ニューズウィーク日本語版 の2005.7.20 号 pp.38-39 に『「緑の党」のブルーな未来』と題した,最近のドイツにおける「緑の党」の人気低落についての記事があった.
その中に
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...自然保護や平和主義,フェミニズムといった緑の党の伝統的な争点のは,
多くの有権者から道楽の一種とみなされている.「仕事がない人間は,オゾン
ホールのことなんか気にしていられない」...
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という気になる文章があった.
確かに,最近,ドイツでは,高い失業率(12%)と経済の不振が政治問題となっている.
しかし,それでも,2002年の統計では,ドイツの国民総所得(GNI)は,1876320百万ドルであり,依然としてヨーロッパで一番である.世界でも,米国,日本につぐ値である.また,ドイツでは失業しても,餓えて死んだり,飲み水に困ったりはしない.
ヨーロッパのGNI 1000億ドルクラブ (2002年,百万ドル)
ドイツ 1876320
イギリス 1510771
フランス 1362007
イタリア 1100713
メンバーは,たった4カ国しかない.
ちなみに,
米国 10207039
日本 4323919
中国 1234157
つまり,日本は好況ではないが,イギリス,フランス,イタリアの3カ国の合計よりもGNIが多いということである.
ヨーロッパの一人当たりGNI 2万ドルクラブ (2002年, ドル)
ルクセンブルグ 39470
ノルウェー 38730
スイス 36170
デンマーク 30260
アイスランド 27960
スウェーデン 25970
イギリス 25510
フィンランド 23890
オーストリア 23860
オランダ 23390
アイルランド 23030
ベルギー 22940
ドイツ 22740
フランス 22240
一人当たりのGNIは,人口が少ない小国の方が総じて高めであることがわかる.
ちなみに,
イタリア 19080
であり,2002年度は,2万ドルクラブからは落選であった.
また,
米国 35400
日本 34010
カナダ 22390
シンガポール 20690
オーストラリア 19530
台湾 12858
韓国 9930
ブラジル 2830
ロシア 2130
中国 960
インド 470
世界の大半の国は,一人あたりのGNIは,5000ドル以下である.
ドイツは,一人あたりの GNIで,ヨーロッパの2万ドルクラブの中では,低位ではあるが,世界的にみれば上位に位置している.このような国で,自然保護や環境対策が道楽とみなされるというのは,少々狭いものの見方であると言わざるを得ない.
米国,日本,EUのGNI上位の先進国こそが,エネルギー対策や環境対策の新技術を開発して,それを発展途上国に提供していかなければならないはずだ.
中国の物価は日本の1/20~1/30といわれているが,一人あたりのGNIは1/35 以下である.(2002年の統計) ここから,中国やインドが先進国の本当の仲間に入るのはそう簡単ではないことがわかる.
その中に
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...自然保護や平和主義,フェミニズムといった緑の党の伝統的な争点のは,
多くの有権者から道楽の一種とみなされている.「仕事がない人間は,オゾン
ホールのことなんか気にしていられない」...
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という気になる文章があった.
確かに,最近,ドイツでは,高い失業率(12%)と経済の不振が政治問題となっている.
しかし,それでも,2002年の統計では,ドイツの国民総所得(GNI)は,1876320百万ドルであり,依然としてヨーロッパで一番である.世界でも,米国,日本につぐ値である.また,ドイツでは失業しても,餓えて死んだり,飲み水に困ったりはしない.
ヨーロッパのGNI 1000億ドルクラブ (2002年,百万ドル)
ドイツ 1876320
イギリス 1510771
フランス 1362007
イタリア 1100713
メンバーは,たった4カ国しかない.
ちなみに,
米国 10207039
日本 4323919
中国 1234157
つまり,日本は好況ではないが,イギリス,フランス,イタリアの3カ国の合計よりもGNIが多いということである.
ヨーロッパの一人当たりGNI 2万ドルクラブ (2002年, ドル)
ルクセンブルグ 39470
ノルウェー 38730
スイス 36170
デンマーク 30260
アイスランド 27960
スウェーデン 25970
イギリス 25510
フィンランド 23890
オーストリア 23860
オランダ 23390
アイルランド 23030
ベルギー 22940
ドイツ 22740
フランス 22240
一人当たりのGNIは,人口が少ない小国の方が総じて高めであることがわかる.
ちなみに,
イタリア 19080
であり,2002年度は,2万ドルクラブからは落選であった.
また,
米国 35400
日本 34010
カナダ 22390
シンガポール 20690
オーストラリア 19530
台湾 12858
韓国 9930
ブラジル 2830
ロシア 2130
中国 960
インド 470
世界の大半の国は,一人あたりのGNIは,5000ドル以下である.
ドイツは,一人あたりの GNIで,ヨーロッパの2万ドルクラブの中では,低位ではあるが,世界的にみれば上位に位置している.このような国で,自然保護や環境対策が道楽とみなされるというのは,少々狭いものの見方であると言わざるを得ない.
米国,日本,EUのGNI上位の先進国こそが,エネルギー対策や環境対策の新技術を開発して,それを発展途上国に提供していかなければならないはずだ.
中国の物価は日本の1/20~1/30といわれているが,一人あたりのGNIは1/35 以下である.(2002年の統計) ここから,中国やインドが先進国の本当の仲間に入るのはそう簡単ではないことがわかる.
また,不況が続くと,ワイマール共和国が持たなかったときと同じような,内政的な圧力が発生して過度に保守派が台頭し,非常にマズい状態になると思います.