☆映画の旅の途中☆

色んな映画をどんどん観る旅

『自分に見合った顔』(2004)

2013年07月18日 | 西洋/中東/アジア/他(1990年以降)
『自分に見合った顔』(2004)
(日本初公開)

ミゲル・ゴメス監督、ジョゼ・アイロザさん、グラシンダ・ナヴェさん、カルロト・コッタさん出演。

【STORY】
30歳までは神から授かった顔、その後は自分に見合った顔になる――。
グリム童話「白雪姫」をモチーフのひとつに、30歳の誕生日を迎えたフランシスコの身にふりかかる奇想天外な出来事を、大胆な二部構成で描き出す。最新作『熱波』によって、一躍世界の注目の的となったミゲル・ゴメスの記念すべき長編デビュー作。
(ユーロスペースHPより)

【感想レビュー】@theater
『熱波』を観て、映画館を移動して「ポルトガル映画の巨匠たち」へ。

上映が短期間という事もあって、とっても熱気がありました

『熱波』で、ミゲル・ゴメス監督の不思議な温度を感じたので、続けて作品を観れるのはラッキーでした


開始早々、とってもチャーミングで大きな子どもみたいな男が出てくるではないですか

一つ一つの仕草は愛らしく、発想も可愛くて、劇場内はクスクスどころか笑い声も起こるほど!

あぁ、『熱波』に感じた要素は無いんだな…と安心して観始めたのですが…それも束の間!!

愛されるキャラクターで、分かりやすいコメディタッチの、でも、うっかり感動しちゃうタイプの作品かなと思ったのに、その男が、はしかを患ったところから、あれよあれよとまた、隔たりを感じずにはいられなくなったのです!!


けれども、作品はまたしても饒舌に、そして決して不親切な感じでもなく…。

こういう感じは、味わった事がないので、何とも不思議な感覚でした。

共感を呼ぼうとするワケでもなく、かといって批判を覚悟した表現…というワケでもなさそう。。

ただ、でもなんだか爽やかにそこに在る感じなのです…。


受け入れるも何も、そこに在るのだから、在るんです…よね(?)

よく分からなくなってきました。

でも、味わった事のない感覚を味わえたので、満足でした









『熱波』(2012)

2013年07月18日 | 西洋/中東/アジア/他(1990年以降)
『熱波』(2012)

ミゲル・ゴメス監督、テレサ・マドゥルガピラールさん、ラウラ・ソヴェラウさん(アウロラ)、アナ・モレイラさん(若きアウロラ)、カルロト・コッタさん(若きヴェントゥーラ)、エンリケ・エスピリト・サントさん(ヴェントゥーラ)出演。

さまざまな映画祭で賞を受賞した『私たちの好きな八月』のポルトガルの俊英ミゲル・ゴメスが手掛けた、ノスタルジックな愛の物語。

【STORY】
現代のリスボンと1960年代の植民地時代のアフリカを舞台に、壮大な喪失のエピソードを2部構成でつづっていく。モノクロの映像で激動の過去と共に描かれる。
敬虔なクリスチャンであるピラール(テレサ・マドゥルガ)は、退職後はカトリックの社会活動団体に所属し、少しでも世界を良くしようと努力している。リスボンに住む彼女は、80代の隣人アウロラ(ラウラ・ソヴェラウ)のわがままに振り回されていた。そんなある晩、アウロラの体調が急に悪化し、ピラールは彼女にある頼み事をされる。

【感想レビュー】@theater
私にとっては、とっても不思議な感覚にさせられる映画でした


最初と最後の、ピアノで奏でられる音楽は印象的です。

第一部では、主にピラール(テレサ・マドゥルガ)の視点から見た隣人:現在のアウロラを。

第二部では、主にヴェントゥーラの回想で、1960年代の植民地時代のアフリカの二人の想い出を綴っていく。


そこで、私が面白いな!と思ったのは、ストーリーにでも無く、キャラクターにでも無いのですが…。

あ、ワニは可愛かったです

作品は、とっても饒舌で、時には親切過ぎる位にストーリーの脈や人物の心情を描いています。

決して、観ている者を欺こうとかビックリさせようとかは無いと思います。

にも関わらず!

ちっとも、ちっとも共感出来ないし、いつまで経っても、ただの傍観者として作品を観続ける時間が続いたのです

温度を感じないというか。
感じさせないというか…。

まるで、他者の人生など、そんなものさ、と言わんばかりに

第二部が始まる頃には、半ば疑いながらも、この演出はワザとに違いない…と思いつつ観ました。
(違うかもしれないけれど…)


そして、また最後に冒頭と同じピアノ曲が流れたのですが、そこでその考えは、私の中では確信に変わりました。

そのピアノは、とっても潤っているのに、温度が無い…。
綺麗で美しいのだけれど、温度が無い。

作品のテンションとリンクしていたので、益々確信に至りました。

そういう意味でミゲル・ゴメス監督自身に興味を持ちました