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IT, Engineering, Energy, Environment and Management

環境安全工学 10 鉄道の安全

2006-12-17 | Mech Eng
 某大学の機械系の学科での「環境安全工学」の10回目の講義。
 概要は、以下のとおり。

0. 本日の参考書等
 この記事の最後に示した。

1. 鉄道事故の記憶
 1951年 4月24日 京浜線桜木町駅電車火災事故 死者106名 重傷者92名
 1962年 5月3日 常磐線三河島駅列車多重衝突事故 死者160名 重軽傷者325名
 1963年 11月9日 東海道線鶴見列車多重衝突事故 死者161名 重軽傷者120名
 1972年 11月6日 北陸線北陸トンネル列車火災事故 死者30名 負傷者714名
 1991年 5月14日 信楽高原鐵道列車正面衝突事故 死者42名 重軽傷者614名
 2000年 3月8日 営団地下鉄日比谷線列車脱線衝突事故 死者5名 負傷者64名
 2005年 4月25日 福知山線脱線転覆事故 死者107名 負傷者555

2. 身近な大規模システム:鉄道
 日本の旅客鉄道は世界でも有数の規模である。
 先進国の中ではダントツのトップの輸送量。
 鉄道は、都市生活には欠かせない交通システムである。
 # 朝のピーク時山手線は2.5分、中央線は2分間隔の運行
 また、都市間の移動手段としても重要なインフラである。
 特に、新幹線は、世界的にみても非常に高度で複雑な陸上交通システムである。
 一度に非常に多く人を輸送する。
 山手線:
   11両編成ラッシュ時の乗車率200%以上
   一両の定員は141-162名
   ラッシュ時は、3000名以上の乗客が乗る
 新幹線:
  2階建のMAXE4系
   8両編成で817名、16両編成で1634名の定員
   これが、240km/h で走る
  最速の500系
   16両編成で1,324名の定員
   これが、最高速300km/h、平均242.5km/hで走る。
   ひとたび事故が起きれば大惨事となる。


3. 鉄道事故と教訓
 1951年 4月24日 京浜線桜木町駅電車火災事故 死者106名 重傷者92名
 その当時、京浜線電車に使用していた「戦時設計」の63系の粗悪な構造が死傷者を多くしたとして、国電の安全対策強化の契機となった。

 1962年 5月3日 常磐線三河島駅列車多重衝突事故 死者160名 重軽傷者325名
 列車や設備、事後直後の保安対策が十分に行われなかった事が原因とされ、自動列車停止装置(ATS)の設置を推進する事になった。

 1963年 11月9日 東海道線鶴見列車多重衝突事故 死者161名 重軽傷者120名
 脱線原因を徹底的に調査・実験した結果、車両の問題・積載状況・線路状況・運転速度・加減速状況などが複雑に絡み合った競合脱線であるとされた。
 護輪軌条の追加設置、塗油器の設置、2軸貨車のリンク改良、車輪踏面の改良などにつながった。

 1969年 12月6日 寝台特急日本海北陸トンネル列車火災事故
 機関士はとっさにトンネル内での停止は危険だと判断し運転規則に逆ってトンネルを脱出して停車してから消防車の協力を得て消火作業を行い火元車両焼損だけで無事鎮火させた。
 ところが国鉄は、この犠牲者・負傷者ゼロをもたらした殊勲のトンネル脱出の判断を運転規則に反映させるのではなく「運転規則違反」だとして乗務員を処分し、前述の「北陸線北陸トンネル列車火災事故」の引き金となったといわれている。

 1972年 11月6日 北陸線北陸トンネル列車火災事故 死者30名 負傷者714名
 列車が「当時の規則」に基づいてトンネル内で停車した。
 この事故を教訓に、地下鉄や長大トンネルを走る車両の難燃化・不燃化の基準が改訂され、車両の防火対策が進められた。

 1991年 5月14日 信楽高原鐵道列車正面衝突事故 死者42名 重軽傷者614名
 事故の発端となった信楽駅の信号不具合の遠因は、信楽高原鐵道とJR西日本がそれぞれ別個に「無認可で行った信号制御の改造」と両社の意思疎通の欠如にあった。
 この事故の後、鉄道会社間相互で行われる直通運転に対して鉄道車両と運転方法の安全性など鉄道運転業務面の問題点が指摘されるようになった。

 2000年 3月8日 営団地下鉄日比谷線列車脱線衝突事故 死者5名 負傷者64名
 過去の参考となる脱線事故に関して、運輸省が全事業者に注意を促すことは無かったので営団でもチェックされなかった。
 この事故が法改正を促し、航空・鉄道事故調査委員会発足の契機にもなった。


4. 新幹線の事故
 2004年(平成16年)10月23日 上越新幹線脱線事故
  17時56分頃に新潟県中越地震が発生。
  震度は、6強から7の大地震。最大加速度は1500ガル。
  震源地に近い上越新幹線浦佐駅~長岡駅間を走行中だった
  東京発新潟行きとき325号(200系10両編成)のうち7・6号車を除く計8両が脱線した。
  地震発生当時、同列車は長岡駅への停車のため約200km/hに減速して走行中であったが、早期地震検知警報システム「ユレダス」による非常ブレーキが作動し、長岡駅の東京寄り約5kmの地点で停車した。
当該列車は、8両が脱線したものの軌道を大きく逸脱せず、逸脱した車両も上下線の間にある多雪地方特有の排雪溝にはまり込んだまま滑走したおかげで、横転や転覆を免れた。
  現場付近の高架橋の支柱の多くは損傷したが、豪雪による雪の重みに耐えられるように、支柱が頑強に作られていたため、結果的に地震による崩壊を免れることに繋がった。

  日本では、大規模システムの構築には、必ず地震対策が必要である。
  日本は世界有数の地震多発地域にある。
  「災害に時なし、場所なし、予告なし」

5. 新幹線の安全上の課題
 地震対策の課題

 高架橋、橋脚、トンネルの耐震設計の水準
  高架橋の強度
  高架橋の基礎方式
  活断層の位置
  トンネルの強度

 脱線防止策
  地震検知、警報装置の改良
  警報発信時間の短縮

 逸脱防止策
  脱線しても、車両が軌道から逸脱しないための対策
  車両ガイド
  脱線防止ガード

 トンネル強化
  活断層との交差地域の補強


 その他の問題点
 システム全体の老朽化対策は?

 軽量化された「のぞみ」の車両強度は、十分か?
  脱線した上越新幹線は、旧式の200系だった。

 270-300km/h で走行しているのにシートベルトも
  エアバッグもない?!

 トンネル火災の対策はどうなっているか?

 航空機のように乗客の氏名を特定しない発券のため、
  大きな事故があった場合に被害者を確認するのが難しい。


6. 宿題の提出


7. 参考書等

書籍

新幹線安全神話はこうしてつくられた

日刊工業新聞社

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巨大地震と高速鉄道―新潟県中越地震をふりかえって

山海堂

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図解・鉄道の科学

講談社

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崩壊する巨大システム

時事通信

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参考URL

http://ja.wikipedia.org/wiki/鉄道事故http://blog.goo.ne.jp/ganbaro433/m/200510
http://gonta13.at.infoseek.co.jp/newpage47.htm
http://www2.kanazawa-it.ac.jp/knl/nagase/comment19.html
http://www.kyoto-np.co.jp/kp/special/shigaraki/shigaraki_index.html
http://www.chunichi.co.jp/wtok7/050427T1705.html
http://katoler.cocolog-nifty.com/marketing/cat694201/index.html
http://shippai.jst.go.jp/
http://ja.wikipedia.org/wiki/新幹線
http://ja.wikipedia.org/wiki/山手線
http://ja.wikipedia.org/wiki/JR東二本E231系電車
http://ja.wikipedia.org/wiki/新幹線E4系電車
http://ja.wikipedia.org/wiki/新幹線500系電車
http://www.toshiba.co.jp/tech/review/2003/09/58_09pdf/a02.pdf
http://www.hitachi.co.jp/Div/omika/product/koutsu/index.html
http://www.hitachi.co.jp/inspire/hakken/yellow/01_kotsu_system.html
http://techon.nikkeibp.co.jp
http://www.osaka-jma.go.jp/tokushima/handbook1/6-6.ht


