」の像が、懐かしさ感じさせられる風景でした。
〇 畑の中にある鎮守の森で、「薬師堂」の境内となっています。エノキ・クスノキ・タブノキ・ヤブニッケイ・クロキ・ヤブツバキなどから構成されています。特にエノキは最大級に成長したものです。またエノキにはキズタが登っていて、独特な雰囲気を出しています。この「薬師堂」にまつ祀られているお薬師様は目の神様としてあがめられています。「薬師堂」がある地域には、牛頸地区に昔からある集落が数件残っています。