☆映画の旅の途中☆

色んな映画をどんどん観る旅

『ロストロポーヴィチ 人生の祭典』(2006)

2013年07月03日 | 西洋/中東/アジア/他(1990年以降)
『ロストロポーヴィチ 人生の祭典』(2006)
アレクサンドル・ソクーロフ監督

【STORY】
20世紀の偉大なチェロ奏者の生涯。
小澤征爾さんも敬愛するチェロ奏者ロストロポーヴィチさんの80歳を記念して製作されたドキュメンタリー。

彼とその妻でソプラノ歌手のヴィシネフスカヤさんが語る二人の波乱の生涯。最後のプレミアコンサートとなった、小澤さんの指揮によるウィーンフィルとの共演が終盤を飾る。

【感想レビュー】@theater
ソ連時代に反体制芸術家として扱われたロストロポーヴィチさんと妻のヴィシネフスカヤさん。

大変な思いを強いられてきたにも関わらず、彼らは祖国を愛し続けていたのですね…。

自国の偉大なる作曲家達への想いと、音楽への弛まぬ情熱と献身がひしひしと伝わってきました。

『(作曲家と違う点は)演奏家は音楽の娼婦』と仰いました。
演奏家は、作曲家が誰であっても、その作品に献身的な愛を注ぐのです。


有名なヴァイオリニストのチュマチェンコさんの言葉にも次のものがあります。

『演奏する時に重要なのは、あなた自身でない。音楽が重要なのよ。作曲家が音を通じて何を伝えたかったか。どんなメッセージを発しているのか。それを見出し、それに近づかなればならない。あなたの役割は、その音楽に息を吹き込むことなのです。』

作品のあるべき姿にアプローチしていく作業は並大抵の事ではありませんが、ただひたすらに献身していく。

その姿勢を、インタビューやプレミアコンサートのリハーサル、本番の映像から伺う事ができました

ロストロポーヴィチさんのチェロは、深い音色とスケールの広さと、瞬発力と…とてもお年を感じさせないエネルギーに満ち溢れていました

小沢征爾さんは、ロストロポーヴィチが認めている公認の弟子にあたるのですが、その師弟関係のお二人の共演や言葉のやり取りも拝見出来て、大満足でした!











【追記】『SELF AND OTHERS』(2001)

2013年07月03日 | 西島秀俊さん 徒然日記
【追記】『SELF AND OTHERS』(2001)

観てから数日経っても、毎日この映画の事をふと思い出しては考えてしまいます。

『SELF AND OTHERS』には、夭折の写真家を追憶する、懐かしむ…あるいは感傷に浸るような類では無い何か…。

牛腸さんの本質に挑む気概のようなものを感じるのです。

彼の本質を垣間見て、とても恐ろしかったのです。

畏怖のようなものを抱きました。

彼の作品はとてもさり気ないけれど、時が経った今でも尚、そこから新鮮な温度を感じましたし、今は亡き彼に会ったような気さえしました。


もしかすると、牛腸さんが撮った方々の写真を見ているうちに、その方々の眼差しを通して、私も牛腸さんに会ったような感覚になったのかもしれません。


こういうドキュメンタリー映画があるんだな!!! …と驚愕した作品になりました。

西島さんの映画を鑑賞する旅の、記念すべき52本目(あと1本…‼)に観たのがこの作品で、とっても嬉しいです