ゑびす丸 大漁小言

陸前高田の釣り士、ゑびす丸の船頭ブログです。

出来栄え

2021-06-10 | 日記


パイセンに外注した天秤仕掛け。
この緑色のシモリ玉はサトルオリジナル。
彼が業者に特注した逸品。
市販されてるシモリ玉は、穴のクオリティがマチマチでポッチみたいになってんのもある。
なんで、いちいち爪磨き用のヤスリでこすって平らにしてからの作業となる。


が、彼の特注品は片方の穴が円錐形に穿ってある。
幹糸通しやすくしてんだね。
でも、やっぱ錐で慎重に揉んでやらないと糸が通り切らないんだな。
パイセンは面倒いから、ヤスリで削らずに錐で揉むから、穴の表面が毛羽立つ!
シモリが割れる!割れる!と言い訳する。

ヘタクソやん!
力任せにグリグリやってんでね~~~の?
揉むってのはさ、どれ道場で一丁揉んでやる! つうのとは違うだろうが、、、
とは、微塵も感じさせるわけにはいかない。



翻って、この赤いシモリ玉は市販品。
これなら大丈夫! と豪語するんだけど、、、つうか、玉の大きさが違うよな???
で、20本しか作れなかったん??? シモリ玉100個なのに???
せっかくサトルが分けてくれたのに、どんだけ無駄にしてんだい!
とは、一切表情に出してはいけない。

今週の朝7時前後のBSで、イッピンという若い職人にフォーカスした番組がある。
厳しい修行を経てなお、これじゃダメだ! と自身を叱咤している若い職人。
得てして職人は培った技術にのみ没頭し、新しい感性を拒む。
でもそれだけでは技術の伝承に過ぎない。

かつての刀工が刀を捨て、包丁にその精神を伝統するときの葛藤やいかに?
新しいモノにその魂を吹き込むことを潔し良し!としなければ、2千年に及ばんとする伝統は消え去ったはずだ。

パイセンの技術は今のままでは廃れるだろうか?
伝統させるだけの、渾身の気概はどうだ???
陽のささない、冬眠してる熊を叩き出した洞に籠り、蝋燭の明かりだけでラインを組む、、、
シモリに穴を穿ち、ビーズ球に留めの命を吹き込む、、、
出来栄えを見るその眼は、西郷南爺のごとく爛々とし且つ、冷酷に評価している。

その渾身さの全く無い!無い!無い!、、、イッピンを使う時の背中に走る悪寒!
釣れるよな??? 
釣れるべ!! 
釣れね~~~はず無いよな!!!

船頭のお腹だけでなく、広田湾全体に醸し出されるヒグマの圧!
上下関係とは、かくも非情である、、、



でまあ、このスイベルなんだけどね?
皆さんはどうすか?



オラはこっちなんですよね。
ハリスをスイベルに留める時にさ、ハリスコブで留めんのとノットで巻き留めすんのはどっち?
オラはノット締めしないと気が済まないんだよな。
だから、上のハリス留めより下のダイヤアイのスイベルが好きなんだ。
パイセンに材料渡すときに、何の気無しだったからから、、、



このスイベルの先を拡げんと使い物にならん。
適当に拡大すると、細いから折れやがるしさ!

造り手と、使い手の意思が疎通しないイッピン。
造り手の魂を、使い手が拒むイッピン。
やっぱ、伝統しないんだろうな、、、