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「環境安全工学」 9 海外の環境規制

2006-11-28 | Mech Eng
 某大学の機械系の学科での「環境安全工学」の9回目の講義。
 概要は、以下のとおり。

0. 本日の参考書等
 この記事の最後に示した。

1. 世界の環境規制
 欧州 EU
 米国
 その他の国として 中国

2. 欧州の環境規制
 EUの主要指標
 EU加盟国
 EUのなりたち
 EUの環境政策 EC条約第174条
 製造業者、メーカーに関係する主な新しい環境規制
  WEEE (ウィー)
  RoHS (ローズ)
  ELV (イーエルヴィー)

3. WEEE
 WEEE (Waste Electrical and Electronic Equipment)
 "電気・電子機器の廃棄に関する欧州議会及び理事会指令"
 WEEEは、電子・電気機器の廃棄に関する欧州連合(EU)の
 指令である。2003年2月にRoHS指令と共に公布・施行された。
 原文は、
  "DIRECTIVE 2002/96/EC OF THE EUROPEAN PARLIAMENT
  AND OF THE COUNCIL of 27 January 2003 on waste electrical
  and electronic equipment (WEEE)"
 電気・電子機器について、収集・リサイクル・回収目標を規定
  1. 大型家電
  2. 小型家電
  3. ITおよび通信機器
  4. 耐久消費財
  5. 照明
  6. 電気・電子工具(大型の固定式産業用工具を除く)
  7. 玩具、レジャーならびにスポーツ用機器
  8. 医療用機器
  9. 監視・制御装置
  10. 自動販売機

4. RoHS
 RoHS (Restriction of Hazardous Substances)
 "電気・電子機器に含まれる特定有害物質の使用制限に
 関する欧州議会及び理事会指令"
 電子・電気機器における特定有害物質の使用制限についての
 欧州連合(EU)による指令である。2003年2月にWEEE指令と
 共に公布・施行された。
 原文は、"DIRECTIVE 2002/95/EC OF THE EUROPEAN
  PARLIAMENT AND OF THE COUNCIL of 27  January
  2003 on the restriction of the use of certain hazardous
  substances in electrical and electronic equipment"
 2006年7月1日以降は、EU加盟国内において、以下の物質が
 (基準値を超えて)含まれた電子・電気機器を販売することはできない。
  1. 鉛 :1,000ppm以下              
  2. 水銀 :1,000ppm以下
  3. カドミウム :100ppm以下
  4. 六価クロム :1,000ppm以下
  5. ポリ臭化ビフェニル (PBB) :1,000ppm以下
  6. ポリ臭化ジフェニルエーテル (PBDE) :1,000ppm以下

5. ELV
 ELV (End-of-life Vehicle) 指令
 使用の目的を終了した使用済自動車(廃自動車)への規制。
 自動車リサイクル法では、引取業者に使用済み車として引き
 取られた車が使用済自動車となる。
 その車は、後にリサイクル事業者において適正処理・リサイクル
 される。自動車メーカーは、使用済自動車から発生するフロン類、
 エアバッグ類、シュレッダーダストをリサイクル事業者から引き取
 り、適正処理・再資源化を実施しなければならい。
 環境負荷物質に関する要求事項:
  ・対象車両:2003年7月1日以降の新規販売車両(乗用車、
   積載3.5トン未満の商用車。2輪車は除く)
  ・対象物質:鉛、水銀、カドミ、6価クロムの原則使用禁止
  (適用除外部品リストとして免除規定あり)

6. 米国の環境規制
 アメリカ合衆国:主要指標(2005, 2006年)
 アメリカ合衆国の環境関連法規:
  連邦法
   連邦環境関連法規集
   Code of Federal Regulations (CFR) Title 40
  州法
   州毎に法律が異なる。
   連邦法と州法との両方を確認する必要がある。
  EPA (Environmental Protection Agency: 環境庁)
 もっとも環境関連法規が厳しい州:カリフォルニア
  Proposition 65
  California Safe Drinking Water and Toxic Enforcement Act of 1986
  安全な飲料水と有毒物質執行法 (1987年発行)
   有害性のある物質が人体に暴露する可能性がある場合、
   メーカが警告責任を負う。

7. 中国の環境規制 
 中華人民共和国:主要指標(2004, 2005) 
 中華人民共和国環境保護法 (1989年)
 電子信息産品生産汚染防治管理弁法
  2006年7月1日以降販売する電子信息産品に、「国家重点監管目録」
  に示された、鉛、水銀、カドミウム、六価クロム、PBB、PBDE 等の含有を禁止。
  EUのWEEE&RoHS指令を参照して策定されており、使用禁止の6物質を規制。


参考文献等:

図解 よくわかるWEEE&RoHS指令―欧州環境規制でモノ作りが変わる

日刊工業新聞社

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参考URL:

http://jpn.cec.eu.int/
ja.wikipedia.org/wiki/欧州連合
www.jmf.or.jp/japanese/wold_topic/EU/eu1_1.html
eu-info.jp/law/env1.html
kankyo.kkc.or.jp/key/kkeyk_0409.html
www.scas.co.jp/company/news/21/frontier1_1.pdf
ja.wikipedia.org/wiki/WEEE 
ja.wikipedia.org/wiki/RoHS  
www.meti.go.jp/report/downloadfiles/g10625dj.pdf
www.toyota.co.jp/jp/environment/communication/glossary/glossary_02.html
www.scas.co.jp/company/news/21/frontier1_21.pdf
http://www.jeol.co.jp/envi/regulation/
http://europa.eu.int/eur-lex/pri/en/oj/dat/2003/l_037/l_03720030213en00240038.pdf
http://europa.eu.int/eur-lex/pri/en/oj/dat/2003/l_037/l_03720030213en00190023.pdf
ja.wikipedia.org/wiki/アメリカ合衆国
www-06.ibm.com/jp/company/environment/products/voc.html
www.nedo.go.jp/bioiryo/kagaku/event/prtr/kobayashi.pdf
www.plm4eco.org/technology/solution015.html
http://www.oehha.ca.gov/prop65/law/P65law72003.html
www.eic.or.jp/qa/?act=view&serial=10153
ja.wikipedia.org/wiki/中華人民共和国
www.sepa.gov.cn/japan/env_info/3_2_1_01.htm
www.rieti.go.jp/jp/papers/journal/0410/bs01.html
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「環境安全工学」8 ヒューマンファクター、組織事故

2006-11-28 | Mech Eng
 某大学の機械系の学科での「環境安全工学」の8回目の講義。
 概要は、以下のとおり。

0. 本日の参考書等
 この記事の最後に示した。

1. 人と組織による事故
 例: JR福知山戦脱線 (2005年4月25日)
 制限速度を超えた運転をした運転士だけの問題だろうか?
 その他の教訓的な人と組織による事故
  東海村 JCO 臨界事故 1999/9/30
  横浜市立大患者取り違え事故 1999/1/19
  チェルノブイリ原子力発電所事故 1986/4/25
  スペースシャトル チャレンジャー爆発 1986/1/28

2. 巨大技術システム
 背景
 技術システムとは
 巨大技術システムとは
 なぜ巨大化したのか
 人間-機械系システムとは
 巨大技術システムの事故

3. ヒューマン・ファクター
 ヒューマン・ファクター
  ヒューマン・ファクターの定義:
  「機械やシステムを、安全に、しかも有効に機能させるために
  必要とされる、人間の能力や限界、特性などに関する知識の
  集合体」
 ヒューマン・エラー
  ヒューマン・エラーとは、人間の過誤(ミス)のこと。
  人為ミスとも呼ばれる。不本意な結果を生み出す行為や、
  不本意な結果を防ぐことに失敗すること。
 ヒューマン・ファクターの分類
 ヒューマン・エラーの分類

