☆映画の旅の途中☆

色んな映画をどんどん観る旅

『ロマン・ポランスキー初めての告白』(2011)

2013年07月02日 | 西洋/中東/アジア/他(1990年以降)
『ロマン・ポランスキー初めての告白』(2011)

ローラン・ブーズロー監督、アンドリュー・ブラウンズバーグさん(インタビュアー)、ロマン・ポランスキーさん。

【STORY】
オカルトホラーの金字塔「ローズマリーの赤ちゃん」(1968)、フィルムノワールの傑作「チャイナ・タウン」(74)、カンヌ映画祭パルムドール&アカデミー監督賞受賞の「戦場のピアニスト」(2002)など、数々の名作を残しているロマン・ポランスキー監督が自らの人生を語ったドキュメンタリー。

【感想レビュー】@theater
ポランスキー監督の波瀾万丈な人生を激白したドキュメンタリー映画です。

幼少期から今に至るまで当時の映像を交えながら語っています。

1933年、仏パリで生まれた彼は、幼少期に移り住んだポーランドで第2次大戦を迎え、ユダヤ人としてゲットーに収容されましたが、そこから1人で脱出し、映画大学に入学しました。


ホロコーストを題材にした映画はよく観ているのですが、そんな中でも私にとって「戦場のピアニスト」は特別な作品です。

それは、シュピルマンがショパンのノクターン第20番遺作を演奏するシーンなどのピアノを演奏するシーンだけでなく、なぜか、ハッとする瞬間が沢山あるのです。

切り口が他の作品と逸脱して違うという訳でもなさそうなので、何でだろう…とずっと引っ掛かっていました。


その理由が何なのかを知りたくて、ポランスキー監督の特集に行く事にしました。

『ローズマリーの赤ちゃん』を観て少しだけ分かった気がします。

鋭敏で豊かな色彩感覚もその一つかもしれないと。

『お墓に一つだけ持って行けるとしたら「戦場のピアニスト」』

彼はそう言いました。

なんだかとても嬉しかったです。

他の作品も是非観たいと思います。


『ローズマリーの赤ちゃん』(1968)

2013年07月02日 | 西洋/中東/アジア/他(クラシック)
『ローズマリーの赤ちゃん』(1968)

ロマン・ポランスキー監督、ミア・ファローさん、ジョン・カサヴェテスさん出演。



【STORY】
ニューヨークが舞台のモダン・ホラー。
若い俳優(ジョン・カサヴェテスさん)と妻ローズマリー(ミア・ファローさん)は、マンハッタンの古いアパートに引越してきた。

2人がつき合っている初老の友人ハッチ(モーリス・エヴァンス)によれば、このアパートは、以前から不吉な噂がたえないという。だが若い2人は、いっこうに平気だった。
でもやがて不穏なことばかり起きるようになって…。

【感想レビュー】@theater
これが本当に45年前の作品なのか!
と驚愕するほど、60年代のファッションやインテリアは勿論、演技や台詞に至るまでスタイリッシュで新鮮な印象を持ちました。

ニュープリント版という事もあるのでしょうが、画面がとっても鮮やかでおしゃれなのです。

ミア・ファローとジョン・カサヴェテスの新婚夫婦のやり取りは実に愛らしく

でもそれが少しずつ不穏な空気を纏っていく描写が実に巧妙でした。

無駄に感じる瞬間が一切無く、ラスト10分に差し掛かって尚、ドキドキさせてくれるストーリー展開にすっかり、ポランスキーのファンになってしまうのでした


そして、ジョン・カサヴェテスさんと言えば、映画『CUT』との深い繋がりがあります。

『装苑』Yuka Kimbaraの記事より
fashionjp.net/soen/blog/kimbara/2011/11/24/142/
↓↓↓↓
ナデリ監督は、カサヴェテスの遺作となった『ジョン・カサヴェテスのビッグ・トラブル』(日本未公開・1986年)の製作に携わった過去を持ち、それまで偉大なる映画を撮り続けながら、最後は多くの苦労を抱えた末に、あまり話題にもヒットにもならなかった作品で終わってしまったカサヴェテスへの思いを映画にしようと長年考えていたそうです。

そして西島さんと出会い、彼にカサヴェテスの面影を見出したと言います。

その直感は正しくて、昨日の東京フィルメックスでの質疑応答の際、西島さんの口から、「ジョン・カサヴェテスの映画と出会って自分自身が生まれ変わった気がした。それほど大きく自分の人生を変えられた作家」という言葉が出てきました。
しかし、西島さんがナデリ監督とカサヴェテスとの関係を知ったのは『CUT』を撮り終わってからというから、映画の神様が引き寄せた運命の赤い糸なのだなあ、と壇上のお二人を見つめながら思った次第です。


ジョン・カサヴェテスさんを尊敬してやまないナデリ監督に、そのカサヴェテスに似ていると言われる西島さん

凄いですね!!!

『CUT』の次回作も楽しみです