ずらっと並ぶ 「 能・狂言面 」 。
いずれの面も素晴らしいできばいです。
どうやって作るのでしょうね。
「 一木彫りですか? 」 とお尋ねしたところ、ちょうど会場におみえになった花木行信さんが丁寧に教えてくれました。
般若の角を除き、一木( 直方体の桧 )から彫るそうです。
能面ごとに型紙があり、まずは顔の縦方法の型紙を桧に当てて鉛筆などで型紙に沿って線を引いて彫り、次は、顔の横方向の型紙を使って、同じように彫っていくそうです。
材が桧ですから、いい匂いを味わいながらの作業とのこと。
途中先生に見てもらい、ここはもう少し彫るとか、少し彫り過ぎとか指導を受け、彫り過ぎた部分は、おがくずと膠を混ぜたもので補修するそうです。
「 初めての作品は、完成までにどのくらいかかりますか? 」 とお尋ねしたところ、 『 1年ぐらい。 』 と返事が返ってきました。
根気がいる作業ですね。
更に花木さんが言うには、 『 最初は同じものを2枚ずつ彫りました。最初から3つ目のお面までがそうでしたね。彫り方を早く覚えるためです。 』
なるほど、しっかりと腕に覚え込ませるために、2枚ずつとは名案です。
彫り過ぎなどのフィードバックも効果的にできそうです。
彫りあげた面は、胡粉などで着色するとのこと。
額に描く数本の髪や、眉毛、目鼻の描き込みなど、最後まで気の抜けない作業が続くようです。
「 第30回 一面会 能・狂言面作品展 」 は、本日まで一宮市の玉堂記念木曽川図書館3階で開催されました。
面毎に説明書きがあるのはいいですね。
特に “ 般若 ” は嫉妬に狂った女性の怨霊だそうで、怖い顔をしています。
怒った女房と一緒だということで、受付に座ってみえた2名の方と意見が一致しました。