久しぶりの更新です。
先週8日に開会した12月定例会も、明日15日に閉会となります。
今日から、開会初日に行われた町長からの行政報告をお知らせします。
また、準備宿泊等のご質問がコメントにありましたが、行政報告の内容の一部に回答となる箇所があります。ただ、補足説明を要する場合もありますので、その際は私の考えも含めお答えしたいと思います。
平成27年浪江町議会12月定例会の開会にあたり、行政報告を申し上げます。
東日本大震災の発生から4年9ヶ月が経過しようとしております。改めてこの震災によりお亡くなりになられた方々、過酷な避難生活の中で命を落とされた方々の、ご冥福をお祈り申し上げますとともに、ご遺族に対し、深く哀悼の意を表します。
また、いまなお、県内外に避難を余儀なくされ、先行きが見えないなか、つらく厳しい生活を強いられている町民の皆様に対し、心からお見舞い申し上げます。
さて、私事ではございますが、過日行われた浪江町長選挙において、当選の栄に浴し、引き続き町政のかじ取り役をさせていただくこととなりました。行政報告に先立ち、お時間をいただきまして私の所信の一端を述べさせていただきます。
先月30日、パリでCOP21、第21回国連気候変動枠組み条約締約国会議、が開幕しました。温室効果ガスの削減のために、化石燃料に頼らないクリーンなエネルギーを推進すべきことは、もはや世界の共通認識であります。これまでCO2削減に消極的だったといわれるアメリカや中国も、会議に先立って自ら削減目標を策定したといいます。
火力発電を減らすため、当面は原子力に頼るという選択をする国も、あるかもしれません。しかし、長期的にクリーンエネルギーを増やすためには、やはり再生可能エネルギーの活用が重要になってまいります。浪江町は、未曾有の原発事故を経験した自治体として、「原発エネルギーに依存しない社会」を体現するまちづくりを率先して進め、世界に示してまいりたいと考えます。
具体的には、エネルギーの地産地消、すなわち再生可能エネルギーや新エネルギーの積極活用と、テクノロジーを駆使した省電力などをすすめ、いわゆるスマートシティを志向いたします。
気候変動への取り組みは、とりもなおさず限りある地球資源をどう配分し、どういう社会の未来像をつくるかの問題です。当然ながら、日本一国で完結するものではなく、世界の国々とともに地球全体の将来を考えなければなりません。浪江町のような地方の小さな一自治体であっても、今後この視点はますます重要になってくると考えます。むしろ、大震災と原発事故による全町民・長期・広域的分散避難という過酷な状況からの復活を期する浪江町・双葉郡だからこそ、町内外・郡内外のみならず、世界の英知を集め、世界へ発信できるようなまちづくり・地域づくりを志向すべきではないでしょうか。震災からまもなく5年、「復興・創生期」と位置づけられる次の5年は、まさにそうした「地方創生」の観点も必要になってくるものと確信いたします。
そんな復興まちづくりの大前提となる、浪江町の除染、インフラ復旧は、一歩ずつではございますが確実に前進してまいりました。
最新の住民意向調査の結果は、この後ご報告いたしますが、すぐに帰る人にとっても、そうでない人にとっても「ふるさと浪江」はひとつです。ふるさとがよみがえっていく姿を力強く発信し、浪江町百年の大計の礎を創建するとともに、「どこに住んでいても浪江町民」の理念に基づいて、すべての町民が自立して生活再建を果たすまで、これまでの支援を継続・維持してまいります。
浪江の歴史と伝統の上に新しい価値観を積み上げて、私は町民の皆さんが納得できる町と地域を創建するため、私情を捨て、公益に徹し、町民の皆様の声を力とし、現実にひるむことなく、不撓不屈の精神で与えられた使命を果たす覚悟であります。
町民の皆様、そして議員各位におかれましては、さらなるご支援、叱咤激励を賜りますようお願い申し上げます。
今日は、ここまで。