4. 組織事故
 個人事故と組織事故
  個人事故
   個人のミスや問題による事故。
   その影響が個人レベルでおさまる事故。
  組織事故
   組織体制のに内在する欠陥による事故。
   その影響が組織全体におよぶ事故。
   原子力産業、航空産業、石油産業、
   化学産業、海運業、鉄道輸送業、
   金融業、医療。
 ヒューマン・ファクターとしての組織事故
  システムで問題を発生させる人間==ヒユーマン・ファクターは、個人
  とは限らない。
  システムが、組織で運営されている場合、組織の様々なところで、
  組織を構成する人々のヒューマン・ファクターが発生する。
  多くの巨大技術システム事故では、設備の問題、人間のミスや
  違反(不安全行為)が引き金となってはいるが、その背景を探って
  いくと、組織要因の問題に突き当たる。
 組織事故の構造
 組織事故を防ぐ組織
  高信頼性組織(HRO)の特徴
   失敗から学ぶ
   単純化を許さない
   オペレーションを重視する
   復旧能力を高める
   専門知識を尊重する
   現場重視
   組織のメンバー全体をセンサーとする
 JR西日本の場合
 組織の安全文化
  組織の安全文化:安全実積低下の段階
  自信過剰 良好な安全実積からくる。
  慢心 軽妙な事象が起こりはじめるが、実積から慢心する。
  否定 軽妙が事象が増える。調査などで問題を否定する。
  危険 潜在的に大きな事象がおきる危険な状態。
  崩壊 明らか崩壊。経営者の交替が必要。

5. 組織事故 事例研究 

 JR福知山線脱線事故 2005/4/25
 東海村 JCO 臨界事故 1999/9/30
 横浜市立大患者取り違え事故 1999/1/19

 宿題:
 上記の3つのうちから、1つの事故をえらび、
  事故の概要
  問題点
  自分の考える対策
 などについて、A4の用紙 1-2ページにまとめる。
 2000文字以内。
 提出: 2006/12/04 の講義で手渡し


参考文献等:

「信じられないミス」はなぜ起こる―ヒューマン・ファクターの分析

中央労働災害防止協会

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安全と安心の科学

集英社

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組織事故―起こるべくして起こる事故からの脱出

日科技連出版社

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安全学
 
青土社

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安全学の現在―村上陽一郎対談集

青土社

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最悪の事故が起こるまで人は何をしていたのか

草思社

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参考URL:
ja.wikipedia.org/wiki/JR福知山線脱線事故
www.nikkeibp.co.jp/sj/interview/04/
keitai.sfc.keio.ac.jp/ja/pdf/books/scot_system.pdf
www.jpo.go.jp/shiryou/s_sonota/hyoujun_gijutsu/plant/2-2.pdf
www.jniosh.go.jp/old/anken/kenkyu/results/pubs/TN/abst/TN-76.htm
http://gc.sfc.keio.ac.jp/class/2002_14630/slides/13/37.html
http://www.n-seiryo.ac.jp/~usui/news/2005/jr_fukuchiyama_accident.html
http://nippon.zaidan.info/seikabutsu/2002/00508/contents/004.htm
http://staff.aist.go.jp/toru-nakata/humanerror.html
http://www.sbbit.jp/article/2525/
http://www.sbbit.jp/article/2741/
http://www.sbbit.jp/article/3035/
http://safety.mri.co.jp/colum/vol092.html
ja.wikipedia.org/wiki/東海村JCO臨界事故
www.igaku-shoin.co.jp/nwsppr/n1999dir/n2327dir/n2327_04.htm
http://criepi.denken.or.jp/jp/hfc/DB/Bunken/2004-03595.html
http://criepi.denken.or.jp/jp/hfc/DB/Bunken/2002-03175.html
www.nsc.go.jp/abunka/panel2-1.pdf

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環境安全工学 7 化学物質

2006-11-08 | Mech Eng
某大学の機械系の学科での「環境安全工学」の7回目の講義。
 概要は、以下のとおり。

0. 本日の参考書等
 この記事の最後に示した。

1. 生物の基本
 細胞や、生物の営み、活動を、化学、プロセス工学の視点で捉えると色々なことが見えてくる。
 代謝:
  生体内の化学反応 == 化学的プロセス。
  異化:外部基質の分解反応
  同化:生体高分子の合成反応
  ==> 代謝 == 化学的プロセス。
 呼吸:
  細胞呼吸
  外呼吸
  ==> 呼吸 == 化学的プロセスである
 細胞: 
  植物
  動物
 人体の化学成分比:
  約60% は水
  ==> 水に溶けるものは、人体に入る。金属、鉱物はイオンとして水に溶ける。
 神経細胞:
  ==> イオンを輸送して電位の変化を情報として伝達する。== 化学的プロセスである。
 人体の活動 == 化学的システム

2. 化学の基本
 周期表を復習しよう! 文部科学省「一家に一枚周期表」
 ベンゼン環 憶えていますか?
 芳香族炭化水素の中には、強い発ガン性を持つものがある。
 化学式だけでなく、分子の構造図に着目しよう。
  対象形の構造をもつ分子は、比較的安定している。
  人工的に合成された物質は:
  対称性が高く、過度に安定である場合が多い。
  ==> 過度に安定
  ==> 分解されにくい
  ==> 水、土壌、生物中等に残留しやすい。
 分子式は同じだが、構造が異なる分子、またはそのような
  分子からなる化合物を異性体(isomer)という。
  人工的に合成された物質は異性体がうまれやすい:
  ==> 異性体は、物質としての性質が異なる。
  ==> 薬の異性体が猛毒になることもある。
  サリドマイド:睡眠薬、催奇性を有する物質

3. 化学物質
3-1. 化学物質 DDT
 DDT(Dichloro-diphenyl-trichloroethane)
 IUPAC名:1,1,1-トリクロロ-2,2-ビス(p-クロロフェニル)エタン
 分子式:ClC6H4)2CH(CCl3)
 かつて使われていた有機塩素系の殺虫剤、農薬。
 左右対称。ベンゼンを含む。塩素がくせもの!
 自然界で分解されにくいため、長期間にわたり土壌や水循環に残留し、食物連鎖を通じて人間の体内にも取り込まれる。
  半減期: 水中 220日  土壌中 約2年

3-2 .化学物質 PCB
 ポリ塩化ビフェニル(ポリえんかビフェニル)
 ポリクロロビフェニル (polychlorinated biphenyl)
 ビフェニルに塩素が置換した化合物の総称で、一般式 C12HnCl(10-n) (0≦n≦9) で表される。
 左右対称。ベンゼンを含む。塩素がくせもの!
 熱に対して安定で、電気絶縁性が高く、耐薬品性に優れている。
 一方、生体に対する毒性が高く、脂肪組織に蓄積しやすい。発ガン性があり、また皮膚障害、内臓障害、ホルモン異常を引き起こすことが分かっている。
 燃やすと、ダイオキシンを発生する。

3-3. 化学物質 ダイオキシン類
 ダイオキシン類:
 ポリ塩化ジベンゾパラジオキシ (PCDD)
 ポリ塩化ジベンゾフラン (PCDF) の総称。
 1~4と6~9の位置に塩素がつく。
 塩素の数や付く位置によっても形が変わる。
 PCDDは75種類、PCDFは135種類もの種類がある。また、コプラナーポリ塩化ビフェニル (Co-PCB) のようなダイオキシン類と同様の毒性を示す物質をダイオキシン類似化合物と呼ぶ。
 無色無臭の固体で、ほとんど水には溶けない。脂肪などには溶けやすいという性質を持っている。
 他の化学物質や酸、アルカリとは容易に反応しない安定した性質をもってる。太陽からの紫外線で徐々に分解される。

3-4. 化学物質 フェノール類
 ノニルフェノール (Nonylphenol)
 C15H24O
 ベンゼンに、CH2 や CH3のしっぽ。
 ノニルフェノールエトキシレート(NPEO)は非イオン系界面活性剤である。ノニルフェノールはその原料である。その用途は工業用の洗浄剤、分散剤としてゴム・プラスチック、繊維工業、機械・金属工業、農薬工業などで使われている。
 ノニルフェノールはガンや奇形を発生させることからドイツやスイス、デンマーク等、ヨーロッパでは家庭用合成洗剤の原料として使用することが規制されている。日本でも90年代に入って、大手メーカーを中心として自主的な
製造規制が行われてきた。しかし、法的に規制されていないため、いまだにノニルフェノールを原料とした洗剤が家庭用として店頭で売られている。ノニルフェノールは95年頃から環境ホルモンとしての作用があると言われはじめ、現在も研究が続けられている。
 4-オクチルフェノール (Octylphenol)
 商品化されているのは主として4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)フェノール(C14H22O)で、4-tert-オクチルフェノールなどとも
呼ばれる。油溶性フェノール樹脂や界面活性剤の合成原料などの用途がある。
 平成14年6月14日に開催された環境省の「内分泌攪乱化学物質問題検討会」で、4-オクチルフェノールが魚類に対して内分泌攪乱(環境ホルモン)作用を持っていることが確認された。

