☆映画の旅の途中☆

色んな映画をどんどん観る旅

『西鶴一代女』(1952)

2013年07月06日 | 邦画(クラシック)
『西鶴一代女』(1952)

溝口健二監督、田中絹代さん(お春)、山根寿子さん、三船敏郎さん出演。



【STORY】
井原西鶴の「好色一代女」を原作に、男たちに翻ろうされ堕ちていく女の悲劇を描いた溝口健二監督の最高傑作。田中絹代が一世一代の名演技を見せる。
ベネチア映画祭監督賞受賞作。
(Movie Walkerより引用)

【感想レビュー】@theater
モノクロ映画を映画館で観るのは、今村昌平監督の『黒い雨』(1989)以来、もうかれこれ24年ぶりの事です。

父に連れられて、遠くのミニシアターまで行った記憶があります。

夏休みの宿題で、戦争を扱った映画や作品に触れる…みたいな課題だったのだと思います。

モノクロで観る戦争映画は、カラーよりも却っておどろおどろしかったのを覚えています。

そういう事もあってか、モノクロ映画を敬遠していたというのもありますが、ここは…。

他でもない西島さんの愛する溝口監督作品という事で…。

動機が不純です…

先日の溝口健二特集に行ってきました。


想像していたよりも、映像がとても綺麗で、音も良かったのでまずは一安心して、観始めました。

開始早々、お春を演じる田中絹代さんのお声や仕草の艶っぽさに釘付けでした

身勝手な父親のせいで、お春の苦労はどんどんエスカレートしていき…。

やっと些細な幸せを手にしたと思えば泡と消え…そしてまた苦労を重ね…と、本当に救いが見つからないのですが…。

そんな中でも、逞しく生きる美しさが、徹底的に描かれていました。

この諸行無常観が何とも切ないのですが、シンプルで一貫性のある世界観にすっかり夢中になってしまいました!!





『Dolls』(2002)

2013年07月06日 | 西島秀俊さん☆映画
『Dolls』(2002)

北野武監督、菅野美穂さん、西島秀俊さん、三橋達也さん、深田恭子さん出演。



【STORY】
近松門左衛門の『冥土の飛脚』の出番を終えた忠兵衛と梅川の文楽人形。その視線の向こうに、3つの愛の物語が展開する…。
(Movie Walkerより引用)

【感想レビュー】
西島さんの映画の中でも、とりわけ大好きな作品の一つです。

何度観ても毎回、その四季の豊かさと、随所に散りばめられた赤色に惹かれます。

燃えるような赤や黄の紅葉の中を二人で歩くシーンは、哀しいまでに美しいです。

繋がり乞食は、確かに究極の愛の形かもしれないな…と思いました。


二人が行き場を無くし、だんだんと身をやつしていく姿には、本当に切なくなります。

それでもそこに、二人だけの世界が在って…。

毎回同じところで、堪え切れず泣いてしまうのですが…。

本当に色褪せない映画だと思います


衣装は、デザイナーの山本耀司さんが担当しています。

衣装が、場面ごとに変化してしていきますが、それと同時にどんどん二人の人間味は薄れていって、文楽人形に近付いていく描写に、毎回唸ってしまいます。

背景と

衣装と

登場人物と

音楽と

…全てが溶け合って生まれるDollsの幻想的な世界がとっても好きです