クロスバイクで元気

念願叶った定年退職の身は、先立つ物は細く時間は太くの狭間。
歩いて、自転車に乗って感じたことを、気ままに書き続けます。

岩﨑知子さんの描くモチィーフは、楚々たる気品に包まれる

2018年06月10日 19時16分23秒 | 美術展
『空気と題材と自分が、一体になれればよい』
画家岩﨑知子さんが絵を描く時の気持ちです。

今日、京都の蔵丘洞画廊で開催中の『岩﨑知子(画)・馬場駿吉(句) 絵画と俳句の出逢い』を観てきました。
いつ観ても私を惹きつける岩﨑さんの絵。
その魅力はなんだろうと、在廊していた岩﨑さんとお話をしながら考えてみました。

どの絵を通じても、まず感じるのは楚々たる気品というか、素直で純粋な美しさが絵から溢れているということです。
それは、画家が塗りこめられた色と形とマチエールの組み合わせから生まれる野菜や花などが、お互いがお互いを際立たせているからなのでしょうね。

岩﨑さんが1枚の絵に描く数多くのモチィーフの相互の関係。
『遠近感が取れていない』と画家は言いますが、私には遠近感の破綻、違和感は感じません。
今回の出展の中で、縦61.2cm、横91.3cmの『野菜』は、新しい画境を開く意欲作だと思いますが、モティーフの親密な相互関係が特に際立っています。
何物をも包み込む岩﨑さんの筆さばきの優しさが(、ひいては彼女の優しさですが)、統一感のある空気でモチィーフのそれぞれを表しているからでしょうね。

かつては、松本俊介の絵が好きだったという岩﨑さん。
今後、彼女の内部の世界をどのように描き出すのか、楽しみが尽きません。

『岩﨑知子(画)・馬場駿吉(句) 絵画と俳句の出逢い』は、京都市中京区下本能寺前町の本能寺会館1階、蔵丘洞画廊で16日(土)まで開催中です。

写真は、画廊の北向かえの京都市役所。展覧会とは、関係ありません。
コメント (2)
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