 ※ダイオキシンと内分泌攪乱化学物質については「環境ホルモンとダイオキシン」を参照。

3-5. 化学物質 有機スズ
 有機スズ化合物(ゆうきスズかごうぶつ)またはスタナン (stannane) は炭化水素などの有機置換基を持つスズ化合物である。
 商業的にはポリ塩化ビニルを製造する際の塩酸の捕捉剤や熱的安定化剤、あるいは殺生物剤として利用される。
 酸化ビス(トリブチルスズ) (TBTO) は材木の防腐剤として広く用いられている。トリブチルスズ誘導体はフジツボなどの付着生物を船体から除去する薬剤としても使われた。1リットルあたり1ナノグラムの濃度でも海洋生物に影響を与える。
 既に使用禁止だが、まだ、TBTOをぬった船は沢山航行している。
 (CH3+(CH2)3)3+Sn+O+Sn+((CH2)3+CH3)3
 日本全国でインポセックス状態のイボニシ(巻貝)が確認されている。

3-6. 化学物質 有機水銀
 有機水銀:
 無機水銀に比べ毒性が非常に強い。
 日本国内ではさほど使用されなかったものの、世界中において有機水銀はかつて農薬として広く使われた。1970年代にイラクでは、メチル水銀で消毒した小麦を使ったパンによる有機水銀中毒で400人以上が死亡する事件がおきた。そして、その毒性から現在は使用が禁止された。
 メチル水銀:
 メチル水銀(Methylmercury)とは、水銀がメチル化された有機水銀化合物であり、ジメチル水銀 (CH3)2Hg とモノメチル水銀 CH3HgX(X = Cl, OH など)が知られており、いずれも毒性が強い。
 水俣病、第二水俣病:
 水俣病は、20世紀に起きた世界でも最大・最悪の公害事件。
 1932年以降、新日本窒素肥料(現在のチッソ)水俣工場が行ったアセトアルデヒド生産時の触媒による副産物であるメチル水銀を含んだ廃液が汚染処理を十分行わないまま海(八代海)に流されたことによる。この廃液中のメチル水銀が生体濃縮され、付近で獲れた魚介類を摂取した住民に水銀中毒の被害が発生した。
 1960年には新潟県阿賀野川流域でも同様の患者の発生が確認され、新潟水俣病と呼ばれる。これは、阿賀野川上流の昭和電工鹿瀬工場が廃棄したメチル水銀による住民の被害である。
 水俣病、第二水俣病の症状:
 手足のしびれが起き、その後歩行困難などに至る例が多い。
 重症例では痙攣、精神錯乱などを起こし、最後には死に至った。
 発病からは3か月で重症者の半数が死亡した。昭和30年代前半から、水俣周辺では脳性麻痺の子どもの発生率が上昇していたが、1961年、胎児性水俣病患者がはじめて確認された。水俣では少なくとも16例の胎児性患者が確認されている。※臍の緒に、メチル水銀が確認された。
 厚生労働省はキンメダイやカジキ、マグロなどの魚類、クジラ、イルカなどの海棲哺乳類に含まれる水銀が、胎児の発育に影響を及ぼす恐れがあるとして、妊娠中かその可能性の有る女性は、魚介類の摂取量や回数を制限するように注意を喚起
している。
 ※水俣病については「水俣病の科学」を参照のこと。

3-7. 化学物質 ホルムアルデヒド
 ホルムアルデヒド (formaldehyde) は有機化合物のうち、最も簡単なアルデヒドのひとつ。
 アルコール類を酸化するとアルデヒドになる。
 構造式は CH2O。酸化メチレンとも呼ばれ、 IUPAC命名法では メタナール (methanal) と表される。
 触媒存在下にメタノールを空気酸化して得られる。さらに酸化が進むとギ酸となる。融点 -92 ℃、沸点 -19.3 ℃、分子量 30.03である。刺激臭を持つ無色の気体である。
 水などの極性溶媒に可溶で、37% 以上の水溶液はホルマリンと呼ばれる。ホルムアルデヒド及びホルマリンを含むホルムアルデヒド水溶液は、毒物及び劇物取締法により医薬用外劇物に指定されている。
 人体へは、粘膜への刺激性を中心とした急性毒性があり、蒸気は呼吸器系、
目、のどなどの炎症を引き起こす。皮膚や目などが水溶液に接触した場合は、
激しい刺激を受け、炎症を生ずる。
 接着剤、塗料、防腐剤などの成分であり、安価なため建材(特に合板、木質
系接着剤)に広く用いられている。しかし、建材から空気中に放出されることがあり、その場合は低濃度でも人体に悪影響を及ぼす、いわゆる「シックハウス症候群」の原因物質。
 ==> 症状には、個人差があることに注意。(酒酔いの個人差と同様)


   
参考書等:
人間・環境・安全―くらしの安全科学
及川紀、北野(著)
共立出版

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環境安全科学入門
玉浦 他 (著)

講談社

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環境安全論―持続可能な社会へ
北爪 他 (著)

コロナ社

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環境ホルモンとダイオキシン―人間と自然生態系の共存のために
彼谷 邦光 (著)
裳華房

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水俣病の科学
西村 肇、 岡本 達明(著)
日本評論社

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参考URL:
http://stw.mext.go.jp/0603.html
http://webmap.torikyo.ed.jp/ipa/
http://humanbody.jp/
http://www2.health.ne.jp/library/0800/w0801024.html
ja.wikipedia.org/wiki/代謝
ja.wikipedia.org/wiki/呼吸
ja.wikipedia.org/wiki/神経細胞
ja.wikipedia.org/wiki/神経系
ja.wikipedia.org/wiki/イオン
http://www1.accsnet.ne.jp/~kentaro/yuuki/yuuki.html
ja.wikipedia.org/wiki/ベンゼン
ja.wikipedia.org/wiki/異性体
ja.wikipedia.org/wiki/キラル
http://www.applc.keio.ac.jp/~asakura/asakura_j/chiral.html
ja.wikipedia.org/wiki/DDT
ja.wikipedia.org/wiki/ダイオキシン
ja.wikipedia.org/wiki/DDT
ja.wikipedia.org/wiki/PCB
ja.wikipedia.org/wiki/ダイオキシン
ja.wikipedia.org/wiki/ダイオキシン類
http://www.erc.pref.fukui.jp/news/d00.html
ja.wikipedia.org/wiki/環境ホルモン
ja.wikipedia.org/wiki/内分泌攪乱物質
de.wikipedia.org/wiki/Nonylphenol
en.wikipedia.org/wiki/Nonylphenol
http://www.eic.or.jp/ecoterm/?act=view&serial=2114
http://www.eic.or.jp/ecoterm/?act=view&serial=296
wwwsoc.nii.ac.jp/jec/ecinfo/kagakubussitu_risuk_ka_1_2_6.htm
ja.wikipedia.org/wiki/有機スズ化合物
http://www.eic.or.jp/ecoterm/?act=view&serial=1985
http://www.fsinet.or.jp/~miura/endocrin.htm
ja.wikipedia.org/wiki/水銀
ja.wikipedia.org/wiki/メチル水銀
ja.wikipedia.org/wiki/水俣病
ja.wikipedia.org/wiki/ホルムアルデヒド

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環境安全工学 6 食の安全

2006-11-08 | Mech Eng
 某大学の機械系の学科での「環境安全工学」の6回目の講義。
 概要は、以下のとおり。

0. 本日の参考書等
 この記事の最後に示した。

1. 食の安全
 人間の活動、食料の生産活動のために、結果的に
  大気汚染
  水質汚染
  土壌汚染
 が引き起こされている。
 その結果、地球の環境汚染、環境破壊が少しづつ進んでいる。
 食品は生命、健康維持に直接かかわるものである。安全性の確保が大前提である。しかし、現実には色々問題がある。

2. 食品事故の歴史
 1955年 森永ヒ素ミルク事件 
 1968年 カネミ油症事件 
 1985年 ジエチレングリコール汚染ワイン事件 
 1996年 O-157集団食中毒事件
 2001年 牛海綿状脳症(狂牛病)の発生
 2002年 中国産ホウレンソウの残量農薬

3. 食品安全基準
 食品安全基本法
 
4. 食品自給率
 各国の食料自給率
 日本の食料自給率の推移
 食料自給率の低下の理由
 農業構造の変化
 --> 貿易がとまれば、日本人の半分以上は飢えることになる。
   食に関する一番のリスクは、自給率の低さではないか?

5. 食品添加物
 食品衛生法
 食品添加物の定義
 食品添加物として指定される要件
 食品添加物の安全性
 食品添加物の例

6. 食品に含まれる有害物質
 カドミウム (Cadmium、Cd) の例 イタイイタイ病
 水銀 (mercury、Hg) の例 水俣病
 英国食品基準局、厚生労働省の警告
 その他の有害物質
  トリブチルスズ (Tributyltin Compound、[略]TBT )
  ポリ塩化ビフェニル (Polychlorinated Biphenyl、[略]PCB)
  ダイオキシン類 (Dioxins、[略]DXN)

7. 遺伝子組み換え作物
 遺伝子組換作物(Genetically modified organism、GMO)
 米国のモンサント社 (Monsanto Company)
  PCB、ベトナム戦争で使われた枯葉剤のメーカー。
  除草剤ラウンドアップとラウンドアップに耐性をもつ遺伝子組み換え作物をセットで開発、販売している。
  http://www.monsanto.com/monsanto/layout/
  http://www.monsanto.co.jp/

8. 環境問題の教訓と原則
 「レイト・レッスンズ」より:
 1)不確実性のみならず、無知にも配慮すること
 2)“早期警告”のための研究と観測・追跡
 3)学的知識にある「盲点」と欠落を見つけ出して指摘する
 4)異なる分野間で学び合うための障害を特定し、減らす
 5)現実の世界の状況が完全に考慮されることを保証する
 6)主張されている“是”と“非”の内容を系統的に検証し正当性を判断する  
 7)代替案を吟味し、堅実で、多様性があって適用可能な解を推進する 
 8)関係する全分野の専門家のみならず、“普通の人”と地域の知識をも用いる
 9)より広い社会的利益と社会的価値を考慮する
 10)経済的政治的利益から規制の独立を保つ
 11)調査と行動に対する制度的障害を特定し、減らす
 12)分析による麻痺に陥らないようにする


   
参考書等:
人間・環境・安全―くらしの安全科学
及川紀、北野(著)
共立出版

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環境安全科学入門
玉浦 他 (著)

講談社

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環境安全論―持続可能な社会へ
北爪 他 (著)

コロナ社

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レイト・レッスンズ―14の事例から学ぶ予防原則
欧州環境庁(編著), 松崎 早苗, 安間 武, 水野 玲子, 山室 真澄(訳)
七つ森書館

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※本書の概要については、Amazon.co.jp のカスタマーレビュー『失敗から学ぶ,教訓から学ぶ「環境問題」事例, 2005/10/14』を参照。

沈黙の春
レイチェル・カーソン (著)、青樹 簗一(訳)
新潮社

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参考URL:

http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/iyaku/syoku-anzen/index.html
www.fsc.go.jp/hourei/kihonhou160227.pdf
www.kantei.go.jp/jp/singi/shokuhin/houan/030523/houbun.pdf
http://www.ron.gr.jp/law/law/shok_anz.htm
http://www.n-shokuei.jp/eiseihou/
ja.wikipedia.org/wiki/森永ヒ素ミルク中毒事件
ja.wikipedia.org/wiki/カネミ油症事件
www.eco-union.jp/open/pdf/17_1.pdf
http://www.ne.jp/asahi/ecodb/yasui/PCBKanemi.htm
http://homepage3.nifty.com/kuebiko/biology/chptr_1/1-1-3/di_et_gl.htm
http://qsar.cerij.or.jp/SHEET/F99_16.pdf
http://ja.wikipedia.org/wiki/O157
ja.wikipedia.org/wiki/牛海綿状脳症
ja.wikipedia.org/wiki/クロイツフェルト・ヤコブ病
http://www.cjd-net.jp/1PART1/110Yakobu_towa/112yakobu_biyou_kouzou/yakugai.htm
www.mhlw.go.jp/topics/0103/tp0308-1.html
www.mhlw.go.jp/houdou/2003/12/h1226-3.html
http://www.rieti.go.jp/users/china-tr/jp/ssqs/020913ssqs.htm
www.geocities.co.jp/Technopolis-Mars/7314/kiken_yasai.htm
http://www.maff.go.jp/syohi.html
http://www.kanbou.maff.go.jp/www/jikyuuritsu/index.html
http://www.jafa.gr.jp/
http://www.city.kumagaya.lg.jp/kakuka/shimin/kenkodukuri/oshirase/tenkabutu1/index.html
ja.wikipedia.org/wiki/イタイイタイ病
ja.wikipedia.org/wiki/カドミウム
ja.wikipedia.org/wiki/遺伝子組み換え作物
http://www.eic.or.jp/


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環境安全工学 5 空気、水、土壌の安全

2006-10-30 | Mech Eng
 某大学の機械系の学科での「環境安全工学」の5回目の講義。
 概要は、以下のとおり。

1. 本日の参考書等
 この記事の最後に示した。

2. 地球環境問題
 地球生態系へのアンバランス
 (独)国立環境研究所 地球環境研究センター(CGER)によるモニタリング
 主な地球環境問題
  主な地球環境問題:
   1) 人口爆発
   2) 海洋汚染
   3) 地球温暖化
   4) オゾン層破壊
   5) 酸性雨
   6) 砂漠化・熱帯雨林の消滅
   7) 黄砂
   8) 野生生物減少
   9) 汚染物質の越境移動
   10) ヒートアイランド現象
 人口爆発(Exolosive Population Growth)

3. 色々な環境の安全
 空気(大気)の安全
 水の安全
 土壌の安全
 食の安全

3.空気の安全
 a) 大気の組成
 b) 大気汚染の現況
  大気汚染のスケール
   地球規模の大気汚染
   地域規模の大気汚染
   室内等の大気汚染
  有害大気汚染物質(優先取組物質)として、22物質選定。
   アクリロニトリル ベンゼン
   アセトアルデヒド ベンゾ[a]ピレン
   塩化ビニルモノマー ホルムアルデヒド
   クロロホルム 水銀及びその化合物
   酸化エチレン ニッケル化合物
   1,2-ジクロロエタン ヒ素及びその化合物
   ジクロロメタン ベリリウム及びその化合物
   ダイオキシン類 マンガン及びその化合物
   テトラクロロエチレン 六価クロム化合物
   トリクロロエチレン クロロメチルメチルエーテル
   1,3-ブタジエン タルク(アスベスト様繊維を含むもの
   ※ これらの物質について、各自復習すること。
 c) 自動車の排気ガス
   増え続ける自動車
   排ガス技術の限界
   次世代自動車への移行が必要。
 d) 室内空気汚染の現況
   喫煙
   シックハウス:
    のどの痛み、頭痛、目のチカチカ、傾眠、集中力欠如、
    めまい、涙目、目の充血、目の乾燥、鼻づまり、鼻汁、
    吐き気、呼吸困難、発疹、皮膚乾燥、かゆみ.....等
   主な原因:
    室内の内装等につかわれる建材、接着剤、塗料等。
    ホルイムアルデヒド (HCHO)
    トルエン (C6H6-CH3)
    キシレン (C6H6-(CH3)2)
    酢酸ブチル (CH3COO(CH2)3CH3) ......等
 e) 悪臭防止

4. 水の安全
 a) 水資源
 b) 水環境の現状
 水の環境パラメータ:
  水素イオン濃度 (pH)
   酸性か、アルカリ性か? 
  生物化学的酸素要求量(BOD biochemical oxygen demand)
   微生物が水中の有機物を分解するために必要な酸素
  化学的酸素要求量(COD chemical oxygen demand)
   水中の被酸化物を酸化剤で酸化するために必要な酸素
  浮遊物質量 (SS suspeded solids)
   単位容積当たりの浮遊物の重さ
  溶存酸素量 (DO dissolved oxygen)
   水中に溶存する酸素
  大腸菌群数
  ※ これらは、常識として憶えること。
 c) 水の汚染
  汚染物質:
   人間の活動、農薬等による、窒素、リン
   藻、カビの繁殖
   水道消毒の塩素による有機塩素系化合物
   ゴミの焼却、塩素系農薬によるダイオキシン類
   工場や家庭の洗剤、界面活性剤
    アルキル硝酸ナトリウム
    陽イオン陰イオン系界面活性剤
    非イオン系界面活性剤
    直鎖型アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム
    ノニルフェノールポリエポキシレート
 d) 飲料水の安全
  飲料水はとても少ない:
  安全な飲料水はとても少ない:
   この10年間に、安全な飲み水が手に入る人の割合は、世界
   全体で77%から82%に増えた。
   ・・・しかしまだ11億人以上が安全な水源を利用できない。
  安全で美味しい水:

5. 土壌の安全
 a) 土壌の一次汚染
 b) 土壌の二次汚染
 c) 土壌汚染の事件
 d) 土壌物質と環境基準値一覧
  第一種特定有害物質
  特定有害物質の種類  土壌溶出量基準(mg/L)
  四塩化炭素    0.002以下
  1,2-ジクロロエタン 0.004以下
  1,1-ジクロロエチレン 0.02以下
  シス-1,2-ジクロロエチレン 0.04以下
  1,3-ジクロロプロペン 0.002以下
  ジクロロメタン 0.02以下
  テトラクロロエチレン    0.01以下
  1,1,1-トリクロロエタン 1以下
  1,1,2-トリクロロエタン 0.006以下
  トリクロロエチレン    0.03以下
  ベンゼン           0.01以下

 e) 放射性廃棄物地層処分
   原子力発電総発電量容量: 4822万キロワット
   原子力発電所: 17箇所
   原子炉: 54基 (米国 103、フランス 59に次ぐ)
   原子炉からは、「使用済み核燃料 」が出る。
   使用済み核燃料 == 高レベル放射性廃棄物
   現在、使用済み核燃料は海洋投棄できず、地層処分する必要がある。
   ガラスで固化、オーバーパック、30~50年間冷却のために貯蔵
   最終処分法に従って地下300m以深に地層処分
   本当にこのようにうまくいくのか??
   
   
参考書等:
人間・環境・安全―くらしの安全科学
及川紀、北野(著)
共立出版

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環境安全科学入門
玉浦 他 (著)

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環境安全論―持続可能な社会へ
北爪 他 (著)

コロナ社

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参考URL:
http://www-cger2.nies.go.jp/
http://www.erc.pref.fukui.jp/topic/earth.html
http://www.virtualglobe.org/jp/info/env/
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/kankyo/index.html
http://www.s-yamaga.jp/nanimono/taikitoumi/taikinokouzo.htm
http://www.erca.go.jp/
http://www.kankyo.metro.tokyo.jp/
http://www.securitynet.jp/water/index.htm
www.unicef.or.jp/library/pdf/toukei_2.pdf
ja.wikipedia.org/wiki/土壌汚染
http://www.landsolution.co.jp/whats/wht_list.html
http://www.numo.or.jp
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環境安全工学 4

2006-10-22 | Mech Eng
某大学の機械系の学科で「環境安全工学」の4回目の講義。

概要は、以下のとおり。

1. 本日の参考書等
 この記事の最後に示した。

2. スペースシャトルの事故から学ぶ
 2限目の講義の冒頭で、YouTubeのチャレンジャー号爆発の様子のビデオ流した。
 # 1限目はネットワークの設定が不十分でYouTubeに接続できませんでした。
 ※各自、是非自宅等で、以下のビデオを見る事。
 a) 1986/1/28 チャレンジャー号
  Challenger Video (CNN, 02:23)  
   http://www.youtube.com/watch?v=9maWcIatweM
  Challenger Video (NASA: 05:13)  
   http://www.youtube.com/watch?v=OZy8YC7QBvc
 b) 2003/2/1 コロンビア号
  Columbia Memorial Video (NASA and etc. 07:21)
   http://www.youtube.com/watch?v=Gloa6yeG2C8
  Challenger/Columbia Comparison Video (09:59)
   http://www.youtube.com/watch?v=hS5hUgCHdUw
 c) 教訓
  原理、原則を重視する。
  小さな失敗/トラブルを軽視しない。
  環境変化を考慮して、構造や素材を選ぶ。
  これまでに経験していない外部要因/環境を甘くみない。
  現場、業者の声に耳を傾ける。
  スケジュールと品質は引き換えられない。
  入札では、価格だけでなく品質を十分考慮する。

3. 安全設計
 a) 安全設計とは
  機械、システムの故障、使用者のミス等があっても、機械、システム側で安全を確保する「しかけ」を施す。設計の中に、安全設計を織り込む。
 b) 安全設計の原則
  安全方策
  リスクアセスメント
  本質的安全設計
  安全防護
  付加防護
  使用上の情報

 c) 安全設計の寸法
  押し潰し回避
  人体の危険領域侵入防止
  トリップ装置の安全距離

 d) 安全設計のコンポーネント
  インタロック装置
  トリップ装置
  手動操作制御装置
  制御コンポーネント
  ※ 各コンポーネントの詳細は、各自、参考書、図書館、インターネット等で調べること。試験に出る可能性大です。

4. 宿題 提出
  未提出のみなさん、10/23の講義でも受け付けます。


参考書:
衝撃のスペースシャトル事故調査報告―NASAは組織文化を変えられるか
中央労働災害防止協会

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スペースシャトルの事故の内容ととNASAの問題がコンパクトにまとめられている。エンジニアを目指すすべての人に「教訓」としてオススメできる。

はじめて学ぶ機械の安全設計
長岡技術科学大学 (編)
日刊工業新聞社

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機械の安全設計の入門書。教科書「機械安全工学」だけでは判りにくかった人、安全設計の基礎についてさらに学びたい人に好適な良書。


参考URL:
http://shippai.jst.go.jp/fkd/Detail?fn=0&id=CA0000639
http://www.kanazawa-it.ac.jp/dawn/198601.html
http://ja.wikipedia.org/wiki/チャレンジャー号爆発事故
http://shippai.jst.go.jp/fkd/Detail?fn=0&id=CB0011019
http://hotwired.goo.ne.jp/news/technology/story/20030203301.html
http://iss.sfo.jaxa.jp/shuttle/sts_accident/nasda_reports/prompt_report0826.html
http://astro.ysc.go.jp/sts-107.html
http://www.tri.jspmi.or.jp/safety/index2.html
http://www.sys.cs.meiji.ac.jp/~masao/kikaianzen/chuusaibou-0410gatsugou-keisaiyou.pdf
http://www.kosaibo.or.jp/sub/topics_hokatu_b2.html
http://safety.mri.co.jp/colum/vol093.html
http://www.suzuden.co.jp/gijyutu/pdf/pdf33_01.pdf
http://www.fa.omron.co.jp/data_pdf/commentary/safety/safety_technical_guide_3.pdf




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環境安全工学 3

2006-10-08 | Mech Eng
 某大学の機械系の学科で「環境安全工学」の3回目の講義。

 概要は以下のとおり。

 1. これまでの講義
  都合で、今回から参加の学生さんがいたので、前回2回分の講義についてまとめ。
   [第1回]
  ・初回ガイダンス
   [第2回]
  ・安全のイメージ
  ・トラブルの確率とパターン
  ・信頼性工学 その1
  ・教科書、参考書等

 2. 信頼性工学 その2
  前回講義の「信頼性工学 その1」の続き。
  ・信頼性工学の枠組み
  ・信頼性への要求
  ・アイテムの信頼性
  ・故障解析
  ・抜取検査
  ・信頼性試験

 3. ソフトウェアの信頼性
  ・品質
  ・設計と実装
  ・ソフトウェアのテスト
  ・ソフトウェアの検査

 4. 安全とリスク (自動回転ドアのケース)
  ・自動回転ドア事故 事故の状況
  ・間違いだらけの「安全」
  ・安全への低い関心
  ・自動回転ドアの安全規格

 5. 宿題
  4の回転ドア事故のケースに関する宿題を出した。

  さて、どんなレポートがでてくるか楽しみですね。



参考文献
入門 信頼性工学 - 確率・統計の信頼性への適用
福井 泰好
森北出版株式会社

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「信頼性工学」を学びたい人には、特にオススメの新しい入門参考書(2006/7/13発売)。


信頼性工学入門
真壁 肇
日本規格協会

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信頼性工学の定番教科書。

機械系のための信頼性設計入門
清水 茂夫
数理工学社

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定量的信頼性設計の実践的最新の入門書

ソフトウェア工学
中所 武司
朝倉書店

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ソフトウェア工学のコンパクトな入門書。
ソフトウェア開発に関して、歴史や動向、開発技法、要求、設計、品質評価、オブジェクト指向技術等、幅広い内容。
ソフトウェア工学について、「最初の一冊」としてオススメ。

安全とリスクのおはなし―安全の理念と技術の流れ
中嶋 洋介(著), 向殿 政男(監修)
日本規格協会

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2004/3/24、六本木で起きた「自動回転ドアの事故」のケースを詳しく解説。
機械の安全やリスクについて、国際規格や考え方を簡潔にまとめている。
学生や若いエンジニアに是非読んでもらいたい。

インターネット上の参考文献
http://www.webstore.jsa.or.jp/webstore/top/index.jsp
http://www.jaxa.jp/press/2004/01/20040109_h2af6-01_j.html
http://www.sea.jp/SPIN/Reports/SPIN040226-Nara-handout3d.pdf
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環境安全工学 2

2006-10-01 | Mech Eng
 この9月から、某大学の機械系の学科で「環境安全工学」という科目を講じている。
  最初の講義では、講義の概要の説明や評価方法等のガイダンスをおこなった。

 2回目の講義では、以下のような話しをした。

 1. 安全のイメージ
  ・安全についての考え方
    安全についての考え方は、国、人、その他によって色々違う
  ・日本と欧米の「安全」
    日本の「安全」に対するアプローチの弱点
  ・電気機械類の安全の国際規格
    IEC 61508

 2. トラブルの確率とパターン
  ・事故や災害の確率 
    ハインリッヒの法則 1:29:300 ゴキブリの法則(by Jason)
  ・高度技術集約型システム 
    ハイテクの場合 1:2:10
    新技術や設計の見落とし、人間の理解/操作ミス、経済効果優先のミス
  ・労働集約型技術システム 
    ブロの場合:医療、情報システム、プロでない場合:建築現場
  ・都市構造技術システム  
    都市の問題、自然、火災、交通災害

 3. 信頼性工学 その1
  ・信頼性工学の基礎
    信頼性工学とはなにか?
    指数分布、ガンマ分布、ワイブル分布
    正規分布、二項分布、ポアソン分布
    バスタブ曲線
    MTBF、MTTR、MTTF、稼働率



 教科書、参考書、参考URLは、以下のとおりである。

 教科書(初回でも提示)
機械安全工学―基礎理論と国際規格

養賢堂

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 参考書(初回でも提示)
国際化時代の機械システム安全技術

日刊工業新聞社

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 参考書(今回のトピックス)
国産ロケットはなぜ墜ちるのか

日経BP社

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 参考書(今回のトピックス)
安全学の現在―村上陽一郎対談集

青土社

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 インターネット上の参考 URL
  http://ja.wikipedia.org/wiki/ÉnÉCÉìÉäÉbÉqÇÃñ@ë•
  http://www.mitsue.co.jp/case/marketing/03.html
  http://www.chuo-u.ac.jp/chuo-u/randdev/f02_05_74_j.html
  http://www.semiconductor-sanyo.jp/reliability/index.htm
  http://aoki2.si.gunma-u.ac.jp/lecture/Bunpu/
  http://www1.harenet.ne.jp/~noriaki/link73.html
  http://msugai.fc2web.com/pgm/robast.html
  http://jp.fujitsu.com/microelectronics/quality/ad00-00003/index_p6.html
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環境安全工学 1

2006-09-12 | Mech Eng
 某大学の機械系の学科で「環境安全工学」という科目を講ずることになった。
 
 ただの「安全工学」ではなく「環境」と付くところがミソである。
 機械システムだけでない様々なシステムでの「安全」、環境的な「安全」について、取り扱う予定である。

 発電所、大規模プラント、エネルギーシステム、交通システム、通信ネットワークなどのミッション・クリティカル・システム等における故障、事故、あるいは、環境、特に生物圏、人体に影響を与えるトラブルは,いったん発生すると社会や経済に非常に大きい影響を及ぼすことがある。機械やシステムの設計者/運用者は、このような事故やトラブルを未然に回避、予防すべく努めなければならない。
 機械やシステムあるいはそのまわりの環境に関して広い意味での「安全と信頼性」について、工学的な概念と手法の基礎を学んでほしい。また、過去のケーススタディから、安全のための予防原則についても理解を深めてほしい。

 さらにまた、
  個別の知識ではなく、その背景となる、原理原則、考え方
  それらの、調べ方、学び方
  故障や事故の元となりやすいシステムの弱点、人間の弱点
  「安全」「信頼性」についてのカン
  予防原則
  事例、歴史から学ぶ姿勢
 などを、多少なりとも身につけることを、重視していきたい。


 一冊で済むちょうど良い教科書がないので、以下のような複数の参考書も用いる予定である。


 教科書:
機械安全工学―基礎理論と国際規格
清水 久二, 福田 隆文(著)
養賢堂

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 参考書:
環境安全科学入門
玉浦 裕, 辻 正道, 日野出 洋文, 北爪 智哉, 原科 幸彦, 関口 秀俊(著)
講談社

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国際化時代の機械システム安全技術
向殿 政男(監修), 安全技術応用研究会(編)
日刊工業新聞社

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人間・環境・安全―くらしの安全科学
及川 紀久雄, 北野 大(著)
共立出版

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レイト・レッスンズ―14の事例から学ぶ予防原則
欧州環境庁(編著), 松崎 早苗, 安間 武, 水野 玲子, 山室 真澄(訳)
七つ森書館

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 これら以外にも、講義の中で、適宜参考書を紹介する予定である。


2006/10/01 追記:
 評価の配分は、概ね、以下のバランスを予定している。

  出席: 30-40%     重視 60%以上の出席が必要
  宿題: 15-20%     読書する機会を増やす
  期末レポート: 20-25%
  期末試験: 30-40%   試験の成績だけでは単位は出ません

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夏休み読書週間 (1)  「失敗をゼロにする」のウソ

2006-08-21 | Mech Eng
 先週、オフィスの近くの本屋で購入した一冊。

 筆者の飯野謙次氏は、元GEのエンジニアで、スタンフォード大学のPh.D.取得。 失敗学会 の副会長、現在は、カリフォルニアのサンノゼで、 Sydrose LP という、コンサルや技術翻訳の会社を経営している。


 目次

 第1章 失敗に関する三つの教え
 第2章 信用と隠匿は表裏一体
 第3章 楽しく学べば身によくつく
 第4章 効率向上の工夫が効率を蝕む
 第5章 仕組み、からくり、物語
 第6章 失敗したら威張って組織を危機から救おう


 本書は、「人間は失敗するものである」「失敗はなくならない」ということを全面に押し出した上で、最新の知見をふまえてまとめられた、失敗学の入門書。
 個々の例示、エピソードにリアリティがありとても判り易い。また、全体に文章がとても読み易い。
 さらに、日米の、失敗についてのアプローチの違いや問題点についても判り易く解説している。
 

 失敗やその教訓、失敗と安全に関する教育に興味のあるすべての方に特にオススメする一冊。


「失敗をゼロにする」のウソ
飯野 謙次
ソフトバンククリエイティブ

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安全科学 リスクアセスメントと失敗の心理学

2006-02-27 | Mech Eng
 この秋から,某大学で環境と安全関して講ずることになったので,色々と参考文献を集めている.
 先週入手したもののうちから2冊.

 まず一冊目は,明治大学理工学部長である 向殿政男 教授 による「よくわかるリスクアセスメント」.
 向殿先生は,情報科学やファジィ理論の専門家として知られているが,安全科学,安全性/信頼性理論(フェールセーフ理論,フォールトトレラントシステム ,
国際安全規格),機械安全,等も研究されており,この分野のISOの委員等も務められている.
 本書は,機械に対する安全を中心に,リスクと安全の概念から,リスクアセスメントの考え方,国際標準,方法,危険源,リスク低減方法,リスクの許容可能性,安全文化まで,コンパクトにまとめられている.また,文末に文献リストがあり,さらに詳しく学習することができる.
 
 はじめに
 第1章 リスクとは
 第2章 リスクと安全
 第3章 リスクアセスメントの考え方
 第4章 リスクアセスメントの方法
 第5章 危険源の同定
 第6章 リスクの評価方法
 第7章 リスク低減方策
 第8章 リスクレベルとリスク低減方策
 第9章 許容可能なリスクの判断
 第10章 リスクと安全文化
 あとがき
 参考文献



 二冊目は,立教大学 文学部心理学科の 芳賀 繁 教授による「失敗のメカニズム」.
 芳賀先生は,産業心理学,交通心理学,人間工学,特に「ヒューマンエラー」について研究されている
 本書は,「建築荷役車両」という専門誌に連載された安全講座「事故防止の人間科学」を中心に,加筆修正されたものであり,事故の元となる様々なヒューマンエラーについて分析し,防止策,人間の行動,安全の文化等について心理学の視点からまとめられている.こちらは,各章毎に詳しい文献リストがある.

 はじめに
 第1章 事故とヒューマンエラー
 第2章 見間違い、聞き違い、勘違い
 第3章 ドジ型とボケ型
 第4章 注意と記憶の失敗
 第5章 エラーを誘う設計と防止するデザイン
 第6章 違反と不安全行動
 第7章 人は考えずに行動する
 第8章 安全の文化
 あとかぎ


 それぞれ,工学的アプローチ,心理学的アプローチと異なる視点でまとめられているが,最後の章は,どちらも「安全文化」について論じている点は,非常に重要だと思う.

 安全設計,安全対策,事故未然防止などに興味のある方に,お勧めの2冊.


よくわかるリスクアセスメント―事故未然防止の技術
向殿政男
中央労働災害防止協会

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失敗のメカニズム―忘れ物から巨大事故まで
芳賀 繁
角川書店

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日航は失敗から学んだか?

2005-08-15 | Mech Eng
  JALウェイズ機のエンジントラブル のニュースをみると,純粋に機械技術者,システム設計者の視点でみても, 20年前の日航123便の事故 の教訓はどこに活かされているのだろうか?と考えざるを得ない.
 どうみても,何かがおかしい.

 日本航空の技術陣,経営陣のコメントを是非聞いてみたいところだ.
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技術的問題についてコメントする人

2005-04-30 | Mech Eng
 今回のJR福知山線の列車事故の報道の中で,色々な人(大学教授,博士,評論家,元JRエンジニア,政治家,その他)がTVや新聞等で,コメントしている.

  きさらぎけいすけ氏の4/25の記事 で言及されていた,桜井淳氏は,新幹線の安全評価に関する著書がある高名な技術評論家であり,また理学博士でもある.
 しかし,桜井淳氏の話しとして, 毎日新聞のWebの記事 にでていた以下の解説は,ちょっといただけない.
-----
◇「新幹線『安全神話』が壊れる日」(講談社)などの著作のある技術評論家、桜井淳さんの話

 事故車両が鉄製車両に比べ強度の劣るステンレス製でなければ、車両がマンションにめりこむようなことはなかったのではないか。死傷者も鉄製車両なら半分で済んだと思う。鉄道各社は、車両を鉄から薄いアルミなど軽量の素材にして、電力コストを安くしようと取り組んでいる。コスト重視の一方で、このような万一の事故の際の車両強度などを十分に検討してこなかったのではないか。
-----
 これは,「鉄製車両で車両の強度がステンレス製よりも高ければ,今回の場合のような事故でも,犠牲者が少ない」という誤解を読者に与える危険がある記述だと思う.

もし,車両が鉄製で,仮に2倍丈夫だとすると,通常はその車両は2倍以上重くなってしまう.もし2倍以上重い車両が,同じ速度で,マンションに追突したときの車両に加わるエネルギーは,概ね重さに比例して大きくなる.そうすると,

  車内の乗客のうけるエネルギーも,車両の重量に概ね比例する.
  1両目は,丈夫で重い2両目の衝突を受ける.
  2両目は,丈夫で重い3両目の衝突をうける.
  3両目は,丈夫で重い4両目の衝突をうける.
  ...
  マンション1-2Fは,現状よりももっと大規模に破壊された可能性がある.

 つまり,車両が鉄製で丈夫で簡単に車体が単体として「つぶれにくい」だけでは乗客の安全は担保できない.走行する車両が持っているエネルギーは,車両の重さの関数だから,車両が重ければ,衝突する際に,車内の乗客中が受けるエネルギー==衝撃は増えてしまい,「車両が強ければ犠牲者が減る」という簡単な話しにはならない.
 大脳や脾臓は,意外と小さな加速度で損傷を受けるので,3両目以降の乗客の被害が増えた可能性もある.
 また,おそらく,追突する車両がおもければ,マンションが受けるエネルギーも増えて,マンションはもっと壊れてしまうので,そのことによる被害も増える可能性もある.
 別の見方をすると,鉄製の重い車両では,もっと低い速度で脱線していた可能性もある.

 さらに云えば,交通システムとしての鉄道の常識からいえば,脱線したらその時点で「負け」なので,「車両が丈夫なら...」とはとてもいえないはずだ.


  桜井淳氏のプロフィール をみると,それなりに,立派な経歴である.理学博士であるだけでなく,現在,2つ目の博士号(それも社会学系)を取得するために,「東大大学院総合文化研究科在籍」というのは,1946年生まれということも考慮すれば凄いことだ.
 元々のご専門は「日本原子力研究所材料試験炉部計画課での仕事をまとめて原子炉物理学の研究で理学博士」である.当然,「材料」の「強度」そのものにはお詳しいと思われる.
 しかし,鉄道のような「移動する機械」の移動条件,強度,重量と,「衝突」のような急停車時にその「移動する機械」の中に加わる力や,そのような場合い急に大きな力が加わったときの「人」や「建物」への影響については,ご専門外なのかもしれない.また,「理学部」と「工学部」の勉強の仕方や知識の間口の違い,というのは,一般に考えられているものよりも大きいこともあるかもしれない.

 もう一人の例として,TVでよくコメントしている 工学院大学電気工学科の曽根 悟 教授 は,1967から一貫して,電気鉄道を中心とした,交通工学,交通システムとその周辺の電気機器を研究している「電車と関連技術の専門家」である.
  曽根教授の研究者プロフィール をみると,審査付論文98件,解説・論説・国際会議報告等489件となっている.


 我々は,メディアに登場する「技術的な問題の専門家」の「本当の専門分野」について,よく注意する必要があると思う.
 また,立派な経歴の先生でも,「何らかの外部の力」が働いて,「必ずしも客観的,科学的」なコメントではないお話しをしている場合もある.専門家の書いたもの,専門家の話し,だからといって,「鵜呑みにしない」ということも必要だと思う.
コメント (2)
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専門家としてのスタートと恩返しの相手

2005-01-09 | Mech Eng
 昨日の公聴会はなんとか終了した.公聴会のあと,主査,副査の審査委員の6人の先生方だけで本審査が行われた.先生方や諸先輩のご指導ご鞭撻のおかげで,本審査は無事合格した.まだ,大学院の委員会での審議や教授会での投票などが残っているが,やっと一山超えた感じだ.
 公聴会のあとの懇談会で,先生方から「昔,学位は,長年の研究の集大成という考えが主流だったが,いまは専門家としてのスタートにすぎない」というお話しがあった.また,社会人博士課程で学位を取られた先輩に当たる先生方からも,色々と示唆に富んだお話をいただいた.
 これからは,機械,交通,エネルギー,環境に関わる研究を続けることはもちろんだが,日常のITやソフトウェアの仕事に関わる分野でもビジネスだけではなく学術的な活動にももっと力を入れていかなくてはならない.さらに,広い意味での教育や啓蒙にも取りくんでいきたいとおもう.
 一橋の米倉誠一郎先生が,ハーバードで学位をとったとき,恩師で経営学の大家であるアルフレッド・チャンドラー先生から「恩返しする相手は,僕じゃない.これから君に学ぶことになる生徒達だ.」といわれたという記事を読んだ.私は学校の先生ではないので,分野にかかわらず,同僚や後輩,あるいは仕事上のクライアントを「恩返しの相手」と考えていこう